昨今、少子高齢化によるバリアフリー化、空家問題や都市緑地化計画の影響などによってリフォームの需要が高まっています。
そんな、リフォーム業を最も支えているともいえる職業がリフォーム営業です。
そして、リフォーム営業の求人募集も需要に伴って増加傾向にあると言われています。
そこで今回は、リフォーム営業の概要、仕事の条件、就業する上で気を付けるべきことなどを詳しく紹介します。
それでは、見ていきましょう。
リフォーム営業ってどんな仕事?
リフォーム営業とは、物件をリフォームしてもらうために行う営業のことをいい、主にリフォーム会社、ハウスメーカー、不動産会社を通して業務を行います。
会社や取り扱い商品によって多少異なりますが、顧客が所有する物件のリニューアルを提案し、ニーズに合わせて交渉、イメージや予算を構築、合意を得た上で職人を手配、工事の着工、スケージュール管理、引き渡し、アフターサポートまで行うといった流れで進めることがほとんどです。
対象となる物件は戸建て、アパート、マンション、ビル、店舗など多数。
リフォーム内容も増築、省エネ・創エネ改築、バリアフリー化など。
リフォーム営業と一言にいってもリフォームを行う場所から取り扱う製品まで数えきれないほどあります。
そのため、リフォーム営業は営業スキルのみでなく、リフォームに関するあらゆる知識が必要とされる職業なのです。
収入の相場
リフォーム営業の収入の一般的な相場は、正社員であれば基本給約25万円(年収400万円)が相場だと言われています。
意外に少ないなと思った方が多いのではないでしょうか。
多くの場合、この相場は固定給とされていて、あわせて歩合が追加されます。
この歩合部分がリフォーム営業の最大の魅力とされており、営業成績が上がれば上がるほど収入がどんどん増えていくシステムなのです。そのため、「1000万円以上多数」と記載されている求人広告も多く存在しています。
求人広告の中には、何年目に年収いくらといったモデルケースが記載されているものも見受けられ、平均すると3年目で600万円、5年〜7年目で1000万円以上あたりになることもあります。
努力次第で年収1000万円越えを期待できるというのは、リフォーム営業の大きな魅力でしょう。
リフォーム営業求人内容とは?
リフォーム営業の求人条件は大きく分けて「新規開拓営業」と「反響営業」の2つです。
それぞれの会社で求人の内容が異なってきますので、営業対象となるリフォーム内容についてもあわせて説明します。
- 新規開拓営業
- 反響営業
新規開拓営業
新規のリフォーム案件取得のために営業を行います。
ショールームでの提案、飛び込み、外回りなど、主に足を使って新規ユーザーを獲得していきます。
リフォーム営業の基盤を支えていると言える新規開拓営業ですが、初対面の相手と交渉したり、外回り、飛び込み訪問をしたりと体力的にも精神的にも負担は大きくなります。
体力・精神力が強く、営業に自信があるという方におすすめです。
反響営業
反響営業とは、顧客へのアプローチ(チラシ、DM、SNS、コールセンターなど)に反応があった顧客を対象として営業を行う方法です。
顧客からの希望ありきで提案・交渉を始めるため新規開拓営業よりも負担が少なく、交渉成立率が高くなりやすいのが特徴。
未経験者や営業経験が少ない方は、まずは反響営業から初めてみてください。
そして、自信をつけて新規開拓営業にチャレンジするのもいいと思います。
リフォームの内容とは?
増築、塗装・防水といった一般的なリフォームに加え、バリアフリーの為の手すり、スロープ、段差や間取りの変更、省エネ・創エネ(オール電化など)、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)を設備を取り付けるエコリフォームなども提供されています。
リフォームサービスは主にリフォーム会社、ハウスメーカー、不動産会社などさまざまな起業から提供されていますが、バリアフリー、省エネ・創エネメーカーなどが商品販売の為にリフォーム部門を設けている場合もあり、提供するリフォーム内容にはそれぞれに特徴があります。
働く上で注意したほうがいいこと
リフォーム営業で働く上で注意したほうがいいことには、以下のものがあります。
- 体調管理が大事
- 顧客の信頼を得るために豊富な知識が必要
- 話し方、身なりに清潔感があるように心がける
体調管理が大事
一般的に営業職は非常にハードだと言われています。
リフォーム営業も同様で残業時間が多かったり、クレームを受けやすかったりと負担の多い職業です。
顧客の都合にあわせるため土日祝日に休むことができないなど休日を自由にとることもできません。
そのため、仕事からくる疲労やストレスが体調不良につながらないように、しっかりと体調管理を行うようにしてください。
顧客の信頼を得るために豊富な知識を持つ努力をする
リフォーム営業は、実際に設計図を作成したり、リフォーム工事を行ったりという技術面に携わることはありません。
しかし、顧客は専門知識を多く持っている営業スタッフほど信頼できると考えます。
知識の差が直接営業成績に反映されるといっても過言ではないのです。
対顧客だけでなく、職人の発注、工事進行の確認など、引き渡しまでの全ての工程で建築に関する多くの知識が必要とされますので、リフォーム、建築に関する知識の習得を怠らず、できれば関連資格も習得できるように心がけましょう。
話し方、身なりに清潔感があるように心がける
話し方、身なりで相手に不快感を与えてしまうと顧客の信頼を得られず、まず間違いなく交渉が成立しません。
アメリカ合衆国の心理学者アルバート・メラビアンの実験がもとになったメラビアンの法則では、人の第一印象は出会って3〜5秒で得られた言語、聴覚、視覚で決まるとされています。
営業業界では「営業は第一印象で決まる」とも言われており、顧客と出会った3〜5秒の間で清潔感のある話し方や身なりが伝われば、幸先よく営業を進める基盤を作ることができます。
営業職全般でも使うことができるテクニックですので、是非、活用してください。
リフォーム営業で働くメリット
リフォーム営業として働くメリットには、以下のものがあります。
- 頑張った分だけ収入アップを期待できる
- 建築・金融の知識が身に着く
- 未経験からでも始められる
頑張った分だけ収入アップを期待できる
リフォーム営業の最大のメリットは、なんといっても「高収入を狙うことができる」という点です。
固定給自体は一般的なものですが、歩合部分で努力した分の成果を受けとることができます。
営業スキルに自信のある方は、年収1000万越えを目指してみてはいかがでしょうか。
建築・金融の知識が身に着く
日常的に商品、サービスの紹介をするだけでもリフォーム、建築に関する知識が増え、リフォームローンや利率・返済方法を考え、交渉することで金融の知識も身につけることができます。
知識が増えれば営業成績が上がる可能性がある上、得た知識をもとに資格を取得すれば資格手当をゲットできる場合もあります。
未経験からでも始められる
リフォーム業の求人広告には、「未経験、学歴不問」という記載も散見されます。
もちろん、経験がなくても誰でもできる仕事だということではありませんが、知識や経験がなくても努力や気力で乗り越えていくことができるようなタフな人材が活躍しやすい職業だからこそ経験や学歴を重視していないようです。
こういった、やる気があれば始められるというハードルの低さも大きな魅力です。
求められる人材
ここでは、リフォーム営業として特に求められる人材についてご説明します。
- 有資格者
- 営業・販売業・住宅業の経験者
- コミュニケーション能力が高い
- 明るく清潔感がある
- 精神的にタフ
有資格者
リフォーム、建築に関する資格を保持していると顧客からの信頼を得られやすく、工事を行う職人の方々とのコミュニケーションもスムーズになります。
優遇されやすい資格として挙げられるのは以下の6つです。
- 建築士
- FP
- 宅地建物取引士
- インテリアコーディネーター
- 第二種電気工事士
- 普通自動車免許
さらに、マンションを主にリフォームする企業であればマンション管理士・管理業務主任者
など、取り扱うリフォーム商品に関連する資格も優遇される場合があります。
例としては、以下のものがあります。
- インテリアコーディネーター
- キッチンスペシャリスト
- カラーコーディネーター
- 住宅ローンアドバイザー
- マンション管理士・管理業務主任者
営業・販売業や住宅業・建築の経験者
既に営業・販売や住宅・建築関連の業務経験があり、営業・接客スキル、住宅・建築関連の知識を備えている場合も有利にスタートすることができます。
コミュニケーション能力が高い
営業を行う上で最も必要なのがコミュニケーション能力です。
リフォーム営業では、顧客、社内、職人など、人とかかわる業務であふれています。
勉強や努力でスキルアップが難しい部分ですので、コミュニケーション能力に自信があるという方はかなり営業向きだと言えます。
明るく清潔感がある
明るく、清潔感のある人は相手を選ばず気に入られやすい傾向があります。
当然、第一印象もよくなりますので、営業職にはピッタリでしょう。
精神的にタフ
ハードな職業なため精神力の強い人材が求められます。
例えば、失敗や苦労があってもチャンスや成長する為の試練だとポジティブにとらえるような粘り強さが必要です。
スポーツをしていたり、風邪を引きにくかったりと肉体的なタフさを持ち合わせていれば、より強いアピールポイントになります。
まとめ
リフォーム営業は、ハードで心身的に堪える仕事である反面、実力主義で努力の分だけ報われやすいというメリットがあります。
そのため、「知識をどんどん身に着けたい」「高収入を目指したい」という人にはピッタリな職業です。