電気通信主任技術者試験の過去問について解説!概要や対策、勉強方法を紹介します。
電気通信主任技術者試験で合格するためには、過去問を活用した対策と勉強が欠かせません。
どの資格にしても、過去問にはその資格で合格するための全てのエッセンスが詰まっています。
過去問で出た問題に似た形式の問題が、次の試験で出題される可能性が高いので、過去問を完全に把握すれば試験で合格できるということになります。
そこで、今回の記事では、電気通信主任技術者試験の過去問の概要や対策、過去問を使った勉強方法を紹介します。
電気通信主任技術者試験で合格する上で参考になる知識を掲載しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
電気通信主任技術者とは?
電気通信主任技術者は、電気通信ネットワークの工事・維持や運用を行う監督責任者のこと
電気通信ネットワークの工事や維持および運用を行うときには、必ず一人はそれを監督する人を任命する必要がある、という法律があります。
そのため各地の電気通信事業者は、設備の設置の区域が同一市区町村で利用者が3万人未満の場合を除き、電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた者のうちから選任しなければならない、ということになっています。
電気通信主任技術者は兼任や外部委託も認められているため、今就いている仕事に関わらず、資格を持っているだけで新しい仕事を引き受けることができます。
電気通信主任技術者には2種類の資格者証がある
一口に電気通信ネットワークといっても、その事業内容は様々です。
そのため、電気通信主任技術者資格者証の種類は、事業のネットワークを構成する設備に着目して区分されています。
具体的には、以下の2種類があります。
それぞれ別々の試験が実施されるので、専門にしたい分野に絞って対策を進めるとよいでしょう。
1. 伝送交換主任技術者資格者証
電気通信事業のために用いられる伝送交換設備や、それに付随する設備の工事・維持及び運用の監督をするための資格です。
2. 線路主任技術者資格者証
電気通信事業のために用いられる線路設備や、それに付随する設備の工事・維持及び運用の監督をするための資格です。
電気通信主任技術者試験の概要は?過去問の要点は?
電気通信主任技術者試験の概要は?
電気通信主任技術者試験は、監督したい電気通信設備の種類などによって「伝送交換主任技術者試験」と「線路主任技術者試験」の2種類に区分され、科目数はどちらも4科目です。
4科目のうち、「法規」と「伝送交換設備及び設備管理」と「電気通信システム」の3つは、どちらの区分でも共通する科目になります。
「専門的能力」の分野が唯一試験内容が異なる科目となります。
「伝送交換主任技術者試験」では、伝送・無線・交換・データ通信・通信電力のうちからいずれか1つの分野を選択して受験します。
「線路主任技術者試験」では、通信線路・通信土木・水底線路からいずれか1つの分野を選択します。
電気通信主任技術者試験の過去問で知っておくべきこと
1.マークシート形式
電気通信主任技術者試験はマークシート形式で行われます。そのへんは電験三種や基本情報技術者試験などと同じです。
2.各分野ごとに問題数と点数が設定されている
電気通信主任技術者試験では、各分野ごとにセクションが分かれています。
具体的には
- 法規 30問
- 伝送 40問
- 電気通信 20問
- 専門分野 40問
という割合になっています。
また、点数も各分野ごとに出力されます。
それぞれ100点満点で、合格するためには全ての分野で60点以上を取る必要があります。
3. 一部、問題が免除される場合もある
全ての人が、4つあるセクションの問題全部に取り組む必要があるわけではありません。
電気通信系の大学を出ていたり、関連する実務経験があったりした場合、試験科目の一部が免除されるケースもあります。
その場合、受験料の一部が安くなる恩恵もあります。
また、過去に電気通信主任技術者試験に合格している場合にも、免除の申請を行うことができます。
詳しくは電気通信主任技術者試験のホームページをご覧ください。
電気通信主任技術者試験の過去問での対策方法とは?
弱点をなくして、まんべんなく得点できるようにすることを最優先
電気通信主任技術者試験は試験の性質上、法規・伝送・通信・専門の全ての分野で、まんべんなく得点できる能力を身に着ける必要があります。
これが他の試験と異なっているので、注意して対策を進める必要があります。
例えばTOEICという英語試験では、リスニングとリーディングのセクションがありますが、スコアとして算出されるのは合計のスコアのみです。
つまり、リスニング400点・リーディング100点の人と、リスニング250点・リーディング250点の人は、同じ500点というスコアになるんです。
なので、TOEICでは苦手分野を放置していても、どちらかが得意であればある程度の得点が出る、という性質を持ちます。
しかし電気通信主任技術者試験の場合は話が違います。
合格する方法は「全ての分野で60点以上を獲得する」ということだけです。
要するに、法規100点・伝送100点・通信100点を取っていても、専門で55点しか取れなかったのであれば不合格になる、というわけです。
しかし、法規60点・伝送60点・通信60点しかなくても、専門で60点なら合格です。
合計点では圧倒的に前者が上回っているのに、苦手な分野を放置したせいで試験に失敗してしまったのです。
このように、電気通信主任技術者試験では得意分野を伸ばすことに全く意味はなく、注力すべきは「55点以下しかとれない苦手分野をなくす」ということだけです。
出題傾向をつかみ、頻出パターンから覚えていく
資格勉強をするときには、大体大学に通いながらとか、仕事を続けながらとか、あまり時間が取れない中で勉強に取り組むことになります。
そこで、重要な要素として、「勉強の効率」というものを考える必要があります。
具体的には、「出題数の多いパターン・ジャンルの問題や知識から学習し、めったに出ないものは後回しにする」というアプローチが効果的です。
例えば過去10年分で9回出題されているパターンAの問題と、1回しか出題されていないパターンBの問題があったとしましょう。
どちらも勉強にかかる時間は同じだとしたとき、どちらから対策を開始するのが効果的でしょうか。
受験する電気通信主任技術者試験に、パターンAの問題が出題される確率は90%もあるのに対して、パターンBは10%しかありません。
よって、パターンAの問題から勉強していくのがセオリーとなります。
これらは極端な例ですが、どの分野でもこういったジャンルにおける出題傾向の違いは存在します。
ですので、まずは頻出パターンから対策し、ある程度の点数を取れるようになってきた段階でマイナーなパターンの対策をするようにしましょう。
電気通信主任技術者試験の過去問の勉強方法は?
電気通信の経験者は、一度過去問に取り組んでみよう
電気通信主任技術者試験の内容は、電気通信系の仕事を経験したことがあれば知っているようなことが多いです。
特に伝送や通信の部分は、エンジニアであればすでに大学で勉強したことがあったり研修で習った内容である可能性があります。
そこで、電気通信系の経験者はまず一度自分の実力を知るために、一年分でいいので過去問にチャレンジしてみましょう。
もし「特に勉強しなくても合格点には到達しそうだ」となれば、勉強する手間も省けます。
さらに経験者であれば自分の弱点が分かりやすいです。
全くの初心者と比較してある程度の下地があるので、その上に知識を積み重ねていきやすい状態にあります。
「この部分はあまり仕事で使ったことがないから、勉強する必要がありそうだ」
「でもあの部分は詳しいからわざわざ勉強するほどでもないかな」
という風に、方針をすぐに立てることも可能です。
こういった理由から、電気通信系の大学を出た人・電気通信の仕事の経験者は、一度過去問に取り組み、自分の実力と弱点の把握から始めることで、大幅に勉強を楽にすることができます。
電気通信に全く詳しくない人は、まずは参考書で勉強しよう
さて、電気通信系の経験者とは対照的に、電気通信に関する知識が全くない人はどう勉強すればいいでしょうか。
先ほどのような「いきなり過去問にチャレンジする」のは、人によってはアリなのですが、おススメできる方法ではありません。
なぜなら、知識がほとんどない状態で試験に取り組んでも意味がないからです。
こういった専門的な資格試験では、素人が初見で合格点を取ることはできず、ほとんどの問題の意味すら理解できないで終わります。
点数が取れなくて当たり前なのに、
「全くできなかったから、自分には才能がないんだ」
という風に自信を失ってしまうケースもあり、こうなれば勉強のモチベーションは枯れてしまいます。
初心者の人がまず初めにやるべきことは、参考書で知識を幅広く吸収していくことです。
初めは浅く広く学習する方針が良いです。
最初から細かいことも覚えようとしても、以下のデメリットによってモチベーションに悪影響が出ます。
・初めに細かいことまで覚えてもすぐに忘れてしまうので、学習の定着を実感しづらい
・なかなか次のジャンルに進むことができず、いつ勉強が終わるのか先が見えづらくなる
逆に、浅く広く勉強することは以下のメリットが生まれ、勉強をどんどん促進してくれます。
・一日当たりの勉強量が少ないので、継続するハードルが低い
・どんどん先のステップに進むことができるので、学習の進度を実感できる
・とりあえず勉強した実績を得ることができるので、達成感を味わえる
したがって、初心者の人はまず難易度の低い浅く広い参考書を買って学習するようにしましょう。
詳しい知識まで網羅した参考書を勉強するのは、その次のステップでも十分間に合います。
弱点が見えてきたら、そこを重点的に対策する
さて、参考書を一通り勉強したら、次のような課題が発見できると思います。
・分野Aは比較的すぐ頭に入ってきたけど、分野Bは暗記中心でなかなか覚えられない
・今の参考書では内容が理解しづらいジャンルがある
こういったことを感じる分野・ジャンルは全てあなたの弱点です。
全ての分野で60%が必要となる電気通信技術者試験では、弱点をいち早くつぶすような勉強方法を取らなければなりません。
そこでオススメなのが、「弱点の分野に特化した参考書・学習サイトで徹底的に分からないことを解決する」というアプローチです。
この方法はかなり体力と精神力が必要ですが、かけた努力は裏切りません。
自分の弱点と向き合って初めて合格を手にすることができます。
まとめ
電気通信主任技術者試験は、数ある資格試験の中でもかなり専門的で、ある程度の勉強無しでは合格することは難しいです。
今回紹介した対策の方針や勉強方法を参考にしていただき、過去問や公式サイトの情報もチェックして効率的に学習を進めるようにしてください。
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