さまざまな企業が営業職の求人募集をかけており、それぞれの企業によってターゲットとなる顧客が異なります。
営業職と聞けば一般家庭の個人向けの営業や駅近くにオフィスを構えている法人向けの営業を思い浮かべる方も少なくないでしょうが、中には歯科医院を顧客としている営業職もあるのです。
今回は営業職の中でも歯科関係の営業職の求人募集に焦点をあてて、歯科関係の営業の業務内容や求人募集の特徴について詳しく解説していきます。
歯科関係の営業で求人募集されている業務とは
歯科関係の営業と言ってもどのような業務を行うか、なかなかイメージが付きにくいという方も少なくないでしょう。
そのため、まずはじめに歯科関係の営業職ではどのような業務を行うのか、実際に求人媒体に掲載されている求人情報をもとにご紹介していきます。
歯科機器の販売営業
歯科関係の営業職で一番多く求人募集されていた業務は”歯科関係機器や機材の販売営業”です。
掲載している企業は主に歯科関連の機器や機材を製造・販売しているメーカーであり、歯科医院を対象に自社で扱っている機器や機材の販売を行います。
扱っている機器や機材は次のようなモノがあります。
- 歯科用のCAD、CAMマシン
- スキャナー
- 3Dプリンター
- 歯科用接着剤
- 充てん剤
- インプラント
などがあり、取り扱っている機器・機材は求人募集している企業によって異なるため、求人の応募をする前によく確認しておく必要があるでしょう。
歯科医師、歯科衛生士、歯科助手の人材派遣
営業職の代表的な業種として「人材派遣・人材紹介」がありますが、歯科業界でも人材派遣の営業職は数多くあります。
特に歯科業界の人材不足は深刻な問題とされており、歯科医師や歯科衛生士、歯科助手は年々減少傾向にあります。
そのため、多くの歯科医院が人手不足の状況にあり求人募集をかけており、歯科医院を対象とした人材派遣や人材紹介の営業職は需要が高くなっています。
人材紹介の営業では顧客となる歯科医院と派遣スタッフのニーズを擦り合わせて双方のニーズがマッチする相手を見つけなければいけません。
歯科医院の開業コンサルティング
2022年となった現在では6万7886もの歯科医院が設置されており、コンビニの5万5956店舗よりも1万以上多く設置されているのです。
また、今もなお歯科医院を開業する方は多くいますが、開業すれば必ず集客を獲得できるというわけではありません。
歯科医院を開業後にしっかりと集客を獲得するには、的確な戦略を練った上で対策を取らなければいけません。
そんな時に、開業時にどのようなことを意識するべきか、開業後にはどのような手法を取るべきかなど開業に関するコンサルティングを行う業務です。
マーケティング業務
マーケティングといえば、一般的な企業で集客の為にデータ収集や分析を行い適切な戦略を立てる業務ですが、歯科業界においてもマーケティングは非常に重要です。
自社で製造・販売している機器や機材の販売促進を行う際に他の企業とどのような差別化を図れるのか、どのような宣伝が効果的なのかの戦略を立てる業務です。
歯科関係の営業職求人募集の特徴とは
歯科関係の求人募集で掲載されている業務をご紹介したところで、求人募集の内容でよくみられる特徴について解説していきます。
複数の求人募集でよくある特徴を理解しておくことで、その業界全体の求人情報を理解することができるため、代表的な特徴を解説していきます。
ルート営業が多い
営業職の営業手法としては「テレアポ」や「飛び込み営業」「ルート訪問営業」「反響営業」などさまざまありますが、歯科関係の営業職の求人媒体の掲載では、ほとんどの募集がルート営業による営業活動を行っています。
歯科医院のように全国に数多くあり、特定のエリアに複数の医院が構えらている時には、ルートを定めて複数の医院を訪問することで効率を上げることができるのです。
未経験でも応募ができる
歯科業界のように、通常の企業とは異なる業界への営業職となると基本的に営業職や歯科業界の経験が必要とされ、未経験者では求人の応募すらできないというケースも少なくありません。
しかし、実際の求人募集を見てみるとほとんどの募集で”未経験でも応募可”や”未経験でも歓迎”といったように経験者でなくても求人の応募ができる掲載が多くありました。
そのため、「今まで営業職の経験がないけど前から営業職に興味があった」という方や「今後のスキルアップの為に営業職を経験してみたい」という方でも気軽に求人に応募することができるのです。
しかし、中には応募条件に”営業(業界不問)もしくは業界のどちらか経験者”という記載があったり、”未経験者応募不可”と記載されている求人募集もありましたので、応募する前によく確認しておく必要があるでしょう。
年収が高めに設定されている求人が多い
営業職の求人募集では比較的、想定年収が高めに設定されている募集が多くありますが、その中でも歯科関係の営業職の求人募集では特に高めの年収に設定されている掲載が多くあります。
中には”最低500万円〜”であったり、”~700万円”のような掲載が見られました。
そのため、営業職の求人募集の中でも年収を最重視している方には歯科関係の営業職に応募するメリットは大きいと言えるでしょう。
土日休みの求人募集が多い
歯科医院と言えば、基本的に””平日の中で1日と日曜日が定休日””、””土曜が時短営業で日曜日が定休日””、””土日のどちらも時短営業””というような3つのパターンの営業時間に設定されていることが多く、土日に通常営業している歯科医院はあまりありません。
そのため、営業マン側も土日が休日という企業が多く、多くの求人募集で”完全土日休み”という記載が見られました。
歯科関係の営業職に求人応募するメリットとは
求人募集の特徴をご紹介したところで、歯科関係の営業職に応募するメリットについてもいくつかご紹介していきます。
世間的なニーズが高い業界
歯科では「虫歯」や「矯正」「入れ歯」など人間が歯に関する悩みを抱える以上欠かせない業種であり、社会的な需要がかなり高くなっています。
顧客の業務が社会的に需要があればあるほど、新しい商品やサービスを開発することで導入されやすくなり、営業マンからしても販売がしやすい業種となります。
比較的金銭に余裕がある業界
歯科業界ではその需要の高さやリピーターへの繋がりやすさも影響しており、比較的経営が安定しやすい業界となっています。
顧客の経営状況が悪化してしまえば新しい商品やサービスの導入が難しくなり、営業マンも販売がしにくくなってしまいますが、歯科業界のようにある程度落ち着いている業界をターゲットとしている際には比較的商品やサービスが提供しやすくなるのです。
代表者が医院にいるため訪問がしやすい
通常の企業を相手に営業活動を行う際には、担当者や代表者が外出してしまったり別件の打ち合わせで商談の日程を組む時に苦労してしまうというのも少なくありません。
その点、歯科医院は業務時間のほとんどが医院内で過ごしており、特定の場所に居やすい状況が多いです。
そのため、事前のアポイントの予定が組みやすいだけでなく、飛び込みやルート営業などの訪問による営業活動を行う際には、事前のアポイントが無くても訪問した際に代表者に会いやすくなるのです。
歯科関係の営業職で求められるスキルとは
掲載されている求人募集によって業務の内容が異なり、求められるスキルが異なります。
事前に求められるスキルを把握しておくことで求人応募の際や営業職として働く際に有利になったり不利になることもあります。
それでは、歯科関係の営業職として働くうえで必要なスキルについて解説していきます。
ヒアリング力
ヒアリング力は営業職において最も必要ともいえるスキルであり、顧客がどのような問題や課題を抱えているかを的確にヒアリングが出来なければ、それに対しての提案ができません。
そのため、ただこちらの意見を押し付けるだけでなく、上手く相手の考え方や理想を探り出す為のヒアリング力は必須とも言えるでしょう。
提案力
ヒアリングをした後に必要となるのが提案力です。
提案力では、ヒアリングした顧客の問題や課題に対して自社の商品やサービスを導入することでどのようなメリットや効果を得ることができるのかを伝える能力です。
いかに良い商品やサービスを扱っていようとも、導入することで明確なメリットを感じなければ顧客は導入してくれません。
そのため、余計な言葉や無駄な説明は省き、分かりやすい言い回しでコンパクトにまとめて伝える必要があるのです。
また、提案力のレベルが高い営業マンでは、顧客が抱えている問題や課題を解決する方法だけを提案するのではなく、現状、顧客自身でも気づいていないような課題や問題点を見つけ出し、より現状をよくするにはどのような解決策があるのかを提案することができるのです。
業界知識
歯科業界の営業職の求人では、未経験でも応募ができる募集が多く掲載されており、営業職が未経験の方でも問題なく応募することができます。
しかし、事前にある程度の知識を身につけていることで採用を有利に進めることができたり、営業活動を行う際に知識を持っているか持っていないかでは顧客からの信頼度に大きな影響を与えるのです。
そのため、未経験や知識が無くても求人の応募ができると言っても、事前に知識を身につけておくに越したことはないでしょう。
まとめ
今回は営業職の求人の中でも歯科業界の営業職に焦点をあてて解説してきました。
ここまでで解説したように、歯科業界のように少し特殊な業界でも未経験で求人の応募をすることができ、いくつかのメリットを得ることができます。
しかし、事前にある程度業界や求人募集を把握しておかなければ、求人応募をして採用された後に自身の認識と相違が生じやすくなってしまうので注意が必要です。