現代のネットワークインフラを支える、「電気通信主任技術者」について知っていますか?電気通信主任技術者は資格であり、国家試験をパスすると資格証が交付されます。パソコンやスマホのインターネット技術は爆発的な勢いで普及しており、そのような社会を維持する役割として電気通信主任技術者の存在は欠かせないでしょう。
そこで当記事では、電気通信主任技術者の資格概要をお伝えするとともに、5chの情報をもとに試験をパスするための勉強法を考えてみました。電気通信主任技術者の資格に興味のある方、これから電気通信業界に関わっていきたい方などは、ぜひ当記事を参考にしていただけたらと思います。
電気通信主任技術者(伝送交換)とは?
まずは、「電気通信主任技術者(伝送交換)」の資格内容について見ていきましょう。日本データ通信協会の電気通信国家試験センターによりますと、「電気通信主任技術者は、電気通信ネットワークの工事、維持及び運用の監督責任者」と定められています。つまり電気通信主任技術者の資格を取ると、工事の監督責任者になる権利が与えられます。
さらに、電気通信主任技術者試験には2種類の試験が存在することも理解しておきましょう。
・伝送交換主任技術者資格試験・線路主任技術者資格試験 |
試験は年に2回あり、合格率は以下のように発表されています。
伝送交換 | 線路 | |
第1回試験(平成29年度) | 23.4% | 15.5% |
第2回試験(平成29年度) | 25.7% | 32.1% |
第1回試験(平成30年度) | 27.8% | 30.3% |
第2回試験(平成30年度) | 29.3% | 32% |
第1回試験(令和元年度) | 24.8% | 22.6% |
第2回試験(令和元年度) | 28.5% | 33% |
平均合格率 | 26.6% | 27.6% |
表を見てわかる通り、合格率は約20%台でかなり難しい試験内容となっています。実際試験を1度でパスする人はあまりおらず、何年か掛けて合格する人がほとんどのようです。
電気通信主任技術者の試験科目
電気通信主任技術者の試験科目は以下の3つです。
・電気通信システム・設備及び設備管理・法規 |
以前は、この3つに加えて「専門的能力」があったのですが、2021年度より廃止になっています。
「無線従事者資格」や「工事担任者資格」などの資格保有者や実務経験があると認定された場合には、試験科目が免除されるでしょう。また以前に試験を受けて合格した科目についても3年間は科目免除されます。
電気通信主任技術者試験の試験概要を把握
試験 | 7月、1月 |
合格発表 | 8月、2月 |
願書申込 | 4〜5月、10〜11月 |
受験地 | 札幌、仙台、さいたま、東京、横浜、新潟、金沢、長野、名古屋、大阪、広島、松山、福岡、熊本、那覇 |
受験料 | 1科目受験:16600円 2科目受験:17300円 3科目受験:18000円 4科目受験:18700円 全科目受験:9500円 |
電気通信主任技術者の試験対策
ここからは電気通信主任技術者試験に合格するための勉強法について説明します。筆者が5chスレの意見を参考にして最短で試験に合格できるであろうルートとなっていますので、参考にしてください。
基本的には過去問を解けばOK
最近、電気通信主任技術者試験に関する参考書はさまざまな種類のものが出版されています。そんな中、初心者の方は「どの参考書を買えばいいんだろう?」と迷ってしまうかもしれません。
しかし、悩む必要はありません。基本的には過去問を解けば試験対策としては十分です。その他の参考書は、過去問を解いてから余った時間で学習しましょう。「電気通信主任技術者試験全問題解答集」という本で過去5年間の問題が解答つきでまとめてあります。解説もかなり詳しく書いており、どこで間違ったのかがわかりやすく勉強しやすいです。
過去問集も数種ありますが、この黄色の表紙の本が最も使いやすいです。まず最新版を購入して勉強してみてはいかがでしょうか?
過去問を使った学習方法
過去問を使った勉強方法については以下の2点に注意しましょう。
・出題ポイントを整理し丸暗記する・何周か過去問を回して知識を定着させる |
「電気通信主任技術者」は国家資格となっています。国家資格の傾向として、出題ポイントや出題傾向は毎年同じですので、電気通信主任技術者試験の問題も半数以上は過去問から似たような問題が出題されています。
そこで過去問の出題ポイントを整理し丸暗記することによって、余計な勉強時間を大幅にカットできるはずです。さらに1度の学習ではなかなか知識が定着しづらいと思うので、何度も問題を解くことによって問題への理解が進みます。目安としては過去問を最低2〜3周程度回してみて、すぐに解法が頭に浮かぶ状態まで持っていくのが理想です。
具体的な学習スケジュールについて
電気通信主任技術者試験は先述した通り、試験科目が3科目あるため予め学習スケジュールを立ててから勉強すると効率が良いです。
法規から勉強して学習の感覚を掴もう
最初に法規を勉強する理由はいくつかありますが、1番の理由は電気通信主任技術者試験の学習感覚を掴むためです。電気通信主任技術者試験は合格率も低くかなり難しい試験となっています。そこで初心者がいきなり難しい問題から解いても挫折してしまうため、法規から勉強するのがオススメとなります。
とはいえ、法規も初心者が学習をするのは少し難易度が高く感じてしまうかもしれません。そこで先ほど説明した通り過去問をざっと解いて、どのような問題が出てくるか頭に入れておきましょう。最初は全くわからなくても2周目あたりから、「なぜこの解答になるのか」という意味がわかってきます。こうしていくうちに、電気通信主任技術者試験に対する知識がつき自信にもつながっていきます。
法規の次は設備及び設備管理の学習
法規の内容がある程度理解できた頃に、設備及び設備管理の学習を始めます。設備及び設備管理は大問1〜5で構成されており、出題内容も予め決められているのが特徴です。
大問1、2:「専門的能力」の無線、伝送、交換、データ通信、通信電力の分野からの出題大問3、4:品質管理、設備管理、信頼性、工事関連分野から出題大問5:情報セキュリティ関連分野から出題 |
設備及び設備管理の分野は学習量が多く、法規よりも学習難易度が高まります。初心者の頃は学習を重ねてもなかなか問題を理解できずに苦労してしまう人が多いです。そこで、おすすめの学習方法としては、
大問1、2に関する過去問を解く→大問3、4に関する過去問を解く→大問5に関する過去問を解く |
といった感じで過去問を解いていくと、情報が整理しやすくなり知識が定着化します。この分野の学習についても過去問を1周するだけでなく、2周〜3周と回していき、過去問の内容を理解していきましょう。
最後に電気通信システムの学習
電気通信システムは全部で20問出題されます。内容は計算問題が3〜5問、論理回路の問題が2〜3問、残りは用語を選択する問題となります。計算問題からは複雑な問題などは出題されていませんが、ケアレスミスなどで減点されないよう注意して解きましょう。
論理回路については、毎年さまざまなパターンで出題されていますので、暗記するだけでなく論理回路について基本からしっかり理解する必要があります。
その他オススメ参考書
電気通信主任技術者試験に使える参考書をピックアップしてみました。
電気通信主任技術者試験 これなら受かる 法規 改訂3版
電気通信主任技術者試験の参考書としては売れ筋の本。過去問をベースに作られており法規に関する学習に特化したものです。ただし、最近は新しく本が出版されていないため最新の問題が解けないのがネックとなります。他の法規の参考書と合わせて学習するのがオススメです。
電気通信主任技術者法規試験対策 改訂12版
法規を勉強するならこの本。過去問とこの本を合わせて学習すれば法規に関する学習は問題ないと言えます。旧版から数えて30年にわたって出版され続けているロングセラー。
電気通信主任技術者試験 これなら受かる 伝送交換設備及び設備管理 改訂2版
こちらも電気通信主任技術者試験の本としては売れ筋です。過去問をベースに設備管理科目に特化した内容となっています。解説もしっかりとされており初心者でもわかりやすいです。2018年に出版されていますが、それ以降改訂版が出ていないのがネックではあります。
電気通信教科書 電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理・法規編 第2版
設備管理と法規に関する問題をたっぷりと掲載している本。「赤本」とも呼ばれ、全体的にまとまっており初心者でも学習しやすいです。ただし2014年以降に新版が出ていないのが残念ではあります。
第2版 新情報通信概論
電気通信主任技術者試験の科目を総合的に勉強するならこの本と言われています。初心者が学習するには少し難しい本かもしれませんが、ある程度学習が進んできた頃にはオススメの本です。
ページ数も600ページ超えとボリュームたっぷりで辞書がわりにこの参考書を利用できます。NGN、LTEなどの最新技術が収録されており、ATM技術などの技術も掲載されています。
まとめ
今回は5chの情報をもとに、電気通信主任技術者試験の勉強方法について解説しました。簡単に当記事で紹介した学習方法をおさらいすると、まず参考書は「電気通信主任技術者試験 全問題回答集」を中心に勉強すること。そしてこの過去問集を解く時には①出題ポイントを整理し丸暗記する②何周か過去問を回して知識を定着させる、の2点が非常に重要です。ポイントをしっかりと押さえて学習すれば、無駄な勉強をする時間も減りますし、試験に合格するための近道となるはずです。この事から、最初は過去問をどんどん解いて勉強を始めるのが効果的な試験対策となります。
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