ハローワークにはコールセンターの求人が多い?
コールセンターの求人は、ハローワークで多く紹介されているのでしょうか?
まずはハローワークの特徴を理解し、ハローワークで主に掲載されているコールセンター求人の特徴を、3つに分けて解説していきます。
ハローワークとは?
ハローワークは正式名称を「公共職業安定所(職安)」といい、厚生労働省の管轄で国が運営しています。
企業に対して求職者を紹介する橋渡し的な役割の他、求職者や失業者のセーフティーネットとして就職のあっせんなどの支援も行う機関です。
主な役割を挙げると、以下の通りとなります。
- 求人の紹介
- 職業相談
- 職業訓練に関する相談
- 失業給付や雇用保険の資格の変更など各種手続き
- 各種助成金の支給に関する相談や手続きなど(事業主が対象)
- 紹介状の発行
なお、ハローワークの利用には求職申込みの登録が必要であり、求人を探すには直接ハローワークを訪れる必要があります。
また、実際にハローワークに行かないと閲覧できない(いわゆる、他では非公開の)求人も存在するため、ぜひ見逃さないようにしましょう。
ハローワークに掲載されているコールセンター求人の3つの特徴
ここでは、ハローワークに掲載されているコールセンター求人の特徴を、大きく分けて3つ紹介します。
自分の希望するコールセンター求人の内容と照らし合わせながら、ぜひ慎重に確認してください。
地方の求人が多い
ハローワークでは地方でのコールセンター求人を多く掲載しています。
特にハローワーク内の「地方就職支援コーナー」では、U・I・Jターン希望者に対する職業相談や紹介にも対応しているので、地元に戻ってコールセンターの仕事をしたい人はぜひ活用すべきではないでしょう。
これら地方の求人は東京をはじめ都会のハローワークのほか、自宅のパソコンからも地方のコールセンター求人の検索は可能です。
ハローワークで求職の登録をしていれば、画面に求職番号を入力すると、制限無くサイトを見られます。
正社員の求人が多い
ハローワークには中小企業の正社員求人が多く紹介されています。
そのため、「企業の規模は大手じゃなくていい。その代わり正社員としてコールセンターで働きたい」という人にはおすすめです。
競争率が高い
特に地方のハローワークは、企業の地域がある程度限られており、求人数に対して応募数が圧倒的に多いこと多々あります。
そうなると当然ながら、競争率も高いです。
また、失業率が高くなると、反比例するように求人数は減ってきています。
ハローワークでの求職者に対してコールセンターへの求人募集が少ないことも、競争率が上がることにつながっているといえるでしょう。
ハローワークでコールセンター求人を探すメリット
コールセンター求人は、ネットやチラシでも多くの求人を見るかもしれません。
それでも、厚生労働省の管轄下にあるハローワークは信用度も高く、メリットも多いです。
ここでは、代表的な3つのメリットについて解説していきます。
ブラック企業が少ない
まず、「ブラック企業」の定義は人によって若干異なるのですが、ハローワークで紹介されるような求人は法律で定められた基準を下回る「ブラック企業だらけ」ということはないです。
また、運悪くブラック企業へ就職してしまっても、ハローワークの紹介であれば法的対処などによって責任ある対応をしてくれるところが強みになります。
ただハローワークは、企業が無料で求人を出せるというメリットがある分、ブラック企業かどうかを見極めるコツが必要です。
そのためにも求人票を見て、以下の項目をチェックしましょう。
【ブラック企業の可能性があるコールセンター求人】
- 年間の求人回数が多い(離職率が高い可能性あり)
- ハローワークの職員が「ブラック企業だ」と言う職場
- 各種保険などの福利厚生がしっかりしていない
- 年間休日が120日以下
ハローワークで紹介してもらう時に、面接を受ける前に一旦その企業について職員に聞くことは必ずしましょう。
ブラック企業であれば一度採用された人が多く離職し、またハローワークを訪れる時に窓口で色々不満や文句をこぼします。
そうなればたちまち悪い噂がハローワーク内に広がり、ブラック企業の可能性も教えてもらえることもあるからです。
誰でも利用できる
ハローワークは法律上、働ける年齢の人であれば誰でも利用できる機関です。失業者や現在働いている求職者だけでなく、現在は窓口も増えてさらに幅広い求人探しが可能になりました。
令和3年3月 厚生労働省が発表している「公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績」に記載されている一例と説明、令和元年の利用者数は以下の通りです。
【新卒応援ハローワーク】
- グループワークや集団面接などを通し、新卒の採用に特化した機関
- 大学院や大学、高専など各種学生で、卒業後に未就職の人が対象
- 令和元年の利用者数は約36.3万人
【わかものハローワーク】
- 正社員就職を目指す若年層のフリーターやニートが対象
- 担当制の個別支援となり、就職相談や正規雇用を目指す就職プランの作成のほか、各種セミナーなど有り
- 令和元年の利用者数は約20.2万人
【マザーズハローワーク・マザーズコーナー】
- 母子家庭の母・父子家庭の父を含む、子育て中の母親などが対象
- キッズコーナーなどを設けて子連れで来所しやすい環境を整えており、子育てと両立しやすい求人や保育園などの紹介等も行う
- 令和元年の利用者数は約20.7万人
【ふるさとハローワーク】
- 同施設の設置地域に居住している求職者が対象
- 市区町村の実施する住民サービスと提携し、職業相談や職業紹介などを行う
- 令和元年の利用者数は約16.0万人
地元の企業で働ける
限られた地域の地元企業に絞って就職活動をしたい場合、特にUターンなどで地元に戻って働くことを希望する人に、ハローワークはおすすめです。
ハローワークは地域ごとに労働局が管轄しており、主に地元(地域)密着型と言えるでしょう。
地元にある、意外と公に知られていない優良企業の情報や、求人内容に書かれていない重要な情報を、ハローワークで教えてもらえる可能性があることもメリットの一つです。
加えて、全国区にハローワークの事業拠点があるため、仕事探しが全国ネットワークで出来る点でも、ハローワークを有効活用できると言えます。
ハローワークでコールセンター求人を探すデメリット
ハローワークでコールセンター求人を探すメリットとセットで、デメリットも必ずある程度は頭に入れておきましょう。
両方を考慮した上で、コールセンター求人をどのように探すかを考えてください。
選択できる求人が少ない
コールセンターの求人は、インバウンド(受信)業務とアウトバウンド(発信)に大別されていることが多いです。
お客様からの電話を受診するインバウンドでは、「テレフォンオペレーター(受付や案内ほか)」「カスタマーサポート(お客様窓口)」「テクニカルサポート(商品取り扱いの技術面でのサポート業務など)」等の業務があります。
一方のアウトバウンドは「テレアポ」「テレマーケティング」の2種類があり、お客様に電話をかける業務となります。
しかし、自分が希望するコールセンターの仕事が常に求人を募集しているとは限らないし、やりたいことだけに絞ると選択できる求人は少ないのが特徴です。
親身なアドバイスをもらえないことがある
ハローワークでは就職や就活に関して「こうするべき」といった強制や押し売りはありません。
しかしその反面、こちらからアドバイスを求めても「お好きなように」「自分で考えてお決めください」といったスタンスで、事務的に対応されることも多いです。
また、経験を重ねたベテラン職員の中には、古い価値観を譲らない人もいます。時代にそぐわないアドバイスをされ、不満が残ることもあるかもしれません。
ハローワークでコールセンター求人を探す際のポイント
ここでは、ハローワークでコールセンター求人を探す際のポイントを解説していきます。注意点を含め、よく確認しておいてください。
自宅では求人に応募できない
ハローワークの場合は在職者であっても、求職申込みを済ませた上で求人を探すことができます。
しかし、求人に応募する際にはハローワークを訪れて求人への応募を行う必要があるので注意しましょう。
求職申し込みが必要
先述の通り、ハローワークで求人を探すには求職申込の手続きが必要です。ハローワークのパソコンで仮登録後、窓口で必要手続きを行います。
また、自宅のパソコンから仮登録を済ませておくと、ハローワークの窓口での手続きがスムーズです。
ハローワークへは電話で問い合わせできる?
ハローワークでは基本的に電話相談はしておらず、求人を探す場合は直接向かう必要があります。したがって「コールセンターの仕事を探しているのですが、求人はありますか?」といった内容などはNGです。
電話対応が可能なのは、以下に挙げる簡単な質問のみとなります。
- 求職活動をしたという実績として認められる活動について
- 失業保険の手続きの方法など
- 離職票を提出する時期について
この他にも、就職した後で「ハローワークで求人票に書かれていた内容と違う」といった場合にも、電話相談が可能です。
その場合には「ハローワーク求人ホットライン」という専用窓口を利用しましょう。
コールセンターで働こう
厚生労働省が管轄しており、かつ地元の求人が多いハローワークでは、ブラック企業をさけやすい、地元の中小企業で正社員を募集していることが多いなど、コールセンター求人を探すなら好条件が揃っています。
そのぶん競争率が激しかったり、選択できる求人が少なかったりといった弱点も同時に知っておきましょう。
一般求人でコールセンターの仕事がなかなか決まらない時は、ハローワークの各種窓口を利用し、支援を得ることも検討してみてください。