ライセンス営業とは、既に自社でキャラクターなどを持っている会社が他のブランドや他の製品と自社のキャラクターをコラボさせるために行う営業のことです。
その他にも自社で複数の芸能人などをマネジメントしている場合は、それら含めてライセンス営業ということがあります。
そこで、この記事ではライセンス営業の求人がおすすめな人はどのような人なのか、またライセンス営業の業務内容はどのようなものが想定されるのか、ライセンス営業の求人に応募する際の志望動機はどのようにすればいいのかについて詳しく紹介していきます。
それではみていきましょう。
ライセンス営業とは?
ライセンス営業とは、簡単に言うと自社が持っている権利を他社へ貸し出したり他社製品とコラボさせるために行う営業のことです。
自社でライセンスを持っている会社の場合、自社でコンテンツを展開していくことも可能ですが、他社と連携をして新しいコラボをして行くことによりリーチする層を広げることができます。
例えば、ポケモンの場合はすべての製品をポケモン社が製造しているのではなくポケモンのキャラクターとコラボして何か製品を販売しているということもあると思います。
このようにポケモンというキャラクターを使って何か他の製品を販売することができないかを提案していくのがライセンス営業です。
このようにライセンスを他社に貸し出しコラボしていくことのメリットはライセンス料を受け取れることです。
ライセンスを保有している会社はライセンスを貸し出すことでライセンスを使う企業から売上の数パーセントをライセンス料としてもらうことができます。
また、ライセンス料については売上の数パーセントという形で変動制をとっている会社だけではなく、定額制をとっている会社もあります。
そして、ライセンスを借り受ける会社にとってはすでに人気のあるキャラクターを使うことで、自社の製品をより多くの人に認知させることができ、かつ売り上げの増加も見込めることが可能です。
ライセンス営業を採用している業界とは?
ライセンス営業を採用している業界は、以下のような業界です。
- デザイン業界
- ゲーム業界
- 広告代理店
デザイン業界
ライセンス営業を採用している業界にデザイン業界があります。
デザイン業界の中でも、特にマスコットやキャラクターなどをデザインしているデザイン会社の場合は、ライセンス営業が活発に行われていると言えるでしょう。
ライセンス営業は自社でキャラクターやコンテンツなどを持っている会社での採用がメインになります。
そして、デザイン業界の中でもキャラクターなどに強いデザイン会社の場合、すでに人気のあるキャラクターを複数保有しているのでそれらのキャラクターを使って、例えば企業とコラボしてLINEスタンプを販売したり、ゲームの中のキャラクターとしして登場させたりなど様々なライセンス活用方法が考えられます。
ゲーム業界
ゲーム業界でもライセンス営業が活発に行われています。
ゲーム業界の場合は、特に一つのゲームを発表するごとにキャラクターを複数考案しなくてはいけません。
そしてそれらのゲームが世間でヒットすることで、ゲームの中に登場するキャラクターの認知度も高くなります。
このような認知度を利用して他社とコラボしてライセンス料を獲得するというビジネスがあります。
実際に、ゲーム業界ではIPビジネスと言われる分野が非常に活発です。
IPビジネスとはライセンスを他社に貸し出したり、他社に譲渡することでそれらのライセンスから利益を得ることです。
広告代理店
ライセンス営業は広告代理店でも行われています。
広告代理店の場合は自社のクリエイティブディレクターがキャラクターやコンテンツなどを制作した上で、それを取引先企業に提案していきます。
その他にも既にライセンスを持っているデザイン会社やゲーム会社、その他の事業会社がさらなるライセンス活用を目指して他の会社に営業してほしいと頼まれることがあります。
このように広告代理店の場合は自社で制作したライセンスのみではなく、取引先企業が制作したライセンスを営業代行のような形で他のお客様に提案していくことがあります。
特に、広告代理店は仲介ビジネスと言われ、お客様同士を仲介することで利益を上げることができます。
このような背景からライセンス営業も近年では活発になっており、電通や博報堂などではIPビジネスを専門に扱う部署も設置されています。
ライセンス営業が向いている人とは?
ライセンス営業が向いている人は、以下のような人です。
- コミュニケーション能力が高い人
- 自社のIPが好きな人
- 想像力が豊かな人
コミュニケーション能力が高い人
ライセンス営業が向いている人の特徴にコミュニケーション能力が高い人が挙げられます。
ライセンス営業の場合は、ただお客様に対して自社が持っているライセンスを提案していくだけが営業ではありません。
自社が持っているブランドやキャラクター、コンテンツのイメージを崩さないために取引先企業と細かいレギュレーションを結んだ上で、コラボを推進していく必要があります。
そのような背景から契約段階のみではなく契約後もクライアント企業と密接にコミュニケーションを取った上で、自社が持っているキャラクターやコンテンツのイメージを崩さないようにしつつ、コラボ先の企業の売上拡大も目指せるようなコミュニケーションをとっていくことが必要です。
自社のIPが好きな人
ライセンス営業が向いている人の特徴に、自社のIPが好きな人が挙げられるでしょう。
自社のIPが好きな人の場合は、自社のIPをどのように活用することができるのか、またそれらの活用によってどのような利益拡大を目指すことができるのかなどを常に考えることができます。
またIPについてよく知っていることで、どのような企業に対してライセンス営業をしていけばいいのかなどもわかりやすくなるでしょう。
想像力が豊かな人
ライセンス営業が向いている人の特徴に想像力が豊かな人もあげられます。
ライセンス営業では、ただライセンスをクライアント企業に提案していくだけではなく、どのようなクライアント企業に提案していけば自社のコンテンツを有効利用でき、提案先の企業の売上も拡大することができるかを考える必要があります。
そして、それらの過程の中で協業がない分野でのコラボも考える必要があるでしょう。
ライセンス営業は未経験でも採用される?
ライセンス営業は未経験でも採用されることがあります。
ライセンス営業の場合は過去にどのような経験をしてきたかではなく、どのくらい自社のブランドやコンテンツについて理解しているか、そしてそれらをもとに営業していくことができるかが重視されます。
そのような背景から、過去にライセンス営業の経験がなくても営業職としての経験やデザイナーとしての経験があれば採用される可能性は十分にあります。
特に、ライセンス営業の場合はルート営業に近い営業職なので過去にルート営業としての経験があれば採用される可能性は十分にあると言えるでしょう。
その他にも、ゲーム業界で勤務していた経験があれば、それらの経験を基に採用される可能性も高いです。
一方で、ライセンス営業を実施している会社は既に自社でキャラクターやコンテンツなどを多く生み出している会社でもあります。
そのような会社は必然的に大企業になることも多いので、未経験でも採用される可能性があるのは事実ですが、学歴などその他の部分で高いレベルを要求されるのも事実です。
実際に、ソニーではライセンス営業担当者を含め営業職を中途で募集していますが、大卒であることが最低条件になっており社会人経験も3年以上となっています。
ライセンス営業の求人の志望動機で記載すること
ライセンス営業の求人の志望動機で記載することは、以下の3つです。
- なぜその会社でないといけないのか
- 過去の経験のどの部分を活かすことができるのか
- 自分が入社することでの会社にとってのメリット
①なぜその会社でないといけないのか
ライセンス営業の求人の志望動機で記載することの一つに、なぜその会社ではないといけないのかが挙げられます。
志望動機では、自分がいかに優れている人間かだけではなく、自分が会社に対してどのようなメリットを与えることができるのか、そしてなぜそれがその会社でないと実現できないのかを記載する必要があります。
一方で、ライセンス営業の場合はその会社の保有しているライセンス関連のコンテンツやキャラクターなどが明確に決まっています。
このような背景から、その会社が持っているコンテンツやキャラクターなどが好きで、自分だったらどのように活用できるかを常に考えている姿勢を示すことで、その会社でないといけない理由を示すことも可能です。
②過去の経験のどの部分を活かすことができるのか
ライセンス営業の求人の志望動機に記載することの一つに、過去の経験のどの部分を生かすことができるのかが挙げられます。
ライセンス営業としては、もちろん過去に営業経験があることが望ましいのは事実ですが、営業経験がなくても採用される可能性は十分にあるでしょう。
このように営業経験がない人が採用されるためには自分の経験をどのようにライセンス営業に活かせるのかを論理的に説明する必要があります。
例えば、過去にデザイン業界でデザイナーとしての経験がある人の場合は、デザイン面からキャラクターやコンテンツなどのライセンスについて理解することができ、それを基に言語化してお客様に伝えることができるというメリットを伝えることで、採用される可能性が高くなるかもしれません。
③自分が入社することでの会社にとってのメリット
ライセンス営業の求人の志望動機に記載することの一つに自分が入社することでの会社にとってのメリットもあげられます。
会社が人員を採用する際には、その人材がどのように会社にメリットをもたらすのか、採用することでどのような変化が会社に生まれるのかが重要です。
そのような背景から自分が入社することで会社にとってはどのようなメリットがあるのか、また自分が入社した際にそのメリットを発揮するためには具体的にどのようなことができるのかを明確にするといいでしょう。
極端な話、「自分を採用することで会社にとってメリットがあります」ということだけ主張されても会社としては信用することしかできません。
そのため会社を信用させるために、自分がどのような行動をして、その結果どのような影響が生まれるのか、そしてそれがどのように会社のメリットになるのかを論理的に示すことができると採用される可能性が高くなると言えるでしょう。
まとめ
ライセンス営業の求人数自体は少ないものの、やり方さえ間違えなければ転職をすることも可能です。