法務技官看護師として勤務したい人に向けて、この記事では法務技官看護師の求人ややりがい、法務技官看護師が向いている人を紹介します。
それでは、見ていきましょう。
法務技官看護師とは？
法務技官看護師とは、刑務所で勤務する看護師のことを指しており、勤務場所は一般刑務所と医療刑務所の2つです。
一般刑務所は、全国各地にある一般の刑務所のことで以下の業務が発生します。
- 受刑者の看護業務
- 体調不良者の処置
- ケガの一次対処
- 受刑者の健康管理
医療刑務所は、日本全国に全国に八王子医療刑務所（東京都八王子市）、岡崎医療刑務所（愛知県岡崎市）、大阪医療刑務所（大阪府堺(さかい)市）、北九州医療刑務所（福岡県北九州市の4箇所設置されている刑務所のことです。
医療刑務所は、一般刑務所では対処できない病気・怪我を負っている受刑者に対して高度な医療行為を提供する施設です。
医療刑務所の法務技官看護師の業務には、以下のものが挙げられます。
- 医師の補助
- 受刑者のケア・看護
- 採血、点滴、人工透析
- 受刑者の健康管理
また、一般刑務所で勤務する法務技官看護師の場合は深夜勤務が発生することはありませんが、医療刑務所で勤務する法務技官看護師の場合は深夜勤務が発生します。
そのため、医療刑務所は一般的な病院での勤務形態に近いのが特徴です。
法務技官看護師の求人例
金沢刑務所医務課診療所における、被収容者に対する看護事務全般及びその他事務処理等。
看護業務には原則刑務官の付き添いがあります。
- 職種：看護師
- 雇用形態：パート労働者
- 年齢制限：不問
- 学歴：不問
- 必須資格：看護師
- 必要な経験：看護師長経験者又は同等の経験者
- 雇用期間：雇用期間の定めあり（4ヶ月以上）
- 契約更新の可能性：あり
- 社員登用の有無：なし
- 転勤等 転勤の可能性：なし
- 給与：時給2,000円〜2,000円
- 通勤手当：31,600円
- 昇給：なし
- 賞与：あり
- 加入保険：雇用保険，公務災害補償，健康保険，厚生年金
- 退職金共済：未加入
- 退職金制度：なし
- 利用可能託児施設：なし
- 看護寮等：なし
- 職務給：なし
- マイカー通勤：可
- 駐車場の有無：あり
- 勤務時間：8時30分〜17時00分
- 休憩時間：60分
- 残業等 時間外労働時間（月平均）：10時間
- 週休二日制：毎週
- 育児休業取得実績：あり
- 介護休業取得実績：なし
- 看護休暇取得実績：なし
- 定年制：なし
- 再雇用制度：なし
- 勤務延長：なし
法務技官看護師として勤務するメリット
法務技官看護師として勤務するメリットは、以下の3つです。
- 収入が安定しやすい
- 夜勤が発生しにくい
- さまざまな業務を経験できる
収入が安定しやすい
法務技官看護師の特徴の一つに、収入が安定しやすいことが挙げられます。
法務技官看護師の場合、公務員としての扱いになるので公務員としての給料を受け取ることができます。
公務員の場合、ある程度給与が公開されていることから収入が安定しやすいだけではなく、将来の収入も見通しやすいのが大きな特徴です。
20代の場合は400万円前後、30代の場合は500万円前後が収入の目安と言えるでしょう。
そのため収入が安定しやすく、将来の収入も推測しやすいのは法務技官看護師として働くメリットのひとつです。
夜勤が発生しにくい
法務技官看護師の特徴の一つに、夜勤が発生しないということが挙げられます。
法務技官看護師の場合、一般刑務所で看護師として勤務する場合は夜勤が発生しません。
一般刑務所の場合は、医務室での勤務となり夜勤がそもそもスケジュールに組み込まれていないためです。
一方で、医療刑務所での勤務になれば夜勤が発生することもあります。
さまざまな業務を経験できる
法務技官看護師の特徴の一つに、様々な業務を経験できることが挙げられます。
一般病棟の場合は患者様の入院対応や緊急処置などを行うことがありますが、それだけではなく法務技官看護師として勤務する場合は矯正医療も行うことになります。
矯正医療とは、以下のものを指します 。
- 受刑者の体調管理
- 受刑者の各種検査
- 感染管理
- 予防医療
このように、訪問看護師になることで一般病棟で経験できる看護業務だけではなく、矯正医療も経験できるというのは大きなメリットでしょう。
法務技官看護師として勤務するデメリット
法務技官看護師として勤務するデメリットは、以下の3つです。
- 都市部で勤務しにくい
- 公務員扱いになるため失業保険の受給ができない
- 扱う患者が特殊
都市部で勤務しにくい
法務技官看護師として勤務するデメリットの一つに、都市部で勤務しにくいことがあげられます。
法務技官看護師が勤務する場所は刑務所です。
そのため、都市部には刑務所が設置されていないこともあり、都市部で働きたいと思っている人にとっては、法務技官看護師として都市部で勤務できないのはデメリットに感じる人も多いでしょう。
公務員扱いになるため失業保険の受給ができない
法務技官看護師として勤務するデメリットの一つに、法務技官看護師は公務員扱いになるので失業保険を受給できないということが挙げられます。
公務員の場合は、失業保険を受給できません。
これは雇用保険法によって定められているためです。具体的には以下のように定められています。
| 具体的には次の者が退職手当等受給者として雇用保険が適用除外となる。 ａ. 国、特定独立行政法人又は日本郵政公社の事業に雇用される者（国家公務員退職手当法2条1項に規定する常時勤務に服することを要する国家公務員以外の者であって、同条2項の規定により職員とみなされないものを除く） ｂ. 都道府県等の事業に雇用される者であって、都道府県等の長が厚生労働大臣に適用除外の申請をし、厚生労働大臣の承認を受けた者 ｃ. 市町村等の事業に雇用される者であって、市町村等の長が都道府県労働局長に適用除外の申請をし、厚生労働大臣の定める基準によって、都道府県労働局長の承認を受けた者 国等の事業に雇用される者については、適用除外の申請手続きは不要である。 ｂ.ｃの承認の申請がなされた場合には、その承認の申請に係る被保険者については、その承認の申請がなされた日から適用除外となる。ただし、適用除外とすることについて承認をしない旨の決定があったときは、その承認の申請がなされた日にさかのぼって雇用保険法が適用される。（則4条2項） |
このように、法務技官看護師として勤務することで公務員扱いになるので、失業保険を受給できないというのは大きなデメリットです。
扱う患者が特殊
法務技官看護師として勤務するデメリットの一つに、扱う患者が特殊であるということが挙げられます。
法務技官看護師の場合、扱う患者は刑務所に収容されている受刑者です。
そのため、一般病棟の患者と比較すると特殊な患者として認識されることが多いでしょう。
また、法務技官看護師として受刑者と面会する際に一対一で会うことはなく、周りに刑務官がいる状態で会うことも特殊な患者であると言われる一因です。
一方で、患者に対して行う処置に関しては、一般の病院での患者に行うものと同様なので、看護業務においては特殊な部分は少ないと言えるでしょう。
法務技官看護師の求人に向いている人とは？
法務技官看護師の求人に向いている人は、以下のような人です。
- コミュニケーションが得意な人
- 特化した経験を身につけたい人
- 医療や看護自体に興味がある人
コミュニケーションが得意な人
法務技官看護師の求人に向いてる人の特徴の一つに、コミュニケーションが得意な人が挙げられます。
法務技官看護師は扱う患者が受刑者という特殊な患者になるので、コミュニケーションにおいては受刑者と看護師という関係性を忘れないように、一定の距離感を保った上でコミュニケーションをとることを求められます。
そのため、コミュニケーションが得意で、かつ人との距離感の取り方が上手い人のほうが法務技官看護師には向いていると言えるでしょう。
特化した経験を身につけたい人
法務技官看護師の求人に向いてる人の特徴の一つに、特化した経験を身につけたい人が挙げられます。
法務技官看護師としての経験を積むことができれば、一般病棟で経験できる看護業務だけではなくて、矯正医療の経験も積むことが可能です。
矯正医療の経験は一部の施設でしか身につけることができず、刑務所は矯正医療の経験を身につける上では最も適した場所です。
そのため、矯正医療の経験を身につけたいと思ってる人は、法務技官看護師の求人に応募するのがおすすめでしょう。
医療や看護自体に興味がある人
法務技官看護師の求人に向いてる人の特徴の一つに、医療や看護自体に興味がある人が挙げられます。
法務技官看護師として勤務する場所は刑務所になり、ある程度過酷な労働環境であることが想定されます。
また、一般の病院と比較すると給料相場も低く抑えられているのが特徴で、近年は脱毛クリニックなどで未経験者であっても最初から30万円〜40万円の給料を出すところもあります。
看護師資格を保有していれば最初から高い給与をもらえる施設もあることも考慮すると、法務技官看護師の給料は低く感じるでしょう。
このような背景から医療や看護自体に興味があり、給料ではなく自分の知識・経験として身につけたいと思っている人には法務技官看護師が向いていると言えます。
また、刑務所で受刑者と知り合うことでトラブルに巻き込まれる可能性がゼロとは言い切れません。
そのようなリスクも考えるとただ単に公務員として看護師として働きたいというだけではなく、医療や看護自体にそもそも興味があり、法務技官看護師として働きたいという熱い思いが必要になります。
まとめ
法務技官看護師は、公務員という立場になるので安定した生活を送ることが可能です。
ぜひ、法務技官看護師の常勤求人を探してみましょう。