医療機器の営業に転職したい!年収や仕事内容などについて解説します!

医療機器の市場は、日本国内だけでなく世界的にも拡大傾向にあります。

医療機器は安定した需要があり、景気などに左右されにくい安定した業界とも言えます。

また、医療機器は人間の生命にかかわる仕事で、現代医療には欠かせない存在です。

そのため社会貢献度も高く、「医療機器業界で働きたい」と考える人も少なくないでしょう。

今回は、そんな医療機器の営業職に転職を考えている人に、気になる年収や転職の難易度や仕事内容などについてわかりやすく紹介いたします。

ずばり!医療機器営業の年収は?

 医療機器の営業に転職を考えた時に、1番気になるのは年収ですよね。

dodaの2020年9月~2021年8月の1年間に調査した平均年収ランキングによると、医療機器メーカーの営業の平均年収は563万円でした。

男性は589万円、女性は458万円で、全体の平均年収が403万円であることから、医療機器メーカーの営業は男女ともに高収入な職種であることがわかります。

営業職の職種別年収ランキングでもMR、投信/投資顧問の営業に次ぐ第3位となり、営業職の中でも年収が高いことでも知られています。

【営業職 職種別平均年収ランキング】

1位 MR713万円
2位 投信/投資顧問566万円
3位 医療機器メーカー563万円
4位 医薬品メーカー558万円
5位 リース(金融)525万円

(doda 平均年収ランキング(165職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】より

医療機器営業の多くはインセンティブ制度があり、売れば売るほど給料やボーナスに反映されます。

求人広告に出ている年収が基本給のみなのか、インセンティブも含めた目安年収なのか、求人を見るときには注意しましょう。

より高い年収を目指すなら外資系の医療機器メーカーがおすすめ

また、より高い年収を目指すなら外資系の医療機器メーカーがおすすめです。

外資系はノルマも高く設定されていることが多くハードですが、年収は日本企業よりは高い傾向にあります。

世界の医療メーカー売上ランキングを見ても、外資系企業が上位を占めています。

特に治療系の医療機器は日本よりも海外の方が技術の発展が著しく、最先端の技術に触れることができるのも、外資系医療機器の大きな魅力です。

外資系企業の場合、本社との連絡やミーティングは英語で行われることが多いため、ビジネス英語ができる程度の英語力も必須です。

仕事で英語を使った経験や、TOEICも700点以上あるとよいでしょう。

医療機器営業の待遇や休みは?残業や休日出勤はどのくらい?

医療機器メーカーは基本的に土日が休みとなります。

しかし、学会や展示会、説明会などのイベントは土日祝日の休日に行われることが多く、そのための休日出勤が発生します。

また病院でのオペや土日や深夜も関係ありません。

緊急手術が入り、深夜や土日に呼び出されることもまれにあります。

残業については、以前は、医療機器メーカーの営業は残業が多いことで有名でした。

しかし働き方改革によって、残業も削減方向にあり直行直帰やフレックス制を取り入れる会社も増えてワークライフバランスが保たれるようになっています。

ただ、会社によっては残業が多いところもありますし、残業が少なくても医療機器はいろいろと知識が必要なので、個人的に勉強をしたり、セミナーなどを受講してスキルアップを図ったりしている人も多い業界です。

医療機器営業の仕事内容について

医療機器営業は、商品を売り込むセールス的な仕事と、医師に使い方などをレクチャーするアドバイザーやサポート的な仕事の2つに大きくわけることができます。

医療機器の提案、販売

病院や医療従事者などの医療機関に、自社の医療機器を販売することが大きな仕事です。

顧客が抱えている問題から適切な機器の導入を提案したり、新しい商品の紹介をおこないます。

価格の交渉もおこなわれます。

取り扱う商品は、メーカーによってさまざまですが、大きく3つに分類されています。

診断機器

その名前の通り、患者さんの診断に使われる医療機器です。
MRIやCTのような画像診断システムやレントゲンのようなX線関連の機器、内視鏡や超音波診断装置などがこの診断機器にあたります。
大型の診断機器は高額なものが多く、医療機関の予算や経営戦略とも大きく関わってきます。
そのため経営についてのアドバイスをおこなうこともあり、幅広い知識が必要になります。

治療機器

患者さんを治療するために使う医療機器で、カテーテルや心臓ペースメーカー、人工関節などが代表的な治療機器です。
治療系の医療機器は日本国内よりも海外の方が、技術が発展している傾向にあり輸入品を取り扱うケースも多くあります。

その他の機器

上記2種類に該当しない歯科用機器や眼科用品などはすべてその他の機器に含まれます。
また、注射針やガーゼ、ピンセットなどの消耗品や家庭用マッサージ器などの家庭治療機器もその他の機器に該当します。

令和2年の経済産業省による調査によると、医療機器市場(約2.9兆円)のうち、治療機器(カテーテル、ペースメーカー等)が59%、診断機器(内視鏡やCTなど)が20%、その他医療機器が21%を占めています。

治療機器の成長率は高く、市場規模も大きいですが、治療機器は輸入比率が高いのも特徴です。

経済産業省における医療・福祉機器産業政策について

販売した医療機器のサポートなどのアフターフォロー

製品の導入時には、正しい使い方のレクチャーや万が一トラブルがおこった時の対応も営業の大切な仕事です。

また、使っているうちに医師からアドバイスを求められたり、意見をうかがってよりよい商品開発に役立てたりすることもあります。

自社製品を使用した手術の立ち会い

治療機器の場合、導入時に正しい使用をサポートするために手術の現場に立ち会うことがあります。

そのため、手術が土日におこなわれることもあるため、その場合は休日出勤となります。

在庫の管理や納品

注射針などの消耗品を取り扱っている場合、在庫管理や補充も営業の仕事となります。

在庫管理や納品をおこなうことで、医療関係者と定期的に顔を合わせることができるため、商品の使用感や改善点など直接聞くことができるなどのメリットがあるからです。

医療機器の営業に転職するために必要なスキルは?

医療知識

医療機器を販売するのに商談をおこなう顧客は、医師や医療関係者です。

商談の上で病名や疾患、治療などの専門的な話が出た時に「知らない」では、医師や医療関係者から信頼を得ることができず、商談を成立させることができません。

また、医療機器の営業は、販売するだけでなく販売後のサポートも必要な仕事です。

そのため医療知識は必要不可欠です。

もちろん入社後に研修などがあり学ぶ機会は用意されていますが、医療機器の営業に転職する際に全く医療知識がない人は、採用される確率はかなり低くなるでしょう。

運転免許証

医療機器の営業、自分で納品をおこなうこともあるため、求人情報にも運転免許証を必須条件として挙げているところがほとんどです。

コミュニケーション能力

医療機器営業は、社内だけではなく営業先の医師とのチームワークが求められます。

機器の使い方や注意点を医療関係者にレクチャーしなければならず、時には勉強会や講習会で発表することもあります。

人に丁寧に説明できるプレゼンテーション力や信頼関係を築くための細やかな配慮など高いコミュニケーション能力が必要です。

営業経験未経験でも医療機器の営業に転職できる?

医療機器営業は、高い医療知識とコミュニケーション能力が求められます。

そのため、キャリア採用の求人では営業経験がある人、または医療関係の経歴がある人が優遇されています。

営業未経験、医療系未経験の場合、医療機器営業への転職はかなりハードルが高いといえます。

25歳前後であれば、第二新卒やポテンシャル採用などで未経験でも転職しやすいですが、30代を過ぎてから未経験での医療機器営業への転職はまず難しいといっても過言ではありません。

それでもチャレンジする場合には、これまでの接客経験など営業と通じるような共通点をアピールする、また医療知識をつける上で学んでいることなどを職務経歴書に記載するなどが必要です。

未経験者が医療機器営業に転職するには転職エージェントの利用がおすすめ

未経験から医療機器の営業に転職するためには、転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントでは、営業経験が未経験でも採用履歴のある企業などの情報があり、未経験でも採用されやすい企業を紹介してもらうことも可能です。

また、転職エージェントでは、転職に熟知したキャリアアドバイザーがつき、医療機器営業に有利な職務経歴書の書き方や面接などの指導もあるため、1人で転職活動をするより有利に進めることができます。

今後の医療機器業界の将来性は?

医療機器業界では、厚生労働省と経済産業省にて提案された「未来イノベーションWG」に向けて、2040年までに先端技術を利用した未来の医療福祉技術によって誰しもがよりよい医療を受けられるように技術開発が進んでいます。

例えば、内視鏡手術ロボットや、ITを使用した手術ナビゲーションや手術シミュレーションなど、ロボット技術を医療に応用する研究が進められています。

また、画像診断技術の向上による早期診断やウェアラブル端末を使ったオンライン医療などにより、自宅でも十分な医療が受けられるようになったりと、今まででは考えられなかったような最先端の技術が、医療機器業界でも広がることが見込まれます。

今後の医療現場では、最新のIT技術を駆使した医療機器業界がけん引する存在となり、さらに市場を拡大することが予想される将来性の高い仕事です。

最後に

医療機器営業について解説しました。

医療機器営業は、今後の医療発展を担う大切な仕事です。

医療現場との関わりも深く社会貢献度も高いため、大きなやりがいを感じられるでしょう。

ただ、医療機器はめまぐるしい技術の進歩があり、医療機器営業のベテランでも、休日は勉強会や学会に参加したり、日々勉強をしている人が多いです。

医療機器営業に転職した後も継続して真面目に努力を続けることが大切です。