弱電工事士の5つの仕事内容|弱電工事で役に立つ資格も合わせて解説

当記事では弱電工事士について説明しています。最近ではインターネットの利用が当たり前になっており、弱電工事士の需要は今後高まっていくでしょう。

私たちが日常生活を送る中で、インターネットの利用は当たり前になりました。そしてインターネットやテレビの配線などの環境構築は非常に大切で軽視できないものです。弱電工事士はこれらの工事を担当し、IT化の進む現代では必須の職業となっています。今後もインターネットを始めとした情報伝達技術は凄まじい勢いで発展し、弱電工事士は必要不可欠な存在となりうるでしょう。

当記事では、弱電工事士の基本的な仕事内容について説明しています。また弱電工事士には現場で有利になる資格が存在し、キャリアアップに役立つ資格もピックアップしました。最新の技術に興味のある方や、これから電気通信業界に関わってみたい方は、弱電工事士の仕事内容を理解し、資格の取得を検討されていただければと思います。

そもそも弱電工事とは?

電気工事の種類の1つで、情報や通信など信号を利用するための配線などを行う工事を弱電工事と言います。弱電工事に該当するものとしては、インターネット配線やテレビ配線などがあり、コンセント工事などと比べると難易度の高い工事となるため弱電工事士は、まだまだ不足しているのが現状です。

間違われやすい強電工事との違いについて

同じ電気工事の中でも取り扱う電圧の大きさによって弱電工事と強電工事に分けられます。一般的には弱電工事では48V未満の電圧を扱う工事と規定されており、強電工事では48V以上の電圧を扱います。さまざまな施設や建物では弱電工事や強電工事が入り混じっており、場合によっては両方の工事の知識が必要となることもあるので覚えておきましょう。

弱電工事士の5つの仕事内容を紹介

それでは、弱電工事に分類される工事を紹介していきます。主要な工事としては以下の5つが挙げられます。

・LAN工事・テレビ配線工事・防災設備工事・放送設備工事・携帯電話基地局工事

LAN工事

インターネットを建物の中で利用するために行う工事をLAN工事といいます。弱電工事の種類としては最も見かける工事で事務所の移転や入居の際に必ず行われている工事です。LANには2つの種類があり、「無線LAN」と「有線LAN」に分けられています。無線LANはLANケーブルを使用せずに電波を使って無線接続するという意味です。反対に有線LANではLANケーブルを使用してネットワーク接続することを意味します。電気通信業界では頻繁に耳にする言葉なので覚えておくと役に立つはずです。

テレビ配線工事

テレビのアンテナ受信した信号を送るケーブルの配線工事をテレビ配線工事と言います。部屋の中のテレビの位置に合わせて壁や天井に配線を通しテレビへ繋ぎます。弱電工事の中では、テレビ配線工事もよく見かけますね。

防災設備工事

防災設備工事では煙感知器や火災報知器などの建物に必要な設備を設置していきます。防災設備工事は、資格を保有していないと実施できない工事です

<h3>放送設備工事

建物内で、情報伝達やコミュニケーションのための放送設備に関する工事のことです。放送設備の種類には、一般業務放送設備、舞台・劇場などの音響設備、非常放送設備、緊急放送設備、AV機器設備、会議室放送設備などがあります。放送設備はたくさんの人に情報を伝えるための大事な役割があり、私たちの日常生活に欠かせないものとなっております。

携帯電話基地局工事

携帯端末やスマホなどのモバイル端末に効率よく電波を届けるための工事を指します。具体的には屋内や屋外への基地局建設、アンテナや無線設備の機器設置、電波不干渉地帯の解消・通信試験などがあります。

建物の屋上や鉄塔に立って作業することもあるため、高所での作業が苦手な人には向かない仕事です。

<h2>弱電工事に活用できる3つの資格について

弱電工事に活かせる資格には以下のようなものがあります。

・電気工事士・工事担任者・電気通信主任技術者

電気工事士

アパートやビル、マンション、一般住宅、公共施設及び商業施設、工場などの建物の中で電気を安全に使えるようにする工事をする資格です。この資格を所有することによって、配線工事や設備機器設置工事など建物内で電気を通すための作業が可能となります。電気関係の資格としては、最もメジャーな資格となっており受験者数も多いのが特徴です。電気工事士の資格には第1種電気工事士の2種類があります。強電工事に活かせる資格と思われている人も多いと思いますが、弱電工事でも活用されており、インターネット・弱電設備(インターホンやナースコール)・電話の設置や配線工事など幅広い分野で役に立ちます。

<h4>合格率をチェック

1次試験受験者数1次試験合格者数2次試験受験者数2次試験合格者数
第1種電気工事士37610人20350人23816人15410人
1次試験受験者数1次試験合格者数2次試験受験者数2次試験合格者数
第2種電気工事士122266人80625人100379人65520人

出典:一般財団法人日本データ通信協会

受験勉強のやり方

第2種電気工事士の受験勉強期間は目安として1〜3ヶ月程度かかるようです。社会人が受験する場合は忙しくなかなか勉強時間を作れませんが、実際に試験を受験した人の声を聞くと、通勤の電車の中や休日、仕事の休憩中のスキマ時間を利用してコツコツと勉強をしていた人が多いです。

電気工事士は受験資格に制限が設けられておらず、学歴・年齢・性別問わず誰でも受験可能な資格となります。「電気通信業界に興味があり、役に立つ資格を取得したい」「電気通信だけでなく、色々な場面で活用できる資格がほしい」と考えている人には電気工事士の資格取得することを強くオススメします。

工事担任者

インターネット回線、光回線、電話回線などの機器設置工事や配線工事ができるようになるのが工事担任者の資格です。インターネットをよく利用する方の中には、すぐに通信制限が掛かって困ってしまう人もいるかと思います。そこで通信制限の問題を解決するために、光回線に切り替えて大容量の通信を行ったり、LAN構築をしてインターネットが使えるようにするのが工事担任者の仕事内容です。

工事担任者の資格では、デジタル電話回線やアナログ電話回線にさまざまな端末設備を接続します。工事担任者はこれらの工事を指揮監督し、現場では「工担」や「担任者」など略称で呼ばれることも多いです。インターネット回線や電話回線のネットワーク関連の仕事に携わりたい人には、工事担任者の資格がオススメです。

工事担任者の資格内容

実は工事担任者の資格には7つの種類が存在します。「AI種」と「DD種」に分けられ、それぞれ第1種〜第3種まであり、総合種もあります。、資格のランクによって扱える回線数が変化する仕組みです。

種類受験者数合格率
AI第1種735人36.6%
AI第2種241人27.4%
AI第3種1736人47.4%
DD第1種1946人26.3%
DD第2種191人18.3%
DD第3種4125人41.9%
AI・DD総合種3503人26.5%

出典:電気通信国家試験センター 電気通信工事担任者試験統計情報

受験勉強のやり方

過去の受験者の勉強期間を調査すると、3〜6ヶ月という回答が多いようです。勉強方法としては、書店などで問題集や参考書などを購入し、過去問を繰り返し解いて出題パターンを掴むといった勉強をしている人が大半となっています。合格のコツは、やはり「勉強時間の確保」で試験日までに自分で工夫して勉強時間をいかに捻出できるかがポイントのようです。

電気通信業界の中で、特に工事担任者の資格はメジャーで耳にしたことがある人も多いと思います。しかし、焦って工事担任者の資格取得を目指すのは早計です。電気通信工事と言っても幅が広く、インターネット工事やテレビ工事、電話工事、防犯カメラ工事、放送設備工事などたくさんの種類があります。そもそも工事担任者の資格は、電気通信回線と端末設備などを接続するために必要な資格のため、通信系の工事全般で工事担任者の資格が活用できると考えていると、失敗してしまうかもしれません。

電気通信主任技術者

電気通信ネットワークの工事や維持、運用を監督する人のことを電気通信主任技術者と言います。事業用電気通信設備の自主的な維持のため、電気通信事業者は電気通信主任技術者を選任します。そして電気通信主任技術者は電気通信工事の維持管理及び運用を管理しなければなりません。電気通信主任技術者の資格に関しては2つの種類があり「伝送交換主任技術者」と「線路主任技術者」に分けられていることも覚えておきましょう。

・伝送交換主任技術者→伝送交換設備とは、ざっくり言うと線路設備以外のものという意味で、発電設備・無線設備・受電設備などがあります。伝送交換主任技術者は、これらの設備に関して工事・維持・運用などの業務を行います。
・線路主任技術者→電信柱に敷設されている電話回線や海底ケーブルなどを線路設備と言います。線路主任技術者はこれらの線路設備について工事・維持・運用の業務を行います。

電気通信主任技術者と工事担任者の違いについては、インターネットや電話など実際に利用する人のために工事を行うのが工事担任者の仕事内容です。そして電話会社やインターネット会社に必要な電気通信工事を維持・管理・運用する立場の人のことを電気通信主任技術者と覚えておくと理解しやすいかと思います。

合格率をチェック

種類受験者数合格率
伝送交換1914人24.8%
線路848人22.6%

受験勉強のやり方

電気通信主任技術者の試験勉強期間としては、およそ6ヶ月程度かかるようです。試験の内容は、出題範囲が広いため、なるべく勉強時間を確保してから受験に臨むといいでしょう。過去問などの問題集を中心に解いて、徐々に理解度をアップさせることが重要です。

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