食品は大きく生鮮食品と加工食品の2つに分けられます。
食品メーカーは加工食品を扱うメーカーです。
食品メーカーの営業とは、自社で作った加工食品を小売店、卸売店、量販店や飲食店に販売することが仕事です。
食品メーカーが取り扱うのは、パンやお菓子、レトルト食品や冷凍食品、飲料などさまざまなジャンルがあります。
食品は常に一定した需要があり安定しているため新卒者からも転職者からも人気の業種です。
食品メーカーは高年収の企業が多い!
食品メーカーの人気が高い理由の1つに年収の高さがあげられます。
大手食品メーカーになると平均年収1,000万円を超えるところもあり、食品メーカーからさらに大手の食品メーカーに転職をして年収アップをはかる人が多い傾向にあります。
2020年度の食品メーカーの年収ランキングを見ても、トップ10はどれも有名企業ばかりです。
【食品メーカー 年収ランキング】
1位 キリンホールディングス | 1,158万円 |
2位 アサヒグループホールディングス | 1,092万円 |
3位 サントリー食品インターナショナル | 1,060万円 |
4位 明治ホールディングス | 996万円 |
5位 味の素 | 982万円 |
6位 不二製油グループ本社 | 908万円 |
7位 コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス | 885万円 |
8位 日清製粉グループ本社 | 865万円 |
9位 日本ハム | 857万円 |
10位 サッポロホールディングス | 856万円 |
上位3位までは平均年収1,000万円を超えています。
食品メーカーは年功序列の傾向にあり、40代ぐらいになると管理職が増えてぐっと年収があがることが多いです。
食品メーカーの営業は安定志向の人におすすめ
食品メーカーの営業は、基本的に顧客を訪問するルート営業がほとんどで、新規契約をガンガン結んでインセンティブで稼ぐ営業スタイルではありません。
インセンティブの割合も低く、どちらかというと年功序列で昇進や年収が上がっていく企業体質が強い業界です。
そのためインセンティブで稼ぎたいと思っている人には向いていないでしょう。
その代わり平均年収が高めで大手企業の営業の管理職クラスになると年収1,000万円を超えてくるところも出てきます。
長く働いてキャリアを積みながら年収を上げたい安定志向の人におすすめです。
食品メーカーの営業先について
食品メーカーの営業先は、主に小売店や卸売店、量販店、飲食店の3つに大きくわかれます。
食品メーカーの営業は、新規営業よりもルート営業が主な仕事です。
新商品が発売される際に取り扱ってもらうためにも良好な関係を長く保つ手腕が問われます。
小売店や卸売店への営業
食品の主な流通経路は、食品メーカーから卸売業や小売業を経由してスーパーなどに商品が並び消費者への手に渡ります。
そのため卸売店や小売店は食品メーカーにとって大口の顧客に該当します。
卸売業はほとんどがすでに取引があるところばかりでルート営業が主な仕事です。
そのため新商品の紹介や挨拶などのアフターフォローなどで顧客先を回ります。
新商品が出た際に取り扱ってもらったり、自社の製品をより多く仕入れてもらうため常に良好な関係を築くことが大切です。
量販店への営業
基本的にスーパーやコンビニなどは卸売業から仕入れますが、食品メーカーが直接量販店に出向いて陳列する場所をより目立つところに置いてもらったり、キャンペーンのポップやポスターなどの広告ツールを設置してもらったりなど働きかけることがあります。
特に大きな売り上げを期待できる大型量販店に出向くことが多いです。
量販店は直接お客様と接しているため、顧客の意見がダイレクトに届きます。
足を運んだ際には売上状況や顧客の反応などを確認することもあります。
飲食店への営業
レストランや居酒屋など飲食店に直接自社の商品を販売する食品メーカーもあります。
営業に訪れる飲食店はチェーン店から個人経営の飲食店まで多岐に渡ります。
全国展開しているようなチェーン店は、基本的に本部へ営業に行きます。
チェーン店は本部が一括で仕入れの管理をしていることもあり大口の顧客です。
対して個人経営の飲食店は、こまめに顔を出したり、実際飲食店に足を運んで食事をしたりしてオーナーと懇意になることもあります。
個人経営の飲食店は入れ替わりが激しいので、新規開拓も欠かせない業務です。
食品メーカー営業の仕事内容について
食品メーカーの営業は、新規開拓をおこなうよりも既存顧客へのルート営業の方が大部分を占めます。
またそれに付随して新商品の試食会やキャンペーンなどの企画・実施、さらにクレーム対応なども営業の仕事になります。
営業力だけでなく、企画力やマーケティング力、コミュニケーション力も試されます。
食品メーカーの営業は顧客と長く付き合うことが求められます。
営業をスムーズにおこなうには、既存顧客との良好な関係が欠かせません。
日々のルート営業
食品メーカーは顧客先を回るルート営業が主な仕事です。
そのため新規開拓が主な営業より比較的ストレスがたまりにくい方です。
販売状況を確認したり、反響を聞いたり、問題をヒアリングしたりと顧客との良好な関係を日々築いていくことが大切です。
新規開拓
特に飲食店への営業の場合、飲食店は移り変わりが激しい業界なので新規開拓が欠かせません。
他の食品メーカーに先を越されないように新規オープンの店舗情報を常にチェックしておく必要があります。
新商品の試食会や発表会
新商品が出ると、顧客を相手にした試食会や発表会をおこなうのも営業の仕事です。
試食会や発表会で調理をおこなうのも営業なので、日頃から調理に慣れておくことや盛り付けにもこだわることも食品メーカーの営業には必用な知識です。
仕入れ数や販売価格の交渉
自社の仕入れが決まったら、仕入れる量や販売価格の交渉も営業の大切な仕事です。
営業は販売先の利益も大切ですが、自社の利益を1番に優先しなければいけません。
価格交渉でも優位に運ぶような手腕が求められます。
クレーム対応
個人のクレームはカスタマーサポートが対応しますが、卸売店や小売店など法人からのクレームは営業が対応をします。
現物を取りに行き状況確認のヒアリングをして、社内に報告書を上げるまでが基本的なクレーム対応です。
クレーム対応は1秒でも早く対応することが大切です。
そのため休日や時間外に発生した場合でも現場に向かわなければいけないこともあります。
ルート配送
一般的な食品メーカーは配送会社などに委託していることがほとんどですが、まれに営業が自社便で配送をおこなうところもあります。
製品の積み下ろしなど体力を使うので気になる人は応募時に配送を委託しているかどうか確認した方がいいでしょう。
商品の企画や提案
飲食店や卸売店などの要望から新商品の企画や提案を営業がおこなうこともあります。
大口の量販店であればプライベートブランド商品の立ち上げに携わることもあるでしょう。
自分が企画した商品が通って店頭に並ぶのを見た時には大きなやりがいを感じられます。
食品メーカーの営業に必要なスキルや知識
食品メーカーは、基本的に必須の資格などはなく、未経験でも歓迎している求人がほとんどです。
ただ、実際に仕事に就いた際に合った方がいいスキルなどをここでは紹介します。
運転免許証
食品メーカーの営業は、試食や試飲を顧客に持っていったり、場合によっては配送をおこなうこともあります。
そのため食品メーカーの営業をするなら運転免許証は欠かせません。
調理技術
実際に食品メーカーの営業で働いている人の声で多いのは、意外と調理をする機会が多いということです。
食品の営業では、どれだけ栄養価や素材のよさをプレゼンで伝えても、販売するかどうかを決めるのは味です。
試食会を開催して実際に食べてもらったり、アレンジ方法などを提案するのも営業の仕事です。
プロ並みの技術は必要ありませんが、包丁を使って家庭料理ぐらいは作れる程度の調理スキルは必要です。
マーケティングの知識
食品産業は多様化しており、流行の移り変わりも激しい業界です。
そのため、今どんなものが流行っていてこれから何が流行るのか、トレンドをいち早く察知することも大切です。
また、どの層からどのくらいの需要があるかなど市場分析をおこなうことも、価格交渉の際には欠かせません。
食品メーカーの営業へ転職しやすい?
食品メーカーの営業の求人数は、検索すると数多く出てきて常に一定数の求人数が保たれています。
特別な資格などは必要ないため、未経験でも転職できる可能性は高い業界です。
また食品は、一般的に主婦目線で選ばれることが多いため、女性でも活躍しやすい職場です。
ただし、食品メーカーといっても取り扱う食品も幅広く、大手から中小企業までピンキリなので、自分の希望に合ったものを見極めることが大切です。
大手食品メーカーへ転職したい場合には転職エージェントの利用が有利に
年収ランキングに載るような大手企業や有名企業ほど人気も高く求人もなかなか出にくい傾向にあります。
大手企業は自社のサイトにキャリア採用の求人を載せていることがあるので、まずはホームページをチェックしましょう。
また転職エージェントに非公開求人として依頼していることもあります。
非公開求人になっているものは、普通の求人サイトで検索しても見つかりません。
転職エージェントに登録して自分の経歴や希望と、求人の情報が一致した時に転職エージェントから紹介をされます。
大手食品メーカーの営業職への転職を考えている人は、大手の転職エージェントへの登録をおすすめします。
【おすすめの大手転職エージェント】
最後に 生活に欠かせない食品メーカーの営業は大きなやりがいを感じられる仕事
食品メーカーは生活に欠かせない業界です。
美味しいものを食べると幸せを感じられる人がほとんどで、そんな食品に関われることは、やりがいが大きい仕事といえるでしょう。
食品メーカーの営業の1番のやりがいは、「自分が売りこんだ商品が店頭に並んだとき」と答える人が大多数です。
誰の目にも止まるような商品を売り込むのは大変な反面、達成感も強く感じられます。
一定の需要があるため安定している業界で働きたい人にも食品メーカーの営業はおすすめです。
男性、女性問わず活躍できるので、営業職への転職を考えている人は、ぜひ食品メーカーの営業を検討してみてください。