車好きの人なら自動車業界で働きたいという憧れを抱いたことがある人がほとんどではないでしょうか。
自動車業界は、おおまかにわけると自動車メーカー、自動車部品メーカー、ディーラーの3つの事業で成り立っています。
自動車業界の営業に転職するには、まず自分がどこの業態に行きたいのかを決めるところから始まります。
自動車メーカー営業の求人について
自動車メーカーの営業は、車の開発、製造をおこなっている会社です。
日本を代表する自動車メーカーといえば、ホンダやトヨタ、日産など日本国内だけではなく、海外からも人気で高い信頼を得ています。
自動車メーカーには小売店がなく、製造した車をカーディーラーに卸すか、また官公庁や企業などへ販売のみとなり、個人に販売することはありません。
そのため自動車メーカーの営業は、基本的に法人営業となります。
自動車メーカーの年収や待遇は?
自動車メーカーの求人を見ると、平均年収は、600万~900万円がボリュームゾーンです。
特に大手自動車メーカーだと平均年収が800万円を超えるところが多く、年収1,000万円以上も狙えるでしょう。
また福利厚生も手厚いところが多いです。
自動車メーカー営業の仕事内容は?
◆ディーラーへの営業支援
私たちが個人で車を買う場合、カーディーラーの販売店から購入しています。
自動車メーカーはカーディーラーに対して自社の車を販売しやすいように、それぞれの車の特徴や、他社との比較などを資料として提供して、カーディーラーの販売支援をおこないます。
また、カーディーラーの営業担当は、営業販売の目標設定や数字の管理、店舗ディスプレイ、キャンペーンやイベントの企画などもカーディーラーと協力しながらおこなっていきます。
◆企業や官公庁などの法人営業
大口顧客となる企業や官公庁などへの営業は、ディーラーではなく自動車メーカーの営業がおこないます。
社用車や公用車などビジネスで自動車を使用する企業に対して、販売方針の提案、販売やその後のアフターフォローなどきめ細かい対応が求められます。
◆海外営業
自動車メーカーは海外進出が盛んで、特に日本車は機能が高く壊れにくいと海外からの人気が高いです。
そのため海外営業を積極的におこなっており、採用も盛んです。
海外での新規開拓のための営業の他、すでに取引のある現地のサポートが主な仕事です。
海外の販売代理店との販売価格や販売台数の交渉からイベントの企画、市場調査など仕事内容は多岐に渡ります。
また、国や地域によって車に対するニーズが異なるため、現地にあった製品を提案することが大切です。
語学力だけでなく、各地域の文化を知ることも仕事をおこなう上で欠かせません。
得意な英語を活かしてグローバルに働きたい人にはおすすめです。
自動車メーカー営業は海外営業の求人が盛ん
自動車メーカーの営業の求人は、海外営業での募集が多いです。
現在自動車メーカーは新興国への市場拡大をはかっており、そのため海外営業ができる優秀な人材を求めています。
逆に法人営業やカーディーラーへの営業は求人が少なくなかなか見つけることができません。
長期目線で探し続けるか、転職エージェントに登録して募集があったら知らせてもらうように依頼するのがベストでしょう。
自動車メーカー営業の求人情報は公式サイトをチェック!
自動車メーカーでは、中途採用の求人は公式サイトで募集をかけているところが多いです。
特に大手自動車メーカーはその傾向が強いので、自動車メーカーの営業に転職を考えている人は、まめに転職したい自動車メーカーのサイトをチェックしましょう。
【大手自動車メーカーの中途採用サイト】
ホンダは、上記ページで現在採用を募集している職種を確認できます。
また、現在営業職の募集がない場合でも、ホンダのサイトではキャリア登録ができるので、ぜひ登録しましょう。
登録した経歴やスキルにふさわしい職種があるとホンダから連絡がくることもあります。
日産のキャリア採用は上記ページで確認できます。
日産の営業職はマーケティングの知識とTOEIC730点以上が求められていることが多いので注意してください。
トヨタのキャリア採用は上記ページから確認してください。
トヨタではキャリア採用の他に、現在トヨタに勤めている社員から紹介してもらうリファラル採用があります。
もしトヨタの社員の知り合いがいれば、このリファラル採用も検討してみることをおすすめします。
スバルでは中途採用の他にも業種や経歴にとらわれずに採用するオープン採用での募集もおこなっています。
未経験でも自動車メーカーの営業に転職できる?
自動車メーカーの営業の求人を見てみると、中途採用の場合、ほとんどが営業経験やマーケティングの経験など実務経験が求められています。
25歳前後であれば、第二新卒採用やポテンシャル採用を利用することもできますが、30代以降であれば営業未経験だけれど自動車が好き、というだけでは難しいでしょう。
自動車部品メーカー営業の求人について
車は1台につき約2万~3万のパーツから成り立っています。
エンジンやブレーキ、ランプなど多岐に渡り、基本的に自動車部品メーカーは各部品に特化して製造をおこなっています。
そのため自動車部品メーカーの会社は4,000社以上もあり、各部品の専門的な知識が必要になります。
自動車製造には、部品は欠かせない存在です。
自社の部品を使った車を街で見かけた時に、やりがいを実感できる営業マンが多いでしょう。
自動車部品メーカーの年収や待遇は?
自動車部品メーカーの平均年収は500万円前後です。
自動車部品メーカーは老舗の企業が多く、年功序列の評価制度が残っていることもあります。
そのため、長く続けていればそのまま年収もあがっていきます。
BtoBなので土日祝日は基本的に休みです。
自動車部品メーカーの営業の仕事内容は?
◆顧客の自動車メーカーへのルート営業
自動車メーカーの主な仕事は、今自社製品を納品している自動車メーカーへ出向くルート営業です。
納めている製品の使用感や要望を伺うなどのアフターフォローをおこないます。
また、新車が発売されるときには、自社の製品を売り込むことが大切です。
自動車メーカーへ定期的に足を運んで新車情報をいち早く入手することも営業の仕事です。
そのため、自動車メーカーの担当者とは懇意にして信頼関係を築くことが欠かせません。
◆納品先の新規開拓
トヨタや日産、ホンダなどの大手自動車メーカー以外にも、日本には数多くの自動車メーカーが存在しています。
そのため、新規開拓も営業の仕事です。
また、最近ではさらに市場拡大のため自動車部品メーカーも海外営業をおこなうところも増えています。
自動車部品メーカーの営業に転職するには?
自動車メーカーの営業は、企業対企業のBtoBの営業です。
そのため、メーカーや商社での法人営業経験が求められていることが多いです。
また、部品の営業には、その部品の特徴やどう動くかなど専門的な知識が必要です。
そのため自動車部品メーカーの営業の求人は、ターゲットを絞るために、非公開案件として転職エージェントに依頼していることが多く、公開されている求人は少なめです。
自動車部品メーカー営業の求人を探すには、転職エージェントに複数登録することをおすすめします。
カーディーラー営業の求人について
カーディーラーは、自動車メーカーと代理店契約を結び、自動車メーカーから車を仕入れて実際に販売をおこなう店舗です。
街中で自動車を販売している店舗はこのカーディーラーにあたります。
カーディーラーの年収や待遇は?
カーディーラーの平均年収は500万円前後です。
カーディーラーの営業は、基本給+歩合給で決まります。
そのため売上が多ければ収入が増える実力勝負の世界です。
また、カーディーラーは土日が1番売上を見込めるため、カレンダー通りに休むことはできません。
お客様中心のため、顧客の都合に合わせて残業が発生しがちです。
特にボーナス後や2月~4月の繁忙期は、毎日のように残業が続いたり、売上目標の数字に追われることもあります。
カーディーラーの営業の仕事内容について
◆店舗に来店したお客様への営業
私達個人が車を買う時には、自動車メーカーから買うことはなく、カーディーラーで購入をしています。
街中にある車の販売店は全てカーディーラーです。
よって、カーディーラーは、カーディーラーの店舗に来店したお客様に車の販売をおこなうことが主な仕事となります。
販売促進のためのイベントなどの企画・運営も営業の仕事です。
また、カーディーラーの営業は車を売って終わりではなく、その後の点検や整備などのアフターフォローもおこないます。
お客様とこまめに接することによって、2台目、3台目の購入にもつなげることができ、長い付き合いをすることもできるので、車好きだけでなく、人とのコミュニケーションや接客が好きな人に向いています。
◆外回り営業
カーディーラーの外回りは、既存の顧客に自動車の調子などを伺ったり、新車の紹介をおこなったりします。
また、法人は全て自動車メーカーが対応しているわけではなく、カーディーラーにも法人の顧客はついています。
そのため顧客の法人企業を回って、ヒアリングをしたり点検をおこなったりもします。
以前はカーディーラーの外回りも盛んで飛び込み営業もありましたが、現在、飛び込み営業はほとんどおこなっていないカーディーラーが一般的です。
自動車業界の営業で求人募集が1番多いのはカーディーラーの営業
カーディーラーの営業の求人は、ほとんどが未経験歓迎や学歴不問など門戸が開かれています。
また、求人募集の数も多く自動車業界の中では1番転職がしやすいです。
実際に異業種からカーディーラーに転職した人も多く活躍しており、未経験から自動車業界にチャレンジしたい人には、カーディーラー営業への転職を推奨します。
まとめ
自動車業界の営業は、自動車好きの人にとっては自分の趣味を活かせる仕事です。
同じ自動車業界の営業でも、自動車メーカー、自動車部品メーカー、カーディーラーによって仕事内容は大きく変わります。
どの業態が自分に向いているのかしっかり検討して求人に応募しましょう。