ケアマネジャーとして年収600万円を稼ぎたいと思っている人に向けて、この記事ではケアマネジャーの年収が上がりやすい理由やケアマネジャーで年収600万円を達成することは可能なのかについて詳しく紹介していきます。
それではみていきましょう。
ケアマネで年収600万円は難しい
結論から言うとケアマネジャーだけで年収600万円を達成することは難しいと言えます。
厚生労働省が発表している「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、ケアマネジャーの平均月収は350,320円で年収は420万円です。
一方で、この平均年収はケアマネジャーとして働くことができている人の平均年収になります。
つまり、ケアマネジャーとしての資格は持っていてもケアマネジャーの需要自体が現在飽和状態にあり、ケアマネジャーとして勤務できてない人も多くいます。
このような背景も考慮すると、ケアマネジャーという資格だけを取得しただけでは、年収600万円を目指すのは難しく、年収500万円を突破するのも難しいと言えるでしょう。
ケアマネジャーになるための受験要件は、次の①または②の業務に通算5年以上かつ900日以上従事することと定められています。
①以下の国家資格等に基づく業務 医師/歯科医師/薬剤師/保健師/助産師/看護師/准看護師/理学療法士/作業療法士/社会福祉士/介護福祉士/視能訓練士/義肢装具士/歯科衛生士/言語聴覚士/あん摩マッサージ指圧師/はり師/きゅう師/柔道整復師/栄養士/管理栄養士/精神保健福祉士 ②以下の職種で該当する施設等でおこなう相談援助業務 生活相談員…特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホーム、一部のサービス付き高齢者向け住宅)/地域密着型特定施設入居者生活介護/地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護/介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)/介護予防特定施設入居者生活介護 支援相談員…介護老人保健施設 相談支援専門員…計画相談支援/障害児相談支援 主任相談支援員…生活困窮者自立相談支援事業 |
このようにケアマネジャーの試験を受けるだけでも要件が決められており、ケアマネジャーとしての資格を取得した後もケアマネジャーとして勤務できない人が多くいるということを考慮すると、ケアマネジャーを目指すのは得策ではないと言えるかもしれません。
ケアマネになると給料が上がる理由
ケアマネになると給料が上がる理由は、以下の3つです。
- 資格手当を出す施設が多い
- 給与アップを日本介護支援専門員協会が中心で主導している
- 資格を取得するまでに期間がかかり希少性が高い
資格手当を出す施設が多い
ケアマネジャーになると給料が上がりやすい理由の一つに、資格手当を出す施設が多いことが挙げられます。
介護業界では資格手当という制度が充実しており、持っている資格に応じて手当が支給されます。
施設によってケアマネジャーに対して支払う手当の金額は異なりますが、ケアマネジャーとして活躍している人の場合、資格手当として月に1万円から最大で5万円程度もらえることがあります。
資格手当の金額が大きい施設であれば、その分給料を上げやすいと言えるでしょう。
給与アップを日本介護支援専門員協会が中心で主導している
ケアマネジャーの給料が上がりやすい理由の一つに、給料アップを日本介護支援専門員協会が主導していることも挙げられます。
日本介護支援専門協会は、介護支援が所属している団体で給料アップなどを目指している団体です。
現在、政府が主導して介護職員の月額9000円アップさせることを目指しています。
一方で、ケアマネジャーはその枠組みの中には入っていません。
そこで、日本介護支援専門協会が中心となって要望書を提出しています。
実際に日本介護支援専門協会が提出した要望書に関するニュースでは以下のように記載されています。
「介護職等の公的価格評価検討対象職種への追加要望について」と題したこの要望書では、介護支援専門員の業務が拡大している中で、人材確保は深刻な状況とし、その一因として「業務量と賃金の不均衡」があると指摘。「業務に見合う処遇の問題が放置されれば、介護支援専門員及び主任介護支援専門員の人材確保、さらに優秀な人材の確保は困難になる」と危機感をあらわにした。より質の高いケアマネジメントができる環境構築のため、「介護職の収入増加に関連して、公的価格評価検討が行われるにあたり、介護支援専門員も同評価検討対象職種に加えていただくことを強く要望する」と訴えている。 |
このように、介護支援員の専門協会が主導をして給料アップを目指しているというのは、ケアマネジャーの給料が上がりやすい理由の一つとも言えます。
資格を取得するまでに期間がかかり希少性が高い
ケアマネジャーの給料が上がりやすい理由の一つに資格を取得するまでに時間がかかり希少性が高いことが挙げられます。
ケアマネジャーの資格を取得するためには、試験への合格が必須です。
試験の受験資格は、指定業務を5年以上かつ900日以上経験することで得られます。
また、試験に合格した後、研修を受講して修了しケアマネジャーとして登録され、資格証の交付がなされると、ケアマネジャーとして勤務可能です。
このようにケアマネジャーになるためには指定業務を5年以上経験していなくてはならず、また介護や福祉に関しての高い知識や経験が求められます。
このような背景もありケアマネジャーの資格を持っている人を施設側としても高く評価しているという背景があります。
また、今後介護人口が増えていくにつれてケアマネジャーの需要も高くなり、結果的に希少性が高まることも予想されます。
ケアマネでなくても介護に関われる
ケアマネジャーになることで年収600万円を目指すことも可能ではありますが、ケアマネジャーの平均年収はあくまでも420万円です。
また、ケアマネジャーの資格を取得しているだけではケアマネジャーとして採用されることは少なく、ケアマネジャーの資格を取得している上で現場での長年の経験があるなど付加価値がないと採用されにくいでしょう。
そして、前の項目でもお話ししたようにケアマネジャーの需要自体は高くかつ希少性が高いのは事実ではありますが、ケアマネジャーが必要な現場はそこまで多くなく、かつケアマネジャーが必要な施設ではすでに必要十分なケアマネジャーが確保されているという状態でもあります。
そのような背景から今後ケアマネジャーとしてキャリアを歩んでいく上で、年収600万円を目指していくというのがさらに難しくなる可能性が高いです。
介護職の場合、ケアマネジャーとしてキャリアアップしていくだけではなく、介護の現場でキャリアアップしていくことで年収600万円を目指していくことも十分可能です。
そのため、ケアマネジャーを目指すこと自体は自身のキャリアアップにおいては重要な要素のひとつにはなりますが、年収600万円を目指すという上ではケアマネジャーを目指していくよりも、介護の現場で介護に直接関わった上で介護職としてキャリアアップをしていく方が早い段階で年収600万円を達成できると言えるでしょう。
ケアマネに向いている人とは?
ケアマネに向いている人は、以下のような人です。
- 急な呼び出しにも対応できる人
- 判断力がある人
- 自分のペースで仕事がしたい人
急な呼び出しにも対応できる人
ケアマネジャーに向いてる人の特徴の一つに、急な呼び出しにも対応できる人が挙げられます。
ケアマネジャーとして勤務する上で、ご利用者様から急に相談事をされる可能性もあるでしょう。
もちろんケアマネジャーの業務は相談を受けることではなく、あくまでも介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるように、ケアプラン(サービス計画書)を作成したり、サービス事業者との調整を行うことです。
ただし、ケアマネジャーにとってご利用者様はお客様でもあるので、ケアマネジャーの場合急な呼び出しがあったらその呼び出しに応じて、相談を受けなくてはいけない場合があります。
また、ご利用者様だけではなくご利用者様のご家族や事業所から相談ごとなどで急な呼び出しが発生することも多いです。
判断力がある人
ケアマネジャーに向いてる人の特徴の一つに判断力がある人が挙げられます。
ケアマネジャーは、サービス計画書の作成やサービス事業者との調整を行う上で判断が必要になる場面も多いです。
特に、ケアマネジャーはご利用者様自身で判断できないことを、ケアマネジャーが代わりに判断することも重要な業務です。
そのため、ご利用者様からの信頼を獲得して信頼関係を構築するという意味でも判断力がある人のほうが、ケアマネジャーには向いていると言えるでしょう。
自分のペースで仕事がしたい人
ケアマネジャーの求人が向いている人の特徴に、自分のペースで仕事がしたい人が挙げられます。
ケアマネジャーは組織に属している場合もありますが、組織に属している場合でもご利用者様宅に出向くことや事業所と交渉をしたりすることが多く、組織単位で動くことよりは個人単位で動くことが多い職業です。
そのような背景から自分のペースで仕事がしたいと思っている人には、ケアマネジャーはおすすめと言えるでしょう。
一方で、自分から積極的に交流の機会を作っていかないと、職場の同僚と関係を深める機会がなくなってしまうのも事実なので、積極性も必要になると言えます。
まとめ
ケアマネで年収600万円を目指すことは難しく、ケアマネでなくても介護に関われることからケアマネを目指すのではなく、介護職員として勤務する方が効率的と言えるでしょう。