営業職への転職活動を行う際によく見る職種として「人材営業」があります。
人材営業と言ってもその種類はいくつかあり、種類によって業務内容が大きく異なります。
また、通常の営業職の様な自社の商品やサービスを販売するケースとは違い、人材営業では「人材」が顧客へ提供する商品となります。
今回は人材系の営業職に転職を考えている方に向けて、人材系営業職の種類をはじめ、転職するメリットや求められるスキルについて解説していきます。
人材業界とは
冒頭でも記述したように、人材業界では「人材」が商品として扱われます。
無形商材や有形商材を扱っているような企業では商品を作成する為の「制作部」や「製造部」がありますが、人材業界の企業においては存在しません。
それでは、まず初めに人材業界に転職する際の営業職の種類についていくつかご紹介していきます。
人材系営業職の種類
人材紹介営業
人材業界の営業職で最もイメージしやすいのが「人材紹介の営業」でしょう。
人材紹介では、人手を欲していて主に求人媒体で募集をかけている企業に対して人材の紹介を行う業務です。
人材紹介では仕事を探している”求職者”と求人の募集をしている”企業”のどちらものニーズをマッチさせることが重要であり、求職者が働きたいと思っている条件の企業を紹介し、企業が欲している条件に合う人材を紹介します。
新卒紹介サービスや転職エージェントなどが人材紹介営業に当てはまり、多くの転職サイトに求人募集がされています。
人材派遣営業
人材派遣とは、人材を欲している企業に対して人材派遣会社に登録している人材を派遣して働いてもらうことです。
人材派遣の営業ではクライアントである企業や派遣スタッフとの長期的な繋がりを形成することが重要であり、人材を欲している企業の新規開拓や派遣スタッフが働きやすいようにサポートやフォローをするのも人材派遣営業の業務となります。
求人広告営業
人材に関わる営業の中には広告関係の営業もあります。
求人広告の営業では、広告を掲載する企業から先払い報酬を受け取ったり、企業が欲している人材の獲得に貢献する業務です。
企業が人材を欲して募集をかける時には求人広告に掲載することがほとんどであり、転職を考えている求職者も求人広告で企業を探すことがほとんどです。
また、求人広告によって掲載している業界や職種などの傾向が異なります。
そのため、自社が扱っている求人広告の強みとマッチする企業を探してアプローチをかけることで、企業と求職者のマッチングを行うことができるのです。
人材研修営業
人材関係の営業では、転職を考えている求職者と求人を欲している企業のマッチングをするだけではなく「企業の既存社員に対する研修業務」もあるのです。
従業員の業務能力や精神面の向上など、顧客となる企業が抱えている問題点や課題を解決する為に社員に対して研修を行います。また、営業職では顧客となる企業が抱えている問題や課題をヒアリングし、解決する為にはどのような研修を実施するべきか、その必要性を伝えて開拓をしていきます。
人材採用支援システム営業
従来の人材業界の業務としては「人」を対象とするサービスがほとんどでしたが、IT技術の発展によりさまざまなITツールやITサービスが開発され、人材業界にも多くのIT技術が取り入れられています。
そのため、2022年となった現在では人材を採用する際の支援システムが多く開発されており、企業に対してシステムの販売促進を行う営業職も多く転職サイトに掲載されています。
人材業界営業職の特徴とは
次に、人材業界の営業職における特徴についてですが、人材業界の営業職にはいくつかの共通する特徴があるのです。
それでは、人材業界の営業職に共通する特徴について解説していきます。
ノルマがある
人材営業職の代表的な特徴として、成績の「ノルマ」があることです。
営業職では個人やチームごとに達成すべき予算としてノルマが課せられます。
営業マンはこのノルマの達成率によってインセンティブや固定給などに影響が出るため、ノルマの達成率が高ければ高いほど高い給与を獲得することができるのです。
営業職に転職を考える理由の一つとして、現在の年収に不満があり、より高い年収を求めて営業職に転職をするというケースが多くあります。しかし、いかに営業職に転職をしようと、このノルマの達成率が低くなってしまっては高い年収をえることはできないばかりか、職場での雰囲気がピりついてしまうという可能性もあるので要注意です。
未経験でも転職できる
営業職と言えば「口が上手くないとできなそう」「難しそう」などというイメージを持っている方が多く、未経験で転職をするにはハードルが高く感じてしまう方も少なくないでしょう。
もちろん、求人募集をしている企業によっては転職の際に”経験者のみ”と条件が付いているケースもありますが、人材業界の営業職においては転職の際に未経験でも応募が可能なケースが多いです。
そのため、「今まで経験が無いけど営業職として働いてみたい」「もっと年収を高くしたいから営業職をやりたい」という方には人材業界の営業職に転職がおすすめと言えるのです。
経験よりも人物採用の企業が多い
営業職において即戦力を求めていたり経験者のみを対象として転職者を募集している企業においては、これまでの経験を何よりも重視して採用します。
しかし、人材業界の営業職では人物採用、つまり人柄の良さを重視して採用する企業が多い傾向にあります。
そのため、転職前に営業としてのスキルに自信が無い人でも採用される確率は高いのです。
人材系の営業職に転職するメリットとは
営業職の中でも人材系の営業職に転職する際のメリットはいくつかあり、商品やサービスを販売する営業職とは違ったメリットを得ることができるのです。
それでは、そのメリットについていくつかご紹介していきます。
人の人生に関わることができる
人材系の営業職に転職する大きなメリットの中に、「人の人生に関わる」という点が挙げられます。
特に人材紹介や人材派遣の営業職では、求職者に対してどのような企業を紹介するかによってその人の人生が変わり、人手を欲している企業に対してどのような求職者を紹介するかによってその企業の売り上げに大きく貢献することができます。
そのため、人材系の営業職では求職者や企業のニーズを的確に把握し、双方に最適なマッチングをすることが重要となるのです。
自身の転職にも役立つ
人材の営業職として転職をすることで”企業はどのような人材を欲しているのか”、”業界ごとの状況はどうなっているのか”、”募集の条件が良い職種はどのようなものがあるのか”など、企業側のニーズや状況を把握することができます。
そのため、自身が再度の転職をしたいという時には、業務で得たノウハウを生かしてより効果的な転職をすることができるのです。
人との関わりに慣れる
営業職の中でも特に人材系の営業職に転職した際には人と接する機会が非常に多いです。
営業職に転職を考えている方の中で「人見知りだから人と接するのはあまり得意じゃない」という方も少なくないでしょう。
転職を含め、社会で仕事をしていく上では人との関わりは非常に大切なことであり、特に営業職においては人との接し方1つで成約に繋がるというケースもあるのです。
しかし、実は営業職として働いている方の中にも人見知りな方は多くいらっしゃいます。
そのような方も営業職を通して人見知りを解消していったというケースが多く、初めは人見知りでも業務に慣れていくにつれて転職後に改善することができるのです。
人材系の営業職に向いている人とは
営業職にのみならず、仕事によって「向いている人」と「向いていない人」がいます。
今回は人材系の営業職に転職を考えられている方の参考になるように、人材系の営業職に向いている人の代表的な例をいくつかご紹介していきます。
ヒアリング力が高い人
営業職に転職をする際に必要なスキルでイメージされやすいのは「話す力」であり、”口が上手い人”や”話好きな人”が向いていると思われがちです。
もちろん、こちらが伝えたいことを的確に伝えられたり、話が上手いに越したことはありません。
しかし、営業職の本質は”相手のニーズや課題を解決する事”であり、本当に重要なのは「話す力」よりも、むしろ「聞く力」なのです。
そのため、相手の言いたいことやニーズなどを的確に聞き出し、親身になって相手の相談に乗れる人が向いていると言えるでしょう。
自分の利益だけを考えない
営業職は顧客との成約によって自社に利益を持ってくるのが仕事ではありますが、その前提として顧客の問題や課題の解決やニーズに応えて満足度を上げなければいけません。
自社の利益だけを考えている営業マンは一時的に大きな利益を持ってくることはできますが、いずれ必ずと言っていいほど顧客からの信頼性を失ったり関係が崩れてしまい、長期的に利益を持ってくるのは困難となってしまいます。
そのため、どの企業のトップセールスマンは自社の利益のことはもちろん、「顧客への利益」のことも最重要に考え、顧客と自社のどちらにもメリットを与えることでWin-Winな関係を構築しているのです。
まとめ
今回は人材業界の営業職の種類をはじめ、転職をする際のメリットや人材営業への転職が向いている人について解説してきました。
ここまでで解説したように、人材業界の営業職への転職は”商品”や”サービス”を販売する他の営業職への転職とは少し違い「人材」を商品として扱っているため、その特徴も少し異なります。
そのため、営業職へ転職を考えている際には人材業界とその他の業界の営業所の特徴をしっかりと把握し、自身に向いている業界に転職をするといいでしょう。