ハローワークとは、厚生労働省設置法第23条に基づき設置される「国民に安定した雇用機会を確保すること」を目的として国が設置する行政機関です。
そこで、この記事ではハローワークで介護求人を探している人に向けて、ハローワークで介護求人を探すメリット・デメリットや職業訓練制度について詳しく紹介していきます。
それではみていきましょう。
ハローワークで介護求人を探すメリットとは?
ハローワークで介護求人を探すメリットは、以下の3つです。
- 無理矢理求人を紹介されることがない
- 居住地に近い範囲の求人を紹介してもらえる
- 民間の求人サイトにはない求人が掲載されている
無理矢理求人を紹介されることがない
ハローワークで介護求人を探すメリットの一つに、無理やり求人を紹介されないことが挙げられます。
ハローワークは国によって運営されている行政機関なので、利益を重視して紹介料が高い求人を無理やり求職者に対して紹介するという事がありません。
一方で、無理やり求人を紹介されないということは求職者の条件に合う求人しか提示してくれないということでもあるので、職員が積極的でない限り就職活動が進みにくいのも事実です。
居住地に近い範囲の求人を紹介してもらえる
ハローワークで介護求人を探すメリットの一つに、居住地に近い範囲の求人を紹介してもらえることが挙げられます。
ハローワークは、地域に特化した求人を探している場合には利用しやすいと言えるでしょう。
ハローワークの場合、民間の求人サイトとは違い掲載する施設や企業から金銭をもらうことがなく、資本力がない小さい老人ホームやリハビリテーション施設であってもハローワークになら求人情報を掲載できるという場合が多いです。
特に、地方の場合、資本力が乏しい施設も多く、それらの施設がハローワークに求人情報を掲載しているというケースもあります。
民間の求人サイトにはない求人が掲載されている
ハローワークで介護求人を探すメリットの一つに、民間の求人サイトには掲載されていない求人が掲載されていることが挙げられます。
ハローワークは、民間の求人サイトとは違い料金を支払わず求人情報を掲載することが可能なので、民間の求人サイトと比較すると掲載されている求人が異なるのが特徴です。
そのため、民間の求人サイトと併用してハローワークにも通っているという人もいます。
ハローワークの職業訓練で介護資格を取得するメリットとは?
ハローワークの職業訓練で介護資格を取得するメリットは、以下の2つです。
- 民間スクールよりも格安で資格を取得できる
- 仕事を斡旋してもらえる
民間スクールよりも格安で資格を取得できる
ハローワークの職業訓練で介護資格を取得するメリットの一つに、民間スクールよりも格安で資格を取得できることが挙げられます。
ハローワークの職業訓練の場合、受講料をかけずに資格を取得することができます。
取得できる資格は、初任者研修・実務者研修・介護福祉士などで地域によっても異なるのが特徴です。
また、応募できる人数も地域によって異なるので、抽選倍率が高くなってしまう地域もあります。
仕事を斡旋してもらえる
ハローワークの職業訓練で介護資格を取得するメリットの一つに、仕事を斡旋してもらえることが挙げられます。
介護系資格を持っていることで、ハローワークで応募できる求人の数が増えるので、職業訓練で介護系の資格を取得し、そのままハローワークで仕事を斡旋してもらえるというのは大きなメリットでしょう。
ハローワークの職業訓練で介護資格を取得するデメリットとは?
ハローワークの職業訓練で介護資格を取得するデメリットは、以下の3つです。
- 取得できる人に制限がある
- 日程の融通が効かない
- テキスト代の実費がかかる
取得できる人に制限がある
ハローワークの職業訓練で介護資格を取得するデメリットの一つに、取得できる人に制限があることが挙げられます。
ハローワークの職業訓練で介護資格を取得する際には、スクールにかかった費用を後から助成金という形で返還されます。
しかし、助成金を受け取るには以下のような条件があります。
- 収入が月8万円以下(※2022年3月末までの特例措置として、シフト制などの場合は月12万円以下)
- 世帯収入が月25万円以下
- 世帯の金融資産が300万円以下
- 現在の居住地以外に土地や建物を所有していない
- すべての訓練日に出席する(※やむを得ない理由がある場合でも8割以上は出席)
- 世帯に求職者支援制度で訓練を受けている人がいない
- 過去3年以内に特定の給付金を不正支給していない
逆に言うと、ハローワークの職業訓練で介護資格を取得したいと思っていても上記の条件を満たしていない場合は、無料で資格を取得することはできず、自分のお金で資格を取得しなくてはいけません。
日程の融通が効かない
ハローワークの職業訓練で介護系資格を取得するデメリットの一つに、日程の融通が利きにくいことがあげられます。
ハローワークを通して介護資格を取得する際には、民間スクールのように多くの日程が用意されているわけではなく、あらかじめ日程が決まったなかで受講していく必要があります。
そのため、受講日を変えるということができず、かつ取得をするまでにも時間がかかってしまうのがデメリットです。
テキスト代の実費がかかる
ハローワークの職業訓練で介護系資格を取得するデメリットの一つに、テキスト代の実費がかかることがあげられます。
初任者研修の場合だと1万円前後のテキスト代がかかり、これらの費用は「求職者支援制度」の対象になっておらず、自分で支払わなくてはいけません。
また、テキスト代以外でも資格取得にかかる実費については、受講者が自己負担する必要があります。
ハローワークで介護求人を探すデメリットとは?
ハローワークで介護求人を探すメリットは、以下の3つです。
- 紹介状がないと応募できない求人が多い
- ブラック企業の求人がある
- 要望に沿ったマッチングがされない
紹介状がないと応募できない求人が多い
ハローワークで介護求人を探すデメリットの一つに、紹介状がないと応募できない求人が多いことが挙げられます。
紹介状とは、ハローワークから発行されるもので、 紹介状が発行されることでハローワークを通して面接に来た人物と証明することが出来ます。
また紹介状があることで企業としては、既卒者・中退者向けの「特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)」や、未経験者が対象の「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」などの助成金を受け取ることが可能です。
このような背景もあり、ハローワークに掲載されている介護求人の中には紹介状がないと応募できないものが多くあり、紹介状を書いてもらうことに対して抵抗感がある場合は利用するのにデメリットを感じるでしょう。
ブラック企業の求人がある
ハローワークで介護求人を探すデメリットの一つに、ブラック企業の求人が紛れ込んでいる可能性があるということが挙げられます。
ハローワークは、基本的にブラック企業のような労働基準法に則していない求人は掲載されないことになっていますが、求人情報では労働基準法に則っているものでも、実際に勤務をしたら雇用条件とは違う労働形態になっているなどの問題が発生することもあります。
ハローワークに通報することで改善に向けて動いてくれる可能性もありますが、一度このようなブラック求人に応募してしまうと、また最初から求職活動しなくてはいけず時間を無駄にしてしまう可能性が高いです。
要望に沿ったマッチングがされない
ハローワークで介護求人を探すデメリットの一つに、要望にあったマッチングがされないということが挙げられます。
ハローワークでは、自分で職を探すこともできますが、職員を通して職を探すことも可能です。
その際に自分が希望している条件を伝えたにもかかわらず、条件に合わない求人情報を紹介されることがあります。
そのため、要望に合ったマッチングがされない可能性があるというのはデメリットの一つに挙げられるでしょう。
ハローワークで介護求人を探すのをおすすめしない人とは?
ハローワークで介護求人を探すのをおすすめしない人は、以下のような人です。
- すぐに職を見つけたい人
- 多くの求人を比較したい人
すぐに職を見つけたい人
ハローワークで介護求人を探すのがおすすめではない人の特徴に、すぐに職を見つけたい人が挙げられます。
ハローワークは、利用するために利用登録が必要になり、かつ利用者数も多いので1つの求人に対して応募者が多いのが特徴です。
そのため、希望している条件で仕事を見つけることができても、複数人がすでに応募している可能性も十分に考えられます。
過去に介護職としての経験があり、その経験を活かして介護職として継続勤務したいと思っている場合は、ハローワークではなく民間の求人サイトを利用した方が早く転職できる可能性が非常に高いです。
多くの求人を比較したい人
ハローワークで介護求人を探すのがおすすめではない人の特徴に多くの求人を比較したい人が挙げられます。
ハローワークにも多くの求人が掲載されていますが、条件が詳細に記載されていないことも多く、比較検討するのが難しいです。
また、ハローワークには多くの求人が掲載されているのも事実ですが、介護求人だけに特化するとハローワークではなく民間の求人サイトの方が多くの情報を持っています。
そのため、多くの求人を比較して自分にあったという子を探したいと思っている場合は、ハローワークで介護求人を探すのではなく、民間の求人サイトを利用する方がおすすめです。
まとめ
ハローワークは、無料で利用でき地域に特化した求人を探しやすいのが特徴ですが、介護求人に特化すると民間の求人サイトの方が多くの求人を比較することができます。
また、早く就職先を見つけたい場合は、人材紹介会社や人材派遣会社を利用するのがいいでしょう。