准看護師で年収600万円を達成したい人に向けて、この記事では准看護師で年収600万円は可能なのかについて紹介します。
それでは、見ていきましょう。
准看護師で年収600万円は厳しい
結論から言うと准看護師として年収600万円を稼ぐのは難しいと言えるでしょう。
というのも、准看護師の場合、看護師と比較してできることが少ないだけではなく、給料体系としても抑えられていることが多いからです。
実際日本看護師協会によると准看護師の業務内容は以下のように定義づけられています。
1)医師、歯科医師、又は看護師の指示のもとに、療養上の世話や診療の補助を、対象者の安楽を配慮し安全に実施することができる能力を養う 2)疾病をもった人々と家族の様々な考え方や人権を尊重し、倫理に基づいた看護が実践できる基礎的能力を養う |
一方で看護師の業務内容は以下のように定義づけられています。
1)人間を身体的・精神的・社会的に統合された存在として幅広く理解し、看護師としての人間関係を形成する能力を養う 2)看護師としての責務を自覚し、倫理に基づいた看護を実践する基礎的能力を養う 3)科学的根拠に基づき、看護を計画的に実践する基礎的能力を養う 4)健康の保持・増進、疾病の予防及び健康の回復にかかわる看護を、健康の状態やその変化に応じて実践する基礎的能力を養う 5)保健・医療・福祉システムにおける自らの役割及び多職種の役割を理解し、多職種と連携・協働する基礎的能力を養う 6)専門職業人として、最新知識・技術を自ら学び続ける基礎的能力を養う |
このように准看護師と看護師でできる業務に大きな違いがあり、かつ自主性を持って動けるかどうかという面で大きな違いがあります。
つまり、准看護師の場合、病院やクリニックとしてもできる業務が限られてしまうので大幅に年収を増やすのが難しいというのが現状にあります。
また、出世に関しても准看護師は看護師よりも出世できない可能性が高く、資格を持っていないというだけで勤続年数の若い看護師の方が先に出世をするということも多いです。
そのような背景からも准看護師として年収600万円を稼ぐのは難しいと言えるでしょう。
准看護師の給料が低い理由
准看護師の給料が低い理由は、以下の3つです。
- 正看護師と比較して資格取得難易度が低い
- できる行為が限定されている
- 管理職になれない
正看護師と比較して資格取得難易度が低い
准看護師の給料が低い理由の一つに、看護師と比較して資格取得難易度が低いことが挙げられます。
准看護師の場合、学歴要件としても中卒で取得することが可能です。
そのため学歴要件としても低く抑えられているのが特徴です。
准看護師として働くには、各都道府県で実施される試験に合格して准看護師免許を取得しなくてはなりません。
そして、准看護師試験を受験するには中学校卒業の場合は、准看護師養成所で2年または高校の衛生看護科で3年の課程を修了する必要があります。
高校卒業の場合は、准看護師養成所で2年の課程を修了することが必要です。
一方で正看護師になるには、大学または3年以上の教育を受けて、看護師国家試験に合格する必要があります。
看護師には人間を幅広く理解する能力や根拠に基づき計画的に看護を実践する能力、他職種と連携・協働していく能力などが求められるため、免許を取得する前の教育では、これらの能力を培うための教育が行われます。
このように、正看護師になる際には高校以上の卒業が求められるだけではなく、大学もしくはそれに準ずる機関で3年以上の教育を受けなくてはいけないという要件が厳しくなっているのが特徴です。
このように、正看護師と比較して准看護師は資格取得難易度が低いため、結果的に年収が低くなっているといえるでしょう。
できる行為が限定されている
准看護師の給与が低い理由の一つにできることが限られているということが挙げられます。
准看護師の場合、正看護師と比較してできる業務が限られています。
基本的に准看護師であっても正看護師であっても関わる業務は変わらないことが多いです。
一方で、できる業務については限られており、例えば准看護師の場合他の看護師に指示を出すことはできません。
また、自分の判断で看護業務を行うこともできません。
このように正看護師と准看護師では扱う範囲については変わりませんが、できる業務の範囲について大きく異なっているというのが大きな特徴でしょう。
そして、このようにできることが変わってくるので、結果的に正看護師と比較して給与を抑えなくてはいけないという背景もあります。
管理職になれない
准看護師の給料が低い理由の一つに管理職になれない事が挙げられます。
准看護師の場合、管理職になれないので給料をあげることができません。
一般的に管理職になることで手当がつくことが多く、給料が600万円を超えることも多くなります。
大きな病院の場合、管理職として看護師長などになれば年収1,000万円を超えることも十分可能です。
その点、准看護師の場合は勤続年数が長くても管理職になれる可能性はゼロに等しく、看護師として管理職になれる可能性はありません。
このような背景から管理職になれないというところで給料が上がりにくいと言えるでしょう。
准看護師の求人例とは?
求人例①:相和病院
概要
病棟での看護師業務全般をご担当して頂きます。 ・全床電動ベッド ・看護介護分業 【対象の入院患者層】 ・脳血管障害・呼吸器障害・意識障害・神経難病・心筋梗塞後・慢性呼吸不全などで人工呼吸器を装着し長期人工呼吸管理が必要な方 ・入院による人工透析が必要な方 ・IVHやポートなどを留置している方 ・胃ろう・腸ろうなどの管理を必要とされる方 【人工透析について】 人工透析室にはコンソールを10台設置しており、セントラル式と個人用各5台ずつ保有しています。 専用TVも設置し、リラックスして透析が受けられるよう配慮しています。 【病棟ごとの病床数】 各病棟:55床~58床 【体制】 日勤:看護師5名~6名・介護士5名~6名 夜勤:看護師2名・介護士2名 |
待遇
- 年収:415万円〜
- 月給:29万円〜
- 年間休日:112日
- 4週8休制
- 年末年始休暇
- 慶弔休暇
- 有給休暇
- 育児休暇
- 産前産後休暇
- 昇給:年1回
- 賞与:年2回 / 4ヶ月
- 住宅助成手当:5,000円
- 住宅手当:7,000円
- 夜勤手当:20,750円/回
- 年末年始出勤の場合は10,000円程度追加支給有
- 業務手当:38,950円
- 特殊看護手当:25,000円
- 皆勤手当:10,000円
- 看護手当:13,950円
- 通勤手当:全額支給(車通勤の場合、通勤距離に応じてガソリン代全額支給)
- 車通勤可(駐車場あり)
- 駐車場利用料:2,200円/月
- 食堂(170円/食、夜勤時は無料提供)
- 白衣貸与(5枚/人)、クリーニングは病院負担
- 定年60歳
- 退職金制度あり
- 再雇用制度あり
- 厚生年金
- 雇用保険
- 健康保険
- 労災保険
求人例②:心臓画像クリニック飯田橋
概要
◆心臓ドック・動脈硬化ドック・脳ドック・造影のCT・造影MRIにおける看護師業務を担当して頂きます。 ※大井町院との兼務になります 患者数:約30~35名前後/日 CT:20~25件前後/日 MRI:10件前後/日 ※検査結果によっては、そのまま救急搬送することもございます(2ヶ月に1回程度です) |
待遇
- 年収:350万円〜
- 年間休日:118日
- 水曜(シフトで勤務する可能性あり)、日祝休み(稀に、祝日出勤の可能性あり)
- 週休2日
- 夏季休暇3日
- 年末年始5日
- 賞与:年2回 / 2ヶ月(賞与査定期間月給×14ヶ月分)
- 福利厚生
- 制服貸与
- 社会保険
- 労災保険
- 雇用保険
- 厚生年金
- 健康保険
准看護師でも年収600万円を目指せる職場とは?
准看護師でも年収600万円を目指せる職場は、以下のような職場です。
- 脱毛クリニック
- 都心の小規模クリニック
- 看護師向けサービスを展開する事業会社
脱毛クリニック
准看護師でも年収600万円を目指せる職場のひとつに脱毛クリニックが挙げられます。
脱毛クリニックは看護業務を行わず基本的にお客様に対して脱毛の施術を行うことになります。
そのような背景から准看護師であっても勤務できることが多く、募集要項としても正看護師もしくは准看護師と記載されていることが多いです。
脱毛クリニックの場合、年収相場が高いことでも知られており未経験で転職した方であっても、初年度から年収500万円をもらえることもあります。
このように脱毛クリニックは待遇が良いので、結果的に准看護師であっても年収600万円を目指すことは十分可能です。
都心の小規模クリニック
准看護師でも年収600万円を目指せる職場のひとつに、都心の小規模クリニックが挙げられます。
都心の小規模クリニックの場合、資金力のあるクリニックであれば必然的にそこで勤務している看護師の年収も高くなる傾向にあります。
特に、都心の小規模クリニックの場合、条件にもよりますが利益を上げるクリニックが多く、もちろん淘汰されてしまうクリニックもありますが、ある程度長い年数を継続できているクリニックであればそれなりに資金力があり、かつ集客力もあることが想定されます。
このような背景から年収が高くなっているとも想定できるでしょう。
看護師向けサービスを展開する事業会社
准看護師でも年収600万円を目指せる職場のひとつに、看護師向けサービスを展開する事業会社が挙げられます。
看護師向けサービスを展開する事業会社の中には、転職サイトを運営する会社や看護師向けのSaaS事業を展開する会社などが挙げられます。
このような会社の場合、もちろんエンジニアやバックオフィス系の職種など一般企業でも必要な職種の人もいますが、看護師のように看護師の実情や事情を詳しく知っている人が求められることもあります。
この場合、正看護師であるか准看護師であるかという部分については問われることが少なく、基本的には看護師としての業務を知っていれば採用される可能性は十分にあります。
そのため、看護師向けサービスを展開する事業会社で働くことで年収600万円を目指すことも可能です。
まとめ
准看護師で年収600万円を目指すのは難しいですが、准看護師として勤務経験をもとに転職をすることで年収600万円を超える可能性はあります。