官公庁営業は民間営業と違い様々な規則やルールなどがある中で営業が難しくなっているのが事実ですが、官公庁営業は民間営業にはない、やりがいや業務の楽しさがあるのも事実です。
そこで、この記事では官公庁営業に転職するのが向いている人はどのような人なのか、また官公庁営業の業務内容の紹介や官公庁営業が難しいと言われる理由について詳しく紹介していきます。
それではみていきましょう。
官公庁営業とは?
官公庁営業とは、その名の通り国家機関や地方公共団体に対して営業を行って行く営業職のことです。
官公庁営業が必要になる業界は様々で、システム系の会社が官公庁に対して基幹システムを導入するための営業を行うこともありますし、工事業者が工事を受注するために官公庁営業を行うことがあります。
このように官公庁営業は様々な業界で必要とされているので、官公庁営業として転職したい場合でも様々な業界に転職できる可能性があると言えるでしょう。
一方で、会社によっては官公庁営業と民間営業が分かれていない会社もあります。
そのため、官公庁営業だけをしたいと思っている場合は、大きい会社の官公庁のみを取り扱っている部署での営業職に転職すると良いでしょう。
官公庁営業に転職するのが向いている人とは?
官公庁営業に転職するのが向いている人は、以下の3つです。
- 決められたことを行うのが好きな人
- 飛び込み営業に抵抗がない人
- 注意力がある人
決められたことを行うのが好きな人
官公庁営業に転職するのが向いている人の特徴に、決められたことを行うことが好きな人が挙げられます。
官公庁営業は、基本的に官公庁に対して営業を行なっていくことを指します。
そして、官公庁の場合は民間企業とは違い、税金を使って国家予算で受注者を決めているという背景があるため、ルールや規則が細かく設定されています。
そのため、官公庁が何か案件を発注する際には競争入札という形で、先に仕様書が参加を希望する会社に対して配布された上で、それらを数値で評価していくのが官公庁の発注のやり方です。
そのような背景から仕様書を深く読み込んだ上で、それらの仕様書をすべて満たすことができる提案書の作成、そしてそれだけではなくプラスアルファを付け加えられるような工夫があるといいでしょう。
飛び込み営業に抵抗がない人
官公庁営業に転職するのが向いている人の特徴に飛び込み営業に抵抗がない人が挙げられます。
官公庁の場合は、官公庁の方から会社に対して問い合わせをして営業を行っていくという形ではなく、基本的には会社の営業担当者が官公庁に飛び込みで営業をかけていきます。
そのような背景から飛び込み営業に抵抗がない人の方が官公庁営業に向いていると言えるでしょう。
一方で、官公庁の場合は民間企業とは違い、アポ無しで飛び込み営業を行い、しつこく交渉をしてしまうとそれだけで印象が悪くなってしまったり、最悪の場合指名業者として入札に参加できない可能性も出てきてしまいます。
このような背景から官公庁へ飛び込み営業を行う際には、多くの場合は名刺や手紙などを書いて簡単に済ませるという形が多いです。
注意力がある人
官公庁営業に転職するのが向いている人の特徴に、注意力がある人が挙げられます。
官公庁では、基本的に発注の際には競争入札という形で複数の業者を競わせたのちに、一番評価の高い会社に対して発注するというやり方を取っています。
一方で、仕様書には書いていない裏の要件なども存在していることも多いです。
また、競争形式で入札は行われるものの、官公庁の担当者が発注先を決めるのも事実なので、官公庁のなかで誰が影響力を持っているのかを見極めることも必要になります。
そのため注意力があり誰がその発注の責任者であるのか、またその発注の裏側にはどのような要望があるのかなどを担当者と話していくうちに明確にできる人の方が、案件を獲得しやすいと言えるでしょう。
官公庁営業が難しいと言われる理由は?
官公庁営業が難しいと言われる理由は以下の3つです。
- 競争入札なので営業の効果が薄い
- 気難しい担当者が多い
- 人脈が重要になる
競争入札なので営業の効果が薄い
官公庁営業が難しいと言われる理由の一つに競争入札なので営業の効果が薄いことがあげられます。
官公庁の場合は、競争入札で発注先業者を決めるので、いくら営業担当者が優れていても他の会社の方がより良いプレゼンをしてきた場合は、そちらの会社に決まってしまいます。
そして、競争入札の場合はプレゼンの良し悪しという主観的な要素ではなく、金額の面で決められることも多いです。
つまり、金額が安い業者が最終的に案件を受注できるということです。
このようになっている背景には、やはり税金で発注先の業者を決めているので主観的な部分で決めてしまうと、最終的に国民に対して説明ができない可能性があるということも挙げられるでしょう。
このような背景があるので、官公庁営業の場合は民間営業とは違い、営業におけるスキルやコミュニケーションスキルなどが直接受注に繋がらないこともあります。
気難しい担当者が多い
官公庁営業が難しいと言われる理由の一つに気難しい担当者が多いことも挙げられるでしょう。
もちろん組織によってはそのような人間がいないこともありますが、官公庁で勤務している人のほとんどが公務員としてそこの市区町村や国家機関でキャリアを積み上げてきた人です。
そのような背景から外部との関わりが薄く、さらに組織での常識が一般的な常識として認識されていることも多いです。
このような背景から民間企業が官公庁に対して営業を行っていくと他のクライアント担当者とは気質が違うので、気難しいと感じてしまうことが多いです。
また、官公庁の場合は融通が利かないことも多いので、その点も難しいと思ってしまう要因の一つでしょう。
人脈が重要になる
官公庁営業が難しいと言われる理由の一つに人脈が重要になることが挙げられます。
官公庁営業の場合は、基本的には競争入札になるので担当者と懇意にしているからと言って案件を受注できることは少ないです。
一方で、人脈があることで競争入札を有利に進めることは可能です。
例えば、人脈をもとにその案件の最終的な課題は何なのか、またその案件の先にある関連した業務などを知ることが出来ればそこに合わせたプレゼンを行って行くことも可能です。
また、他の市区町村などで同様のシステムを導入したことがある場合、それらの業務の評判が巡り巡ることで指名業者として他の市区町村や国家機関から指名を受けられることもあります。
そのため、人脈が重要になり、さらにそれらの関係者と常に良いコミュニケーションをとっていくことも重要になると言えるでしょう。
官公庁営業に転職するには?
官公庁営業に転職するためには官公庁向けのシステムや官公庁向けの業務を行っている民間企業に就職する必要があります。
これらの企業に転職する際には、転職サイトを利用しても転職エージェントを利用しても採用される可能性は十分にありますが、転職エージェントを利用した方が転職が成功する可能性が高いと言えるでしょう。
官公庁営業の場合、そもそも官公庁向けの業務を行っている会社がそこまで多くないという背景から求人数としてもそこまで多くはありません。
そのような中で自分に合った適切な求人を提案してもらうためには、転職エージェントを活用し、さらに転職エージェントと面接練習をして希望する会社に採用されるための努力をすることが重要です。
官公庁営業を行うのは大企業のみ?
官公庁営業と聞くと、どうしてもすでに関係のある大企業のみが営業しているというイメージがあると思いますが、実際にはそのようなことはありません。
官公庁営業でも、もちろん大規模な基幹システムなどを開発する場合は、小さい会社ではそもそもリソースや技術力の面でそのようなシステム開発ができないので大企業しか入札しないということもあり得ます。
一方で、地方公共団体の道路工事や森林保全などの業務の場合は、その地域の中小企業が担っていることも多いです。
そのため、官公庁営業は大企業でも中小企業でも行う可能性があります。
ただし業務の大きさによっては大企業しか受注できないもの、逆に地域に根ざした業務や一つあたりの単価が少ない業務の場合は大企業がそこに対して入札をしないことも多いので中小企業が案件獲得できることも多いです。
官公庁営業の特徴とは?
官公庁営業の特徴は、以下の3つです。
- 金額で受注先が決まりがち
- 飛び込み営業がメインになる
- 癒着がない
金額で受注先が決まりがち
官公庁営業の特徴の一つに金額で受注先が決まりがちなことが挙げられるでしょう。
官公庁では受注する業者を決める際に金額で決めることがほとんどです。
そのため、いくら担当者と懇意にしておりプレゼンの内容としても優れていたとしても、他社と比較して金額が高い場合は受注先になる可能性は低いです。
官公庁営業の場合はもちろん営業職としてのスキルも重要になりますが、それだけではなく他社がどのくらいの値段で提案してくるのか推察できる能力も重要になってくると言えるでしょう。
飛び込み営業がメインになる
官公庁営業の特徴の一つに飛び込み営業がメインになることが挙げられます。
官公庁営業に向いている人の項目でもお伝えしましたが、官公庁では飛び込み営業がメインになり官公庁の飛び込み営業は民間企業への飛び込み営業とは違う部分があります。
そのような背景から飛び込み営業の方法が官公庁ならではと言われることも多いです。
癒着がない
官公庁営業の特徴の一つに癒着がないことが挙げられます。
官公庁の担当者は公務員であり、特定の民間企業だけを優遇した場合は公務員法に違反して逮捕される可能性があります。
このような背景から癒着をすることはなく、または懇意にしていたとしてもそれが案件の受注に直接繋がることはありません。
そして、これらの癒着をなくす目的でも官公庁の案件の場合は競争入札が設けられており、全ての人が公平に判断ができる中で受注先が決められるということになっているとも言えるでしょう。
まとめ
官公庁の営業職に転職するのは、転職エージェントを活用することでうまく行きやすいと言えるでしょう。