はじめに
みなさんは、電気通信主任技術者という資格がどのようなものかご存知でしょうか?
今、ビジネス業界ではインターネットを始めとするさまざまなネットワーク設備がないと、事業そのものが成り立たない時代になっています。その設備の工事から運営管理までを監督することができる国家資格として注目されているものです。
しかし、この資格を取得するためには、難関だと言われる電気通信主任技術者試験にパスしなければなりません。そのためには計画的にスケジュールを立てて学習する必要があります。
そこで今回は、どのような参考書が効果的なのか、Amazonで売れている参考書も交えて解説していきましょう。
難度の高い電気通信主任技術者試験
冒頭でも触れたように、電気通信主任技術者試験は難度の高い試験と言われています。ネットワーク運用が必須と言われているビジネス業界では、電気通信業界における転職や再就職で非常に有利になる資格であるものの、そのためには合格率が低い試験に合格しなければなりません。
この試験は年2回実施されているのですが、実際に過去数年の合格率を見ると、年間平均20%〜30%程度の合格者しか出ていません。中には10%レベルという年も。そのために計画的な学習方法を進めていく必要があることを覚えておきましょう。
電気通信主任技術者で何ができる?
元々、電気通信主任技術者という資格は、NTTやソフトバンク・KDDIなどの通信事業者が通信サービスを利用者に提供するために必要な電気通信設備の総合的な管理をするために必要な資格と言ってもいいでしょう。
通信事業者が保有する電気通信設備は、総務省令で定められた技術基準適合レベルを保つために、自主的な工事・運営・維持運営を行うために電気通信主任技術者を選任する必要があるのです。
この資格には事業者用伝送交換設備や付帯設備の工事・維持・運用までの管理監督を行う伝送交換主任技術者、事業用線路設備と付帯関連設備の工事・維持・運用の管理監督を行う線路主任技術者資格者の2種類があります。
どちらかの資格を持つことで電気通信ネットワーク設備の工事・維持・運用に係る管理監督の業務に従事することができます。いわゆる電気通信設備の工事・運営・維持における責任者という役割ですね。
電気通信主任技術者を持っておくと転職に有利
しかし、電気通信主任技術者は、電気通信事業者向けの業務以外でも有効な資格。この資格を持っていると、通信業界でも転職が有利になっていくのです。
近年では一般家庭でもインターネット利用ニーズが高くなっていますが、ビジネス業界においてもクラウド化など付加価値の高いネットワーク化が必要不可欠になっています。そのため電気通信設備の工事の案件も増加の一途を辿っているものの、施工現場では施工管理監督の人材不足が慢性化。
このようなことを背景に電気通信主任技術者資格を持つ人材が、電気通信業界で優遇されているわけです。
しかも、転職に有利なだけでなく収入アップの可能性もあり、電気通信主任技術者の資格があると、それだけで資格手当も加算されて年収アップが期待できます。
<h2>令和3年からの変更になっている電気通信主任技術者試験科目</h2>
電気通信主任技術者になるためには、毎年2回実施される電気通信主任技術者試験に合格する必要があります。先ほども言ったように合格率が低いために計画的な学習法を進めていく必要があります。
この試験においてまず認識しておかなければならない点は、試験科目が変更になったこと。このことを理解しておかなければ、試験対策も大きく変わってくる可能性もあるからです。
4科目から3科目になった科目
では、科目がどのように変わったのでしょうか?令和3年から変更となっていますが、これまで4教科だったものが3教科になっているのです。
具体的な変更内容は下記の通りです。
変更前(~令和2年) | 変更後(令和3年~) |
1.電気通信システム | 1.電気通信システム |
2.専門的能力・線路主任技術者・伝送交換主任技術者 (伝送・無線・交換・通信電力・データ通信) (通信線路・通信土木・水底線路) | 2.設備 及び 設備管理・線路主任技術者 通信線路・通信土木・水底線路・線路設備管理・伝送交換主任技術者 伝送交換設備概要(伝送・無線・交換・通信電力・サーバー) 伝送交換設備管理 ソフトウエア管理(新規) |
3.設備 及び 設備管理 ・線路主任技術者 (線路設備の概要 及び設備管理) ・伝送交換主任技術者 (伝送交換設備の概要 及び 設備管理) | |
4. 法規 | 3. 法規 |
表の通り、令和2年までは「電気通信システム」「専門的能力」「設備 及び 設備管理」「法規」という4つの科目で試験が実施されていました。これが令和3年以降になると、「専門的能力」が廃された形になっています。
但し、科目がなくなったわけではなく、伝送交換主任技術者試験の一部が「伝送交換設備の概要」に、線路主任技術者の一部が「線路設備の概要」に包括されていったと受け止めるべきです。
そのためにこれから受験する人は、試験勉強として4科目分の対策を講じる必要があるのです。しかも、伝送交換主任技術者の「設備 及び 設備管理」においては「ソフトウエア管理」が新たに追加されているので、しっかりと計画を立てておく必要があると思ってください。
試験時間・問題数の変更
試験科目の変更に伴い、試験時間や問題数も変更になっています。令和3年以降の試験時間は、以下の通りです。
集合時間 | 試験時間 | 試験科目 |
9:45 | 10:00~12:30 | 線路設備/伝送交換設備 及び 設備管理 |
12:30~13:35 | 休憩 | - |
13:35 | 13:50~16:30 | 法規・電気通信システム |
上記の表を見ると、150分の時間となっていますが、これまでは1科目100分でした。そのために試験対策においては、変更後の時間配分も意識した勉強を進めていく必要があるでしょう。
また、出題される問題数も増えています。「専門的能力」が伝送交換主任技術者の「伝送交換設備の概要」、線路主任技術者の「線路設備の概要」に統合されているために「線路設備 及び 設備管理」の設問数が40問から60問に増加しています。
このことからも試験時間内に全問題を解答するために過去問題の内容を確認しながら、出題傾向を把握しておく必要があるのです。
変更後の試験対策
試験対策としては、伝送交換設備・線路設備の基礎的な知識を深めつつ、法規などの内容も正しく理解しておくことが重要。しかも新たに追加されている「サーバ設備」「ソフトウェア管理」に関する学習も進めて行かなければなりません。
このような科目の試験勉強としては、どのような方法を取るべきなのでしょうか?
合格には反復学習が基本
電気通信主任技術者試験の対策としては、基本的に過去問を何度も繰り返して解いていくことです。電気通信主任技術者の試験は難易度の高い試験のために、一定期間に集中的に勉強しても身につくものではありません。
非常にシンプルに思われるかもしれませんが、試験に合格するためには、参考書や問題集を活用して反復的に過去問学習を繰り返すことが、有効的な方法と思った方がいいでしょう。
参考書の反復的な流し読みで試験全体像を掴む
まず、この試験がどのような傾向で出題されているか、試験の全体像を掴む必要があります。そのためには、電気通信主任技術者の参考書を繰り返し目を通すようにしましょう。
但し、この段階では熟読する必要はありません。流し読み程度で結構です。出題範囲が広いため全体を俯瞰するような感じで読んでいってください。何度も繰り返し読み流していくことで、勉強量を増やしていくことがポイント。できれば試験前の半年前から実施することがおすすめです。
出題傾向を把握するために過去問を繰り返し解いていくこと
参考書の反復的な流し読みで徐々に広い範囲での知識を修得することができます。この繰り返し読みを継続しつつ、併行して過去問を解くようにしていくのです。
過去問を繰り返し解いていくことで、出題傾向も理解するようになってきますが、間違った箇所は参考書・問題集の解説欄で内容をしっかりと理解しておきましょう。
分からない点はWebサイトでカバー
過去問の反復練習を何度繰り返しても、過去問の解説欄で間違った理由をしっかりと理解することが難しい場合があります。
このような時は、ネットで公開されている電気通信主任技術者試験のWebサイトで疑問項目を調べてチェックしていくことが効果的です。特に公式・定義関係などは理解が難しい場合もあるので、ネットで不足している知識をカバーしてください。
Amazonで有効的な参考書を探す
前述の通り、電気通信主任技術者の試験対策は過去問の反復練習が効果的です。しかし、令和3年から始まった変更後の試験対策に対応した参考書・問題集はそんなに多くはありません。
では、どのようにして有効的な参考書を探せばいいのでしょうか?実際にはAmazonサイトで電気通信主任技術者試験の売れ筋ランキングを確認することができます。これを使って非常に有用な参考書・問題集を購入することがいいでしょう。
では、ここで効果の高いと思われる参考書をランキング形式で4点ご紹介いたしましょう。
1位:電気通信教科書 電気通信主任技術者 要点整理&過去問解説 伝送交換設備及び設備管理・法規編/著者:毛馬内 洋典・宮腰 伸一
本書は改定された試験科目に対応した最新の参考書です。この1冊でネットワークのIP化・ソフトウェア化・仮想化の進展・設備構成や通信障害などの知識まで修得することができます。
2位:電気通信主任技術者試験 これなら受かる 電気通信システム 改訂2版/オーム社
この参考書は電気通信主任技術者試験の科目の「電気通信システム」に特化した問題集改訂2版。出題範囲が広いために、出題された類似問題を繰り返し解いていくことで出題傾向を把握することができます。
過去6年間12回分の過去問を分野別に整理・分類して掲載されているので、効率よく学習することができます。
3位:電気通信主任技術者試験 これなら受かる 伝送交換設備及び設備管理 改訂2版/オーム社
本書は電気通信主任技術者試験の科目「伝送交換設備及び設備管理」を中心に受験対策の問題集が網羅された改訂2版です。
この問題集も過去6年間12回分の過去問題を掲載しており、出題分野に沿った分類となっているので、出題傾向を確認しながら効率よく学習することができるように設定されています。
4位:電気通信主任技術者試験 これなら受かる 法規(改訂3版)/オーム社
この参考書は電気通信主任技術者試験の科目「法規」向けの問題集。過去3年間6回分の過去問を出題分野に併せて整理分類されているので、どのような傾向で出題されているかをしっかりと確認することができます。
まとめ
ここまで電気通信主任技術者試験に合格するための学習法やAmazonから見た効果のある参考書を下記の観点で解説してきました。
・難度の高い電気通信主任技術者試験
・電気通信主任技術者で何ができる?
・令和3年からの変更になっている電気通信主任技術者試験科目
・変更後の試験対策
・Amazonで有効的な参考書を探す
令和3年から変更となった電気通信主任技術者試験の合格を手にするためには、学習効果の高い参考書・問題集を活用した計画的な勉強がポイントとなってきます。
ここでご紹介したことをご理解頂き、合格に目指して頑張ってください。
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