昨今の健康志向に伴い、人間ドックなどの需要は今後も拡大していくでしょう。
さらに、企業が中心になって社員に対して人間ドックなどの健康診断を積極的に受診させる動きも出てきています。
その他にも、企業は社員の健康管理をする義務があるので、健康診断などを実施しなくてはいけません。
その際に重要になるのが、健康診断のための営業です。
そこで、この記事では健診営業の求人について詳しく紹介していきます。
それではみていきましょう。
健診営業とは?
健診営業とは、健康診断サービスを提供するための営業のことです。
主にクリニックなどで募集されることが多く、企業に対して営業していくことが多くなります。
健診営業を行う場合、大企業が営業先の場合は企業そのものではなく、企業の健康保険組合などに対して営業を行うことが多いです。
企業が健康診断を実施する方式は主に二つあります。
一つ目が、移動式の健康診断サービスを提供する会社を自社内に呼んで、自社内で社員に健康診断を受けさせる方式です。
もう一つが会社が金銭的な負担をして社員に個人的に健康診断をおこなってもらう方式です。
大企業の場合は、自社内部の一室を使って移動式健康診断サービスで健康診断を行うことが多いでしょう。
ただし、最近はコロナの影響で社員を会社や会議室などに集めるのが難しいのが現状です。
そのため、会社に集める方式から金銭的な負担をして、各個人に健康診断を行なってもらう方式がメインになってきているとも言えるでしょう。
そして、各個人が自主的に健康診断を行う場合は、自宅の近くで健康診断を受けて、その費用を会社が負担することになるので、健康診断サービスの営業をすること自体が難しいです。
健診営業の求人募集場所とは?
健診営業の求人は、クリニックや病院、医療法人が中心です。
そのため健診営業したいと思っている場合は、病院や医療法人などを中心に見ていくといいでしょう。
ただし、個人経営の小さなクリニックの場合は、健康診断をサービスとして提供していても、営業してまで健康診断を受注することはないというところも多いです。
また、企業に対して健康診断を提供できるだけのキャパシティーがないこともあります。
そのため、健診営業だけをしたいと思っている場合は、医療法人もしくは大規模な病院などを中心に求人を探していくといいでしょう。
健診営業の求人は定期的に出ており、転職サービスや転職サイトなどを通じて情報を獲得する事ができます。
また、最近ではクリニックの形式ではなく、移動健康診断サービスのみを提供する会社も多いです。
このような会社が求人を出している場合、健診営業がメインになることも多いです。
そして、営業先は会社だけではなく学校などが入ってくることもあるでしょう。
健診営業がきついと言われる理由
健診営業がきついと言われる理由は、以下の3つです。
- すでに契約している病院がある
- 新規開拓がメインになる
- インセンティブがないことが多い
すでに契約している病院がある
健診営業がきついと言われる理由の一つに、すでに契約している病院があることがあります。
健診営業とは、年に1回の健康診断を行うための営業を行うことです。
ただし、多くの企業や学校の場合、すでに契約している病院や健康診断サービスがあるのも事実です。
そして、それらの病院や健康診断サービスなどとの契約を切って、他社に乗り換えるということはそこまで多くありません。
そのため、すでに契約している病院がある場合は、そこから変えてもらい自社の健康診断サービスを採用してもらうというのが非常に難しいのも事実でしょう。
実際に、企業や学校が健康診断の受託先を変える原因は、社員から不評や社会的な信用が大きいです。
つまり、これらの問題がないとそもそも企業や学校は、健康診断の受託先を変える機会は少ないでしょう。
このように、健診営業は営業できる先が限られてしまっているという背景から、きついと言われることも多いです。
また、健診営業の場合、既に契約している病院があるだけではなく、健康診断自体も年に1回だけ実施するものになります。
その点からも、健康診断以外のサービスも付随して獲得しないと厳しいという背景もあるでしょう。
例えば、職場において労働者の健康管理等を効果的に行うためには、医学に関する専門的な知識が不可欠です。
また、常時50人以上の労働者を使用する事業場において、事業者は産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければならないこととなっています。
しかし、小さい会社の場合は従業員が50人以上でも産業医を自社で直接雇うことができないということも多いです。
そのほかにも、産業医自体を見つけられないということもあるでしょう。
そこで、健診営業のみではなく、企業に対して業務委託ができる産業医を紹介したりするなどの、オプションとしての医療サービスを提供できないと厳しいと言われるのも事実です。
新規開拓がメインになる
健診営業は、新規開拓営業がメインになってきます。
その点から、健診営業がきついと言われることも多いでしょう。
健康診断自体は、企業が社員を雇う際には必ず実施しなくてはいけないものになっています。
そして、これらは法律で決められているので健康診断のニーズ自体は今後も拡大していくことが予想されるでしょう。
また、会社が新設されるにあたって健康診断のニーズが拡大していくのも事実です。
一方で、すでに契約している病院がある場合、そこから変えてもらうのは難しいのも事実でしょう。
そのような背景から、健診営業では新規開拓での営業がメインになってきます。
そして、一つの会社に対して複数の会社が健康診断サービスを提供したいと思っていることも多いです。
特に、地方の場合、会社の新設数が少ないので健康診断を営業をしたいと思っている場合、新規開拓ができる会社が少なくなってしまうのも事実です。
そのような背景からも、健康診断サービスを提供する健診営業が厳しいと言われることも多いでしょう。
一方で、新規開拓が得意な人であったり、経営者との人脈が豊富にある場合は健診営業であっても成績を出すことは可能です。
インセンティブがないことが多い
健診営業の求人で厳しいと言われる背景の一つにインセンティブがないことが多いということも挙げられるでしょう。
新規開拓営業の場合、インセンティブが報酬のメインになってくることが多いです。
一方で、健診営業の場合所属する会社が営業会社ではなく、医療法人がメインになってきます。
そのような背景から、営業社員に対してインセンティブがつきにくくなっているのも事実です。
また、ルート営業があるのもその背景の一つにあるでしょう。
健診営業では、新規開拓営業で新たな開拓先を見つけていくことも重要ですが、病院や自社のキャパシティに応じて健康診断サービスを実施していく必要があります。
そのため、すでに契約している会社や学校の健康診断だけでキャパシティを超えてしまう場合、新規開拓営業を行わないということもあるでしょう。
このような場合、新規開拓営業は行わないので、ルート営業が健診営業のメインになってしまう可能性もあります。
このように、所属する病院や医療法人のその年のキャパシティーや経営方針によって健診営業の営業方式も大きく変わってしまうことがあるのは、健診営業が厳しいと言われる背景の一つです。
健診の市場背景とは?
労働安全衛生法では、事業者は労働者に対して健康診断を受けさせる義務があります。
そのため、従業員の健康診断は絶対に必要です。
また、健康診断を受けさせないと50万円以下の罰金を支払わなければなりません。
このような背景から健診の需要は一定のまま推移することが予想されます。
ただし、企業に課せられる健康診断の受診義務は、以下の一般健康診断のみです。
- 既往歴、業務歴等の調査
- 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
- 腹囲、体重、身長、視力、聴力の検査
- 胸部エックス線検査等
- 血圧の測定
- 貧血検査
- 肝機能検査
- 血中脂質検査
- 血糖検査
- 尿検査
- 心電図検査
また、企業では福利厚生の一つとしてより手厚い健康診断サービスを提供していることがあります。
労働安全衛生法では、特定の健康診断項目のみを社員に受けさせればいいことになっています。
しかし、会社によってはそれ以上の項目の健康診断を受けさせることで、社員に対して福利厚生という形で提供していることがあります。
このような場合、健診営業マンは企業に対して一般健康診断の項目だけではなく追加のオプションサービスなどを提案することができると、一人当たりの受注単価を上げることが可能です。
そして、結果的に自分の会社や病院に対しての利益を高めることができます。
今後、このようなオプションを追加して社員に対して、より大きなメリットを与えていくという健康を意識した経営というのは拡大していくでしょう。
このような背景からも、健康診断の市場は今後一般健康診断の項目だけではなく、追加でさらに詳しい項目で検査をするという方向に拡大していくことが予想されます。
まとめ
健診営業は、企業や学校に対して健康診断の営業を行うことを指します。
健診営業として、求人が募集されている場合、基本的には新規開拓営業になるでしょう。
しかし、病院の経営状況やキャパシティーに応じて営業の方式が変わってしまうことがあるのも事実です。
そのため、健診営業の求人に応募したいと思っている場合は、健診営業の仕事内容や業務内容について理解するようにしましょう。
今後、健診営業の求人に応募したい人はぜひこの記事を参考にしてください。