本が好きな人の中には、書店営業として働きたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、書店営業の求人は一般に公開されることが少なく、出版社や一部の卸売会社などでしか募集されないことがほとんどです。
そこでこの記事では、書店営業の求人の業務内容や書店営業の求人がきついと言われる理由について詳しく紹介していきます。
それではみていきましょう。
書店営業の種類とは?
書店営業の種類には、以下のものがあります。
- 書店に対しての売り込み営業
- 本屋での窓口営業
書店に対しての売り込み営業
一般的に書店営業は、書店に対しての売り込み営業のことを指します。
売り込み営業は出版社などが主体となって自社の商品を書店に対して売り込むのが主な営業スタイルです。
ルート営業とも言われることが多く、担当者が特定の書店に対して継続的に自社の商品の販売促進や卸を行います。
そのため、ルート営業をしたいと思っている人にはおすすめでしょう。
しかし、書店営業であっても新規開拓営業が発生する場合もあります。
書店に対して売り込みを行う際には、ただ単に自社が出版する本を置いてもらうように営業していくだけではなく、自社の商品が売れるように棚の位置を変えてもらうなどの地味な営業活動があるのも事実です。
実際に、書店によっては平置きと縦置きで売り上げが大きく変わるということも多いです。
そして、出版社としても平置きで、特に目立つ部分に自社の本をおいてほしいと思ってるのが事実です。
そのため、書店営業は書店に対して特設ブースを設けてもらったり、平置きでおいてもらえるように配置に変えてもらうことが重要です。
また、書店営業では在庫管理を行なうこともあり、書店に置いてある本の数が少なくなれば、そのぶん納入をしなくてはいけないということもあるでしょう。
このように書店に対しての売り込み営業はやることが多く、また流通の部分にも一部関わることになります。
本屋での窓口営業
書店営業と言われるものの中には、本屋での窓口営業もあります。
本屋での窓口営業の場合、採用は書店になり、業務内容は本を販売するための営業販売員です。
アルバイトで募集されていることも多いのが特徴で、大学時代に書店などでアルバイトをしていたという人も多いのではないでしょうか。
書店の窓口営業の大きな特徴は、本に関わることができ、かつ本を自分の視点で売り込みできるということです。
本屋などに設置されているポップは、出版社の営業マンが設置していることもありますが、書店の従業員が設置していることもあります。
書店の営業部員が設置する場合は、自分が好きな本や自分が売れて欲しい本を積極的にアピールできるというのが大きな魅力です。
そのため、好きな作家がいる人や自分が好きなものを世の中に広めたいと思っている人は、書店の窓口営業として働く人も多いです。
ただし、書店の窓口営業は書店での採用となるため、店舗に配属になる場合のみではなく本社機能として採用されることもあります。
このような背景から、本屋での窓口営業は正社員ではなくアルバイトや派遣社員などがメインになってくることが多いとも言えるでしょう。
書店営業の求人の募集元とは?
書店営業の求人の募集元は出版社もしくは書店です。
出版社が募集している場合は、自社の商品を書店に対して売り込むための売り込み営業マンです。
書店が募集している場合は、店舗を運営するための店舗運営スタッフ兼営業マンという形です。
出版社が募集している営業マンはBtoB営業になるので、BtoBの経験やBtoB営業の知識がある方が有利になるでしょう。
一方で、書店で採用される店舗運営スタッフの場合は、BtoCになるのでお客様とより近い位置で営業することが可能です。
また、自分が好きな本や雑貨などを紹介できるというのも大きな魅力でしょう。
書店営業の求人に応募するのがおすすめの人とは?
書店営業の求人に応募するのがおすすめの人は、以下のような人です。
- 本を読むことに抵抗がない人
- 自社製品に愛着を持っている人
- 外回り営業に抵抗がない人
本を読むことに抵抗がない人
書店営業の求人に応募するのがオススメな人の特徴に、本を読むことに抵抗がない人が挙げられます。
書店営業の中でも、特に書店に対して売り込みを行う出版社の営業マンは、他社の商品を見た上で、自社の商品の特徴や売り込みポイントを見つける必要があります。
また、他社の書籍を読んで積極的に知識や経験を吸収するというのも重要な業務の一つです。
そのような観点から、本を読むことに抵抗がない人の方が有利になりやすいです。
自社製品に愛着を持っている人
書店営業の求人に応募するのがおすすめな人の特徴の一つに、自社の商品に愛着を持っている人が挙げられるでしょう。
書店営業の中でも、特に出版社から派遣される書店営業マンの場合、販売する商品を書店に置いてもらうのが主な仕事になります。
出版社によって扱っている書籍の種類は異なりますが、コミックから文庫本まで様々な種類があります。
そのため、自社で販売している商品やIPに対して愛着を持ち、さらに自社の商品を販売するための特徴を理解することは重要です。
実際に、コミックを出版する出版社の場合、そのコミックが好きな人やそのコミックに愛着を持っている人が、出版社に就職して書店に対して営業を行う営業マンになるということも多いです。
外回り営業に抵抗がない人
書店営業の求人に応募するのがオススメな人の特徴の一つに、外回り営業に抵抗がない人が挙げられます。
書店営業はほとんどが外回り営業になり、営業マンも多くの時間を書店で過ごすことになります。
そのため、外回り営業に抵抗がなくかつコミュニケーション能力が高い人は、有利になりやすいです。
営業ではもちろん、出版社が販売している本が優れていたり、他社の商品と比べて話題性があることも重要ですが、それだけではなく書店員とのコミュニケーションを積極的に取り、自社の商品を平置きでおいてもらえるような関係性を築いていることが重要になります。
そのような背景から、外回り営業に抵抗がなくかつコミュニケーション能力に優れている人は、書店営業の求人に応募して採用される可能性が高いです。
書店営業がきついと言われる理由とは?
書店営業がきついと言われる理由は、以下の3つです。
- 体力が必要になる
- ノルマが設定されていることが多い
- 営業だけではなくマーケティング知識も必要になる
体力が必要になる
書店営業がきついと言われる理由の一つに、体力が必要になることが挙げられます。
都内の場合は、書店が多く近距離で営業活動を行える可能性が高いです。
一方で、地方になると一つの市に書店が一件しかない、場合によって都道府県に一件しか書店がないということもあります。
このような背景から、複数の県を1人の営業マンで担当する可能性もでてきて、結果的に移動距離が長くなってしまうということも多いです。
ノルマが設定されていることが多い
書店営業ではノルマが設定されていることも多いです。
特に、出版社で採用になり書店に対して営業を行う書店営業マンの場合、自社の商品をどのくらい販売できるかが重要になってきます。
一つの書店に対してどのくらいの本を納入できて、どのくらい販売できるかというデータは出版社も独自データとして持っていることがほとんどです。
そのため、このようなデータをもとに各営業マンのノルマが決められることになります。
ノルマを達成するためには、平置きで置いてもらったり特設ブースを設置してもらうための努力が必要です。
そのため、このような施策を実施できない場合は、ノルマを達成することができず結果的に会社としても不必要な存在になってしまい、自分としても会社に居づらい雰囲気になってしまうことがあるでしょう。
一方で、書店営業マンの場合、ノルマを達成することができても高額なインセンティブが支払われるということがありません。
営業だけではなくマーケティング知識も必要になる
書店営業マンがきついと言われる理由の一つに、営業だけではなくマーケティング知識も必要になることが挙げられます。
営業マンと聞くと一般的には、飛び込み営業や訪問営業などで顧客接点を持った上で、コミュニケーションをとり、信頼関係を築いていくことが重要になってくると思っている人も多いでしょう。
しかし、書店営業マンの場合は、BtoBtoCの側面があるので顧客に個人客に対してのマーケティングも必要になるのが特徴です。
書店営業マンの場合、他社が行なっているマーケティング施策を見たうえで、そのマーケティング施策を自社のマーケティングにも活かすことができないか、かつ他社が行なっているマーケティング施策のポイントをまとめた上で、より自社の商品に最適化していく努力が重要になってきます。
そのため、他社から転職してくる場合、BtoB営業と言っても通常のBtoB営業とは異なる部分が多いため苦労を感じてしまう人も多いです。
まとめ
書店営業の求人は、出版社などを中心に少数精鋭で募集されることが多いです。
また、大手の出版社では中途社員を募集していないこともあるので、中途で書店営業マンになりたい場合は、専門誌の出版社や中小の出版社の求人を探す方法がいいでしょう。
そして、書店営業では通常の営業スキルのみではなく、マーケティングの知識やコミュニケーション術など必要になる経験や知識も多いのが特徴です。
今後、書店営業の求人に応募したいと思っている人は、ぜひこの記事を読んで書店営業の求人の特徴や書店営業への転職方法などについて理解しましょう。