社会貢献もできる介護職の営業の仕事って?介護営業の求人に応募する前にチェック!

少子高齢化が進む日本では、介護業界は今後一層需要が増えると見込まれているため、他業種から介護業界への参入が増加傾向にあります。

そのため介護職は人材を求めており、介護に関するサービスや商品を売る営業職は売り手市場になっています。

2065年には2.6人に1人が65歳以上の超高齢化社会に

内閣府の2019年の調査によると、日本の人口1億2,617万人に対して65歳以上の人口は3,589万人で総人口の約28%を占めています。

今後、日本人の総人口は減少し、その反面65歳以上の人口は増加傾向にあると推測されています。

2036年には65歳の人口は総人口の33.3%を占めると予測されており3人に1人は高齢者となり、さらに2065年には38.4%となり国民の2.6人に1人が65歳以上となると推測されていて、日本は超高齢化社会を迎えることになります。

介護業に参入する企業の増加で営業職が売り手市場に

超高齢化社会を見込んで、介護業に参入する民間企業が近年特に増加傾向にあります。

企業の増加にともなって、営業をうまくおこなっているところと、そうでないところでは大きな差が出てくるようになり介護業も営業に力を入れるようになりました。

これまでは介護福祉士など介護に携わる人が営業をおこなっていましたが、営業を専門とした営業職の雇用がまさに盛んです。

介護業の営業の求人もどんどん増えていて、採用されやすい売り手市場になっています。

特に営業経験のある転職者は介護業ではのどから手が出るほど欲しい人材です。

介護業の営業の仕事について

介護業の営業は、介護施設の営業介護用品の営業の2つに分けられます。

介護施設の営業は、施設の入居者を獲得することが目的です。

介護用品の営業は、介護施設や個人に介護用品を販売することが目的です。

介護業の営業に関わりたいと思ったら、自分がサービスを売る方が好きなのか、物を売る方が好きなのかでどちらの求人に応募するのかを判断材料にしてください。

介護施設への営業

介護施設には、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの公的施設と、有料老人ホームやグループホームなどの民間施設とがあります。

公的施設は積極的な営業をおこないませんが、民間施設には営業活動が欠かせません。

民間の介護施設は、要介護の高齢者も快適に過ごせるようスタッフの多さや食事、設備など各々の施設で独自のサービスの売りを持っています。

介護施設の営業は、実際の利用者ではなく、地域のケアマネージャーと地域医療相連携室に自社の施設のよさや空室情報などを伝えて選んでもらうように働きかけます。

介護施設の営業先について

介護施設の営業は、個人宅への飛び込みやテレアポではなかなか成約を得ることが難しい業種です。

そのため個人宅への飛び込み営業やテレアポはほとんどおこなわれません。

介護施設の営業は地域のケアマネージャー、病院の地域医療連携室へおこなうことが多いです。

ケアマネージャーや地域医療連携室は介護が必要な人に対して介護施設を紹介するため、その紹介先として選ばれるように、まず地域の担当者に顔と施設を覚えてもらうことから始まります。

新規獲得よりもルート営業が主な営業スタイルです。

地域住民への認知のために見学会などのイベントをおこなうことも

介護施設は、近隣住民にその存在を知ってもらうことも大切です。

そのため営業が見学会をおこなったり、イベントをおこなったりすることもあります。

高齢者向けの体操教室や、地域の子供たちとの交流会など地域住民との交流も営業の1つです。

介護用品の営業

介護職の営業には、介護施設の営業の他に介護用品や福祉用具の営業もあります。

介護用品は車椅子や介護用ベッドなどの他に手すりやスロープなど自宅のリフォームがともなうものまでさまざまです。

また販売だけでなく、レンタルをおこなっているところもあります。

施設ではなく、なるべく自宅で過ごしたいという高齢者をサポートする仕事です。

介護用品の営業も、介護施設と同様ケアマネージャーにまず営業をおこない、ケアマネージャーから利用者を紹介してもらう営業スタイルになります。

介護用品の営業の求人に応募するなら福祉用具相談員の資格を取得しよう

介護用品の営業の求人をチェックすると「福祉用具相談員」の資格が求められていることが多いです。

福祉用具相談員の資格は講習を受講して取得できるので難易度は高くありません。

介護用品の営業の求人に応募する前にぜひ取得を目指しましょう。

福祉用具専門相談員の資格について

福祉用具専門相談員は、利用者の心身の状態や使用環境からその人にあった介護用品や福祉用具を選んだりアドバイスをしたりする専門家です。

資格がなくても営業をおこなうことができますが、会社によっては入社後に資格取得が必須だったり、資格があると資格手当が出るところもあったりするので取得しておいて損はありません。

資格の取得には、6~8日間かけて合計50時間の講習を受けた後、習熟度チェックのための修了評価試験を受けて合格すると取得できます。

試験自体は、講習をしっかり受けていれば合格できるレベルで作成されているので難易度も高くなく、ほとんどの人が合格します。

介護業の営業はケアマネージャーとの関係性を築くことが重要

介護施設や介護用品を利用するには、まず利用予定の人が介護認定を受けなければなりません。

介護認定を受けると、市区町村から担当のケアマネージャーが自宅を訪問して、状態を確認するため聞き取り調査をおこないます。

どのような介護を受けるかはケアマネージャーと相談して決定し、施設や介護用品の紹介はケアマネージャーから利用者におこなわれる、という流れがあります。

よって介護業の営業は、基本的に利用者本人ではなくケアマネージャーに対しておこなわれます。

自社の施設や介護用品を利用者に紹介してもらうためには、ケアマネージャーとの良好な関係を築くことが重要な仕事です。

大病院のある地域なら、地域医療連携室への営業も

地域医療連携室は、病院に患者さんが集中して待ち時間が長くなることを避けるため、また患者さん1人1人に時間をしっかりかけて治療をおこなえるようにするために地域の医療機関と連携を取るところで、混雑しがちな大病院に設置されています。

患者さんの状況によっては、地域医療連携室が他の医療機関や介護施設、介護用品の紹介をおこなうこともあるので、地域医療連携室に営業をおこなうことも欠かせません。

介護業の営業に向いている人

お年寄りの悩みに寄り添う気持ちがある

介護業は、体に不自由を感じている高齢者が過ごしやすい日々を送るためのサポートをする仕事です。

そのため介護業の営業職はいろいろ不安に感じている高齢者の悩みに寄り添えることが大切です。

そのような気持ちがなければ、ケアマネージャーの人達から信頼を得ることはできません。

介護の経験がある人

介護職や実際に家族の経験がある人も営業職に向いています。

現場のことがわかるし、自分の経験から商品のよさやマイナス点を伝えられるため説得力があります。

営業はつい「売る目線」で商品について説明してしまいがちですが、消費者目線で物事を考えることを忘れてはいけません。

実際に介護の経験があると消費者目線で考えることができるし、細かいところにも気づくことができるのでケアマネージャーや利用者からの信頼度も高くなります。

接客業やサービス業の経験がある

介護職の営業は、新規契約をがんがん取るスタイルではなく、地域のケアマネージャーといい関係性を築くことが重要です。

営業手腕も必要ですが、人当りのよさや約束の時間を厳守する、また新商品やサービスの説明や入居者情報などこまめに連絡をするなど、人間性も重視されます。

そのため接客業やサービス業の経験があり、人と接することが得意な人は介護職の営業にも向いているでしょう。

営業経験がある人

介護業に新規参入した企業も多いため、介護業の営業はまだ手探りの企業も多いです。

そのため営業のノウハウを確立するために営業経験がある人は積極的に採用されています。

特に介護業の営業は関係性が重視される業界なので、売って終わりではなくルート営業やサブスクリプションなどで顧客との関係性を長く築くタイプの営業経験があると有利になります。

介護職の営業に転職するメリット

他の営業職と比べて残業が少ない

介護職の営業は、基本的に残業が少ない業種です。

それは、営業相手であるケアマネージャーや地域医療連携室と遅い時間に打ち合わせや訪問をおこなうことがほとんどないためです。

営業というと残業が多いイメージがありますが介護職の営業は残業が少ないのでプライベートの時間も大切にできます。

これからまだまだ成長が期待できる業界

冒頭でも説明しましたが、これから迎える超高齢化社会にともない、今後も需要が増えて介護業はまだまだ成長の伸びしろがある業界です。

成長企業に転職すると、新しいことにチャレンジできるだけでなく、自分がその会社の成長の担い手になることもでき、業績を残せばそれは年収にも反映されるので、大きなやりがいを感じられます。

仕事を通して社会貢献ができる

介護業は、介護される人だけでなく介護をする人どちらの負担も軽減して暮らしやすくすることができます。

少子高齢化が進むと、介護される側だけでなく介護する側も高齢となり介護が難しくなる、また介護福祉士など介護に携わる人も出て介護難民が出るなど社会問題を抱えています。

介護業に携わることでその問題を少しでも解決に導くことができ、仕事を通して社会貢献ができます。

最後に 介護業の営業をやってみたいと思ったらぜひチャレンジを!

人の役に立ちたい、社会貢献をしたいと思っていても働きながらだとなかなかその機会も時間もなく実行に移せない人の方が多いのではないでしょうか。

介護職の営業は、仕事を通して社会貢献ができるため大きなやりがいを感じることができるでしょう。

介護職の営業は需要が高く採用されやすい業種なので、求人数も多く出ています。

自分の希望条件にあう求人を見つけたら、ぜひ積極的に応募してみましょう。