介護施設長の年収とは?施設長になるために必要なスキルも紹介

介護施設でトップの職位になるのは介護施設長です。

そこで、この記事では介護施設長になりたいと思ってる人に向けて、介護施設長の年収や介護施設長になるために必要なスキル、介護施設長になるメリットについて詳しく紹介していきます。

それではみていきましょう。

介護施設長の仕事内容とは?

介護施設長の仕事内容は、

  • 職員の採用や育成
  • ご利用者やご家族への対応
  • 関連機関との連携
  • 建物管理
  • 設備管理
  • 人材採用

など多岐に渡ります。

また、介護施設長の場合は管理職としてのマネジメント業務だけではなく、現場職員の数が足りない場合は介護職員として勤務をしないといけないこともあります。

そして、介護職員の採用や教育は、介護施設長が行う仕事の一つです。

介護福祉グループの場合や大きな介護施設であれば、人材担当職員がいることも多いですが、小さい施設の場合は​​介護施設長が人事や育成を担うことになります。

職員の負担が大きい場合や現場の雰囲気が良くない場合は、人材の離職につながることもあるので人材育成や環境の整備は介護施設長としての力量を示す指標になりやすいです。

介護施設長になるには?

介護施設長になるには施設ごとに資格要件が定められているのが特徴です。

特別養護老人ホームの場合は、下記の資格要件のうち、いずれか1つを満たせば施設長になれます。

  • 社会福祉主事の要件を満たす者
  • 社会福祉事業に2年以上従事した者
  • 社会福祉施設長資格認定講習会を受講した者

介護老人保健施設の場合は、介護保険法第95条で「原則、医師がなること」と定められています。

そのため、基本的には医師免許がないと特別養護老人ホームの施設長にはなれません。

ただし、一部特例として都道府県知事の承認を受ければ、医師以外の人でも管理者になることができます。

介護療養型医療施設の場合は、医療法第10条によって「臨床研修修了医師に管理させなければならない」と定められています。

グループホーム・小規模多機能型居宅介護施設の場合は、下記の資格要件をすべて満たす必要があります。

  • 認知症介護に3年以上従事した者
  • 認知症対応型サービス事業管理者研修を修了した者

また、有料老人ホームやデイサービスの場合は、介護施設長になるための資格要件がありません。

そのため、無資格でも介護施設長になれる可能性はあります。

ただし、一般的には介護職員として介護の現場の経験がある人が介護施設長になることが多いです。

介護施設長の年収相場

平成30年度 介護労働実態調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書」によると、介護施設長の年収は500万円以上と推測できるでしょう。

もちろん、所属している施設や施設の形態によっては医師免許がないと施設長になれないという背景があるので、多少の平均年収の増減は発生します。

介護施設長の求人例

  • 給与:年収6,000,000円~7,500,000円
  • 昇給:年1回(4月)
  • 賞与:年2回(6月・12月)※業績により変動あり
  • 社会保険完備(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)
  • 退職金制度
  • 産休・育休休暇取得制度
  • 看護休暇取得制度
  • 介護休業取得制度
  • 社内資格制度(手当あり)
  • 通勤手当・交通費支給:上限20,000円/月
  • 車通勤可
  • 駐車場月極代・ガソリン代:支給可能
  • 家族手当(配偶者10,000円/月、第一子8,000円/月、第二子6,000円/月、3人目以降4,000円/月)
  • 日祝出勤手当(1,000円/回)
  • 誕生日カタログギフト贈呈
  • 勤務時間:9:00~18:00
  • 夜勤:なし
  •  
  • 週休2日シフト制
  • 年間休日:120日
  • 有給休暇
  • シフト希望休 3日/月まで提出可
  • 雇用形態:正社員
  • 資格:
    • 介護、医療系経験7年以上
    • 介護福祉士
    • 正看護師
    • PT、OT、ST

介護施設長に必要なスキルとは?

介護施設長に必要なスキルは、以下の3つです。

  1. コミュニケーションスキル
  2. マネジメントスキル
  3. 人材管理スキル

コミュニケーションスキル

介護施設長に必要なスキルの一つに、コミュニケーションスキルが挙げられます。

介護施設長は、介護職員とコミュニケーションをとり、施設を良くしていくために活動していくのが役割になります。

そのため、コミュニケーションスキルが高いレベルで求められます。

そして、コミュニケーションスキルがない人の場合、介護施設長になれる可能性は著しく低いと言えるでしょう。

これは、介護施設長になるためにはある程度施設内での勤務経験が必要になり、その中でコミュニケーションスキルが低いと判断されれば、介護施設長として登用される可能性が低くなってしまうためです。

マネジメントスキル

介護施設長に必要なスキルの一つにマネジメントスキルが挙げられます。

介護施設長は、介護保険制度を守り介護サービスが適切に提供されているかを管理します。

そして、場合によっては介護施設長が自らサービスの品質が落ちないよう、職員研修や講習会を実施することもあります。

また、介護施設長は管理職という役職になるためマネジメントスキルが低い場合は、介護施設長として登用される可能性がそもそも低いと言えるでしょう。

人材管理スキル

介護施設長に必要なスキルの一つに人材管理スキルが挙げられます。

人材管理スキルとは、適切な人材を採用し適切な場所に配置すること、そして採用した人材に長く勤務してもらう環境を構築できるスキルのことです。

人材管理スキルが高い人の場合、施設での離職率が低くなり結果的に効率的に作業をするようになります。

一方で、人材管理スキルが乏しく離職率が高い施設の場合、新しい人が入ってくる度に一から仕事を教えなくてはいけず、業務も非効率的になってしまう可能性が高いです。

介護施設長になるメリットとは?

介護施設長になるメリットは、以下の3つです。

  1. 給料が上がる
  2. 経営に近い部分を経験できる
  3. 転職しやすくなる

給料が上がる

介護施設長になるメリットの一つに給料が上がることが挙げられます。

介護施設長になると管理職になるので手当なども付き年収500万円以上を目指すことも十分可能です。

一方で、介護施設長になると上層部から評価の基準も明確になりやすく、任されている施設の経営がうまくいってるかいってないかで判断されることになります。

そのため、結果を求められるのは事実ですが、年収が上がると言うのは魅力でしょう。

経営に近い部分を経験できる

介護施設長になるメリットの一つに経営に近い部分の経験を積めることが挙げられます。

介護施設長になることで、施設単位ではありますが経営に近い部分で業務を行うことができ、経験を積むことが可能です。

そのため、経営者になりたいと思っている人や将来的には介護施設を設立したいと思っている人には、介護施設長としての経験は役に立つと言えるでしょう。

転職しやすくなる

介護施設長になるメリットの一つに転職しやすくなることが挙げられます。

介護施設長として管理職の経験を積むことができれば、その経験をもとに転職できる可能性があります。

介護施設の中には介護施設長を外部から登用している施設もあり、有料老人ホームなど介護施設長になるための資格要件がない場合は、外部から介護施設長として登用される可能性もあります。

このような背景もあり介護施設長から介護施設長に転職しやすくなるのも介護施設長として勤務する大きな魅力でしょう。

特に、介護施設長として求人募集している場合、過去に介護施設長の経験がある人を対象にしていることがほとんどです。

そのため、介護施設長としての経験があれば、その経験をもとに転職活動を進めることができるのでより有利に進めやすく、かつ転職する難易度も下がると言えます。

転職の際には介護施設から介護施設に転職するだけではなく、一般企業に転職する際であっても管理職として介護施設長をやっていた経験があれば、その経験を評価される可能性は高いです。

介護施設長になっても年収が上がらないと言われる理由とは?

介護施設長になっても年収が上がらないと言われる理由の一つに残業代が支払われなくなることが挙げられます。

介護施設長になると管理職という役割になり残業代の支給対象から外れることがほとんどです。

そのため、所定労働時間以上の残業をしても残業代として支給されることはありません。

もちろん、残業がない場合、介護施設長になることで年収が大幅にアップすることは見込めます。

しかし、残業が頻発しており、常に人材が不足している施設の場合、介護施設長になっても年収が上がらない可能性が高く、むしろ残業をしても残業代の支給がないので時間当たりの単価は非管理職の時の方が高い場合もあります。

介護施設長に向いている人とは?

介護施設長に向いている人は、以下のような人です。

  • 現場のことを理解している人
  • 決断力がある人
  • 気分で仕事をしない人

現場のことを理解している人

介護施設長に向いてる人の特徴に現場のことを理解してる人が挙げられます。

介護施設長になる場合、現場のことを理解していないと現場からの反発でうまく業務を回せない可能性もあります。

特に、外部から登用された介護施設長の場合、介護のことを全く知らないで介護施設長として介護職員に対して指示をしてしまうこともあり、その結果信用されにくくなってしまうことも多いです。

そして、介護施設長の現場への理解不足がきっかけになり多くの社員が離職してしまうという可能性も十分にあり得ます。

決断力がある人

介護施設長に向いている人の特徴の一つに決断力がある人が挙げられます。

介護施設長になると責任者として判断が求められる場面が多々あります。

その際に判断することができないと、介護施設長には向いていないと言えるでしょう。

また、判断力が乏しい場合、介護施設長として職員から支持を得られない可能性も高いです。

気分で仕事をしない人

介護施設長に向いてる人の特徴に、気分で仕事をせず感情のコントロールが上手い人が挙げられます。

介護施設長として働く際に、感情のコントロールが下手で不機嫌な様子が職員に対しても向けられてしまうと、職員たちは介護施設長の姿勢に対して不信感を持ってしまう可能性が高いです。

そのため、気分で仕事をせず常に自分の感情をコントロールしながら、仕事に向き合える人の方が介護施設長には向いていると言えるでしょう。 

まとめ

介護施設長の年収は、500万円以上のことが多く、経営に近い部分の経験を積めるのは大きな魅力と言えるでしょう。

また、介護施設長は外部から登用されることも多いので、介護施設長になりたい場合は人材紹介会社や人材派遣会社を利用するといいです。