SaaSとは
そもそも”SaaS”とは、「Software as a Service」の略であり、インターネットを通じてソフトウェアを利用できるサービスのことを指します。
従来のソフトウェアを使用する際にはパッケージソフトを購入してインストールをする必要がありました。
しかし、SaaSのようにインターネット上でソフトウェアを利用できるようになったことで、企業側がサービスを提供しやすくなったりユーザーがサービスを受けやすくなっているのです。
また、SaaSサービスの提供が増えたことにより、企業側がサービスを提供する料金形態が変わりつつあり、これまで基本となっていたパッケージの”購入費用”ではなく、サービスの利用料として”サブスクリプション(月額制)”が多く取り入れられています。
SaaS業界の現状
IT技術の発展によってさまざまな”ITツール”や”ITサービス”が開発されていることや在宅勤務のリモートワークが増えていることによって「WEB会議システム」などSaaSサービスの需要が高くなっています。
SaaS業界に新規参入する企業が増え、市場規模が拡大するにつれて競争率が激しくなり、人材の需要も増えています。
そのため、2022年となった現在ではSaaSサービスを提供している企業へ転職する方も増えているのです。
主なSaaSサービスとは
「SaaS」はインターネット上でソフトウェアを利用できるサービスだと記述しましたが、実際に私たちの生活で使われているSaaSサービスはどのようなモノがあるのか、各サービスの種類ごとに代表的な例を簡単にご紹介します。
【グループウェア】
- Desknet’s NEO(デスクネッツ ネオ)
- Office365
- サイボウズOffice10
【ビジネスチャット】
- LINEWORKS
- Slack
- Chatwork
【会計ソフト】
- 弥生会計オンライン
- freee
【名刺管理】
- Sansan
- CAMCARD BUSINESS
SaaS営業の仕事内容とは
SaaS営業の役割は大きく分けると「インサイドセールス」、「フィールドセールス」、「カスタマーサクセス」の3つに分けられます。
それでは、それぞれの仕事内容について解説していきます。
インサイドセールスとは
「インサイドセールス」とは、電話やメール、オンライン会議などを利用して社内から顧客に営業をかける手法であり、顧客とは直接対面をしない仕事です。
インサイドセールスの重要な役割は、”顧客との接点を作るだけでなく、顧客のニーズを正確に聞き出したり自社で提供している商品やサービスのメリットを的確に伝える”という点が挙げられます。
また、インサイドセールスは基本的にフィールドセールスへ引継ぎをするため、スムーズな引継ぎができる状態を作っておかなければいけません。
フィールドセールスとは
「フィールドセールス」とは、顧客の元に訪問して直接対面して商談を進める手法です。
一般的に「営業職」としてイメージされている手法であり、事前のマーケティングやインサイドセールスによって選別された”見込み客”に対して商談を進めることで、効率的に顧客の獲得をすることができます。
フィールドセールスには顧客の問題点を的確に解決する為の提案力や対応力が必要になります。
カスタマーサクセスとは
「カスタマーサクセス」とは、顧客の成功や業績アップの為に課題を解決する業務の事です。
顧客の成功や成長の為に自社で提供しているサービスを活用してもらい、顧客満足度向上やリピーター率を上げることで解約率を減らすという役割があります。
よく似た業務として、「カスタマーサポート」がありますが、カスタマーサポートは顧客からの疑問や相談にを受動的に解決するのに対して、カスタマーサクセスはこちらから問題の解決や事前の防止策を提示して能動的に支援をします。
SaaS営業職に求められるスキルとは
SaaS営業の仕事内容についてご紹介してきましたが、SaaS営業はどのような人でも簡単にこなせる仕事というわけではなく、上手くこなすには求められるスキルがあります。
今回はその中でも代表的な求められるスキルについて解説していきます。
コミュニケーションスキル
営業職と言えば”コミュニケーションスキル”という言葉が連想されるでしょう。
SaaS営業においてもコミュニケーションスキルは非常に重要であり、必要不可欠と言っても過言ではありません。
しかし、”コミュニケーションスキル”と言っても、ただ単に話すのが得意であれば良いというわけではなく、ビジネスにおいての「コミュニケーションスキル」とは、相手の言いたいことや抱えている問題を正確に聞き出す為の”ヒアリング力”の方が重要です。
その上で相手にわかりやすいように的確に物事を伝える為の”トーク力”や”発言力”も必要となります。
問題解決力
営業職に必要なスキルの代表例として”問題解決力”も挙げられます。
顧客が直面している問題を解決するためにはどのような原因があるのか、今後直面するであろう課題はどのようなモノがあるのかを分析し、それに対してどのような対策や戦略を練る必要があるのかを見出す能力のことです。
変化への対応力
SaaSのようにIT技術を扱う業務では日々新しい技術やサービスが開発されており、業界全体の成長スピードが他の業界に比べて早い傾向があります。
そのため、業界全体の変化の速度に対応できるような対応力が必要となるのです。
SaaS営業に転職する際の注意点とは
それでは、実際にSaaS営業に転職する際にはどのような点に注意をすべきかご紹介していきます。
最低限のITスキルは必要
SaaS営業はITを扱う業務であり、未経験でも転職をすることは可能ですが、転職後にスムーズに業務をこなす為には必要最低限のITスキルを身に付けておくといいでしょう。
転職前に身に付けておくべきスキルとしては、”タイピング”、”Excel”、”Word”、”Power Point”などが挙げられます。これらのスキルは営業職として業務をこなす上でも必要なスキルとなり、お客様とのメールのやりとりや商談・プレゼンの際に使用する資料作りに生かすことができるのです。
そのため、今までIT関連のツールやシステムをあまり活用してこなかったという人でも、SaaS営業に転職する際には事前に独学でも学習しておくべきでしょう。
最新の情報を取り入れる習慣をつける
先ほど記述したように、SaaSサービスを扱う業界では技術の発展が著しく進み、次から次へと新しい情報が流れてきます。
転職後に新しい情報を取り入れる習慣が無ければ業界のスピード感についていけず、上手く業務をこなすことができないということにもなりかねません。
そのため、転職をする前にIT業界の情報はもちろん、新しいニュースや情報に対して敏感になり最新の情報を取り入れる習慣を身に付けておくといいでしょう。
転職先のサービスを活用してみる
SaaSの中でも「名刺管理」や「オンライン会議」などのように個人でも使用できるサービスを提供している企業に転職を考えている際には、その企業が提供しているサービスを事前に利用し、機能面や使い方をある程度把握しておくことで転職の際の採用率が上がったり転職後の活動に生かすことができるのです。
SaaS営業に転職するメリット
さまざまな転職先がある中で、SaaS業界の営業職として転職することのメリットはいくつかあり、SaaS業界ならではのメリットもあります。
それでは、SaaS業界の営業職に転職する際の代表的なメリットを解説していきます。
多くの営業手法を経験できる
先ほど記述したように、SaaS業界の営業手法は大きく3つに分けられており、「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」があります。
これらはオンラインでのサービスを提供しているSaaS業界ならではの営業手法であり、未だ「飛び込み」や「ルート営業」のみで営業活動を行っている企業もいらっしゃいます。
その点、SaaS業界の営業職に転職をしてさまざまな営業手法を経験することで、自身の経験値が上がったり営業職としての能力値向上にも繋げられるのです。
ベンチャー企業が多い
SaaS業界の傾向として設立してから日が浅い企業が多く、SaaS業界が全体的に若めの企業が多くあります。
そのため、SaaS業界や営業職が未経験の方でも気軽に転職をすることができるのです。
また、SaaSの営業職として勤めている人も若い年齢層の方が多く、転職後の自身の結果次第では年功序列の企業に比べて昇格がしやすく、役職に就きやすい職場環境の企業も多いのです。
変化に対応する能力が付きやすい
SaaS業界では、IT技術の発展に応じてさまざまなツールやサービスが開発されていることで、業界全体の変化が激しいと記述しました。
SaaSに転職後、営業職として働くことで時代や流行りなどの早い変化にも対応する能力を身に付けやすく、その後の人生においても臨機応変に対応できるようになるのです。
まとめ
ここまででSaaS業界の営業職の仕事内容や求められるスキル、転職に際しての注意点について解説してきましたが、最近では転職サイトの中でもSaaS業界の転職に力を入れている求人媒体も多くあります。
また、SaaSのサービスを提供している企業が増えていることもあり、多くの企業が求人募集をしています。
そのため、転職の際にはSaaSの営業をボシュをしている企業も多くあるので、自身のビジョンや理想に近い企業をじっくりと探し出すことをお勧めします。
また、転職の際の採用率を上げる為には自身の中でのITやSaaSサービスに関する知識を事前に高めておくといいでしょう。