電気通信工事施工管理技士(1級・2級)の勉強方法を紹介します【受検の申込から合格発表まで】

電気通信工事施工管理技士は電気通信工事業の現場管理をおこなう国家資格です。

ここでは、資格取得のメリット、検定の申し込み方法と合格発表までの流れ、勉強方法や試験当日の注意点など合格に必要な情報を紹介します。

電気通信工事施工管理技士の資格取得メリット

◆資格取得のメリット

・電気通信工事現場の施工管理(現場監督)をおこなえます。

・建設業の許可を受けるために各営業所へ設置が必要な「専任技術者」になることができます。

・各工事現場に設置が必要な役職につくことができます。1級の場合は「監理技術者」2級の場合は「主任技術者」です。

・「経営事項審査」の技術職員数で高い評点を得る事ができます。1級では5点、2級では2点となります。

◆合格率

1級(カッコ内の単位:人)2級(カッコ内の単位:人)
実施年度一次二次一次二次
2021(※1‐3)58.6%(4730/8076)※330.1%(1852/6147)※187.4%(1747/1998)【前期※2】70.0%(2369/3385)【後期※1】35.0%(1420/4060)※1
2020(※4)49.1%(4190/8532)49.3%(3307/6707)63.9%(2332/3648)33.9%(1391/4101)
2019(※5)43.1%(5838/13538)49.5%(2860/5781)57.7%(4045/7015)57.1%(2007/4790)

参照元:

※1 報道発表資料:令和3年度管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定(1級・2級)「第一次検定(2級後期)」及び「第二次検定」合格者の発表 – 国土交通省

※2 令和3年度2級技術検定「第一次検定(前期)」※合格者の発表~初の2級技士補が誕生!

※3 報道発表資料:令和3年度 1級管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定「第一次検定」合格者の発表<br>~初の1級技士補が誕生!~ – 国土交通省

※4 令和2年度 管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定(1級・2級)合格者の発表 – 国土交通省

※5 令和元年度 電気通信工事・造園施工管理技術検定(1級・2級)合格者の発表~初の電気通信工事施工管理技士が誕生!

電気通信工事施工管理技士の受検資格

◆2級

・一次検定:受検しようとする年度中での年齢が17歳以上であること。

・二次検定:実務経験が必要です。学歴によって受験に必要な期間が異なります。

学歴気通信工事施工に関する実務経験年数※1
指定学科の卒業者※2指定学科以外の卒業者
大学・高等専門士卒業後1年以上卒業後1年6月以上
短期大学・専門士卒業後2年以上卒業後3年以上
高等学校・中等学校・専門学校卒業後3年以上卒業後4年6月以上
その他8年以上
電気通信事業法による電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた者1年以上

参照元:2級電気通信工事施工管理技術検定 | 一般財団法人全国建設研修センター

※1電気通信工事施工管理に関する実務経験として認められない主な工事種別・工事内容等

※2指定学科とは電気通信工学・電気工学・土木工学・都市工学・機械工学・建築工学に関する学科です。

詳細は下記の一般財団法人全国建設研修センターの指定学科についてのページをご参照ください。

・指定学科について | 一般財団法人全国建設研修センター

◆1級

・一次検定:下記の表を参照(注)実務経験年数のうち、1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていること。

・二次検定:1級一次検定の合格者(1級二次検定の受検資格の詳細は一般財団法人全国研修センターのHPをご参照ください)

学歴気通信工事施工に関する実務経験年数※1
指定学科の卒業者※2指定学科以外の卒業者
大学・高等専門士卒業後3年以上卒業後4年6月以上
短期大学・専門士卒業後5年以上卒業後7年6月以上
高等学校・中等学校・専門学校卒業後10年以上※3卒業後11年6月以上※3
その他15年以上
電気通信事業法による電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた者6年以上
2級の二次検定合格者

参照元:1級電気通信工事施工管理技術検定 | 一般財団法人全国建設研修センター

※1電気通信工事施工管理に関する実務経験として認められない主な工事種別・工事内容等

※2指定学科とは電気通信工学・電気工学・土木工学・都市工学・機械工学・建築工学に関する学科です。

詳細は下記の一般財団法人全国建設研修センターの指定学科についてのページをご参照ください。

指定学科について | 一般財団法人全国建設研修センター

※3実務経験内容によって2年期間を短縮できる場合があります。

電気通信工事施工管理技士の試験内容と合格基準

◆試験内容【一次検定 1級:90問、2級:65問(マークシート方式)】

【求められる知識と能力「1級:一般的な知識と応用能力」「2級:基礎的な知識と能力」】

◇電気通信工学電など

・電気通信工学、電気工学、土木工学、機械工学、建築学に関する知識

・電気通信設備に関する知識

・設計図書に関する知識

◇施工管理法

・施工計画の作成法、工程管理、品質管理、安全管理等。工事の施工管理に関する知識と能力

◇法規

・建築工事の施工に必要な法令に関する知識(建設業法、労働基準法、労働安全衛生法、道路法・道路交通法、河川法、電気通信事業法、有線電気通信法、電波法・放送法、その他関連法規など)

◆試験内容【二次検定  1級:6問、2級:5問(記述方式)】

◇施工管理法

・施工管理を的確におこなうために必要な知識

・設計図書の理解力

・施工図の作成能力

・機材の選定と配置能力

など。

◆試験時間

【1級】

・一次検定※:4時間30分(午前:2時間30分 午後:2時間)

・二次検定 :2時間45分

※一次検定は午後もあり、昼休みは1時間5分

【2級】

・一次検定:2時間10分

・二次検定:2時間

◆合格基準

◇1級

・一次検定:全体の得点が60%以上 かつ検定科目(施工管理法(応用能力))の得点が40%以上

・二次検定:得点が60%以上

◇2級

・一次検定、二次検定:得点が60%以上

電気通信工事施工管理技士の勉強方法

まずは過去問題集を確認して、分かりそうなところや興味のある問題を解いてみるのがおすすめです。問題を解いて、分からないところを調べる方式で、自分の得意分野と苦手分野を把握しましょう。得意分野を強化することは強みになります。問題を解いて気になったポイントがあれば問題集に書き込みしましょう。問題集の目につくところに書き込むことで、反復学習の際に考えを整理しやすくなります。

また、完璧を目指さない方が合格率を上げることができます。得意な問題を増やし、合格ラインの60%に到達するように調整します。過去問題を繰り返し解いて、この問題はもう大丈夫という自信をつけましょう。毎年出題される項目は重要ポイントです。問題に印をつけて反復学習の対象にしてください。テキストは重要度Aのものから順に覚えていくのがおすすめです。働きながらの勉強は限られた時間を効率的に使うことが重要です。テキストにはインデックスやふせんを貼ると、知りたいことが書いてあるページを開きやすくなります。


◆おすすめのテキストと問題集

◇テキスト

「プロが教える 電気通信工事施工管理 第一次検定」

https://onl.tw/ebgkhgz

重要ポイントを抜粋して、合格基準をクリアできるよう編集されたテキストです。各タイトルの重要度(A~C)の表示があり、実践問題は問題ごとに解説されています。

「プロが教える 電気通信工事施工管理 第二次検定」
https://onl.tw/HNMPV4F

上記の二次検定用のテキストです。解答例と高得点が取れるようアドバイスが掲載されている点がポイントです。

◇過去問題集

「1級・2級電気通信工事施工管理 第一次検定 問題解説集 2022年」

https://onl.tw/hFZGZKM

過去3年分(2019年~2021年)の一次検定出題全問題(解説付き)が集録されています。

二次検定の問題集は6月に発売予定です。

https://www.ias.or.jp/shuppan/shuppan.php?mode=detail&gkb=6&bid=B0158

受検当日の心得


◆試験前

・会場へは電車やバスなどでいきましょう。車やバイクでの来場が禁止されているためです。

・計算機能付きの時計や携帯電話の使用は禁止なので注意しましょう。

・1級一次検定は午後も試験があります。昼食は持参するのがおすすめです。会場周辺のお店は混雑が予想されますので、昼食を持参することで午後の試験に備えて集中できます。

◆受検中

・マークシートはHBの鉛筆かシャープペンでていねいに塗りつぶしましょう。

・間違えたときは、ていねいに消してください。消し残しは採点時にエラーとなり、不正解になる可能性があります。

・分からないときは、深呼吸してから問題を読み返しましょう。落ち着いてから読むことで、見落としに気が付く事ができます。

・一次検定はマークシート方式です。迷ったときは、問題文の矛盾を探しましょう。

・全て解答を終えたら見直しましょう。イージーミスをしないためです。間違えてとなりをチェックしていないか、回答欄を間違えていないか、空欄はないか、問題の読み間違い「適当なもの」「適当でないもの」「正しいもの」「誤っているもの」を反対にチェックしていないか。

・マークシート方式は問題用紙にも解答を書いておくと、見直しの時に便利です。

電気通信工事施工管理技士の受検申込方法

◆申込方法※(郵送申込・インターネット申込【再受験者のみ】)

※新規に受検する場合は、受検資格などの確認のために書面での申し込みが必要です。

◇申込についての説明ページ
1級:https://www.jctc.jp/exam/guide/dnt-1 2級:https://www.jctc.jp/exam/guide/dnt-2

◇申込用紙購入

書面申込には、申込用紙の購入が必要です。

【申込用紙代金】

・1級:「一次・二次検定」「一次検定のみ」「二次検定のみ」の3種類があります。一部600円です。

・2級:「第一次検定・第二次検定」「第一次検定のみ(前期)」「第一次検定のみ(後期)」「第二次検定のみ」の4種類があり1部600円です。

注)簡易書留郵便での郵送が必要です。

◆受検手数料

【1級】

・一次検定 13,000円 / 二次検定 13,000円

【2級】

・一次検定 6,500円 / 二次検定 6,500円

◆受付開始と試験日程

◇受付開始月(受付期間は2週間程度です。期間終了後は受付されませんのでご注意ください)

 

【1級】

・一次検定 毎年5月
・二次検定 毎年5月

【2級】

・一次検定(前期)毎年3月 

・一次検定(後期)毎年7月

・二次検定 毎年7月

◇試験日

【1級】

・一次検定:毎年9月

・二次検定:毎年12月

【2級】

・一次検定(前期):毎年6月

・一次検定(後期):毎年11月

・二次検定:毎年11月

◆受検会場

【1級】

・一次検定

札幌、仙台、東京、新潟、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本、那覇の12地区

(試験地については近郊都市も含みます。)

(金沢、熊本地区は当面の間の臨時開催地区)

・第二次検定

札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇の10地区

(試験地については近郊都市も含みます。)

【2級】

・第一次検定(前期)

札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇の10地区

・第一次検定・第二次検定、第一次検定(後期)、第二次検定

札幌、青森、仙台、東京、新潟、金沢、静岡、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇の14地区

(試験地については近郊都市も含みます。)

(静岡地区は当面の間の臨時開催地区)

◆合格発表

◇合格通知方法:郵送通知およびインターネット公表

合格者受験番号公表ページ:https://www.jctc.jp/

【1級】

・一次検定 約1カ月後

・二次検定 約3カ月後

【2級】

・一次検定(前期) 約1カ月後

・一次検定(後期) 約2カ月後

・二次検定 約3カ月後

まとめ

電気通信工事施工管理技士は建設業法で定められた電気通信工事現場に配置が必要な技術者になることができます。

合格率は50%程度ある資格試験です。過去問題を繰り返し解いて理解度を高めることで合格できます。

合格ラインは60%です。勉強方法と試験当日のポイントは下記のとおりです。

・完璧は目指さない。得意分野を増やすことで、合格ラインに届くように調整する。

・得意分野を反復学習して強化することで自信をつける。

・テキストと問題集には、気付いたことやポイントを直接書き込む。反復学習時に考えを整理するため。

・テキストと問題集にはインデックスとふせんを貼る。知りたいことが書いてあるページを最短で開け

るようにするため。

・試験当日、問題が分からないときは深呼吸して、心を落ち着かせてから再度問題を読む。

・全問解き終わったら、見直しをしてイージーミスを無くす。

電気通信工事施工管理技士の資格は令和元年に新設された新しい資格です。所持者の少ない資格を取得することで自身の価値を高めることができます。働きながらの勉強は決して楽なものではありませんが、乗り越えることで、これから何を始めるときにも背中を押してくれる自信になります。

このページは下記の資格試験の公式ページの情報を参照して2022年6月に執筆したものです。

受検資格や試験科目などの情報は随時更新される可能性があります。

【参照ページ】

1級電気通信工事施工管理技術検定 | 一般財団法人全国建設研修センター

2級電気通信工事施工管理技術検定 | 一般財団法人全国建設研修センター

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