VOCって何?コールセンターに集まるVOC分析こそが顧客満足度向上、企業の業績UPの鍵に

企業の発展の鍵を握る!コールセンターのVOCとは

ここ数年、サブスクリプションの広がりにより「モノを買う、所有する」時代から「サービスを利用する」時代へと移行している、という話を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
今、企業側のマーケティングも「物を買わせる」ことより、「長く継続して利用してくれる顧客を増やすこと」にシフトしています。

そのためには、どの企業も顧客満足度の向上のためユーザーの感想や意見を少しでも多く取得する必要が出てきました。会社にある部署の中でも顧客の意見を直接聞くことができるコールセンター。
今そのコールセンターに集まる「VOC」を分析することが企業の課題となっています。 

コールセンターに変化をもたらした「VOC」とは?

普段の生活ではあまり聞き慣れない「VOC」という言葉。VOCとは、Voice of customer=「お客様の声」です。

皆さんも商品を買う前にネットでレビューを検索して商品購入をやめた、なんて経験があるかと思います。
スマホで検索すれば、簡単に商品やサービスの使用感や評判を検索することができます。
SNSである商品が拡散され急激に売れることもよくあり、今や企業にとってお客様の声=VOCは無視できない存在となっています。

ここ数年コールセンターに力を入れる企業が続々と増えています。
社内で1番お客様からの意見=VOCを拾える部署がコールセンターだからです。
今までアウトソーシングでコールセンターを別企業に委託していた企業も、アウトソーシングをやめたり縮小したりして自社に設置するところも増えてきました。
その方が社内でVOCをすばやくまわすことができるからです。

そのため、社内でコールセンターの人材をしっかり育てたいという意識も高まっています。
今までコールセンターの雇用形態というと派遣社員や契約社員、アルバイトがほとんどでしたが、ここ数年で正社員での雇用が増加傾向にあります。
また、転職の際にコールセンターでの職歴が評価されるなどコールセンターの求人市場に変化が出ています。

チャネルごとに異なるVOCの特徴

コールセンターというと、電話での対応のイメージが強いですが、IT技術の発達により現在では電話だけでなくメールやチャットなど複数のテキストコミュニケーションを取り入れるコールセンターが主流となってきています。
それぞれのチャネルによってユーザーなどが異なり種類の違うVOCが集めることができるからです。
コールセンターに勤務するならその特徴をしっかり把握しましょう。

  • 電話
    電話を使用するユーザーは、他のチャネルと比べると年齢層が高い傾向にあります。
    また、ユーザーから温度感の高いクレームが入ったり、電話での話し方によりユーザーの感情を知ることもできるのが他のチャネルとの大きな違いです。
    「急にログインができなくなった」といったようなシステムエラーなど、早急に解決しなければいけないお問い合わせも電話の方が入りやすいので優先度の高いVOCにも注意が必要です。
    正確に電話のVOCを収集するために最近では電話の内容をすべてリアルタイムでテキスト化するAIシステムを取り入れるコールセンターも増えています。
  • メール
    メールでの問い合わせは24時間365日受け付けているため、コールセンター営業時間内の電話が難しいビジネスマンやOLなど20代~50代が利用する傾向が高いです。
    メールは顧客の問い合わせが文字化されてデータとして残るのでVOCの収集もしやすいです。
    また画像など添付できるため問題を可視化することもメールのメリットです。
  • チャット
    ここ数年チャット対応を取り入れるコールセンターが増えています。
    オペレーターによるチャット対応だけではなくチャットボットによる対応もできるので、チャットにあてる人員の削減も可能です。
    電話の利点であるスピーディーさと、メールの利点であるテキスト化が融合されているので、今後はチャットサービスが主流となるかもしれません。
    電話やメールと違って気軽に問い合わせできるので、今までは問い合わせするほどではなかったユーザーにとっての「ちょっと困ったこと」もチャットにより把握できるようになったという企業側の声もあります。
  • アンケート
    一般的に実際にコールセンターに問い合わせをしてくるユーザーは全体の10%に満たないと言われています。
    多くのユーザーは、不満や不明なことがあってもネットで検索して自己解決をしたり、それでも不満を解決できない場合にはその企業から離れることを選択します。
    なので、アンケートは問い合わせをしないユーザーの意見も拾うためにおこなう企業が多いです。
    また、商品に関するアンケート、キャンペーンに関するアンケート、コールセンター応対に関するアンケートなどテーマを絞れることと、こちらが聞きたいことを聞けるので、狙いを定めたVOCが拾えます。
  • SNSやブログなどのレビュー記事
    よかったこと、悪かったことを気軽に呟けるTwitterやインスタグラムなどのSNSは、今最もVOCであふれているチャネルといえます。
    SNSはシェア機能があり、いいVOC、悪いVOCもあっという間に拡散されることも多々あります。
    また、SNSなど匿名性が高く顔が見えないネットでのレビューは本音が出やすい反面、悪ふざけなどもあり信ぴょう性が低い可能性があることも同時に考えられるため他のチャネルより慎重に取扱う必要があります。
  • ECサイトのレビュー
    ECサイトの商品レビューは、ネットショッピングをする人なら誰でも見たことがあると思います。
    実際に購入した人しか書き込みができないサイトになっていることも多く、そういうサイトのレビューは信ぴょう性が高いといえます。
    しかしその分、ステマなど企業がおこないやすい、悪いレビューがつくと商品や企業そのものに悪いイメージがついてしまうなどのデメリットがあります。

このようにチャネルによって拾い上げるVOCは異なってきます。
そのため、多くのユーザーから満遍なくVOCを収集するために複数のチャネルとの掛け合わせによってVOC収集をしている企業がほとんどです。

コールセンターにおけるVOC活動とは

VOC=お客様の声というとクレームや要望などを思い浮かべがちですが、それだけではなく通常のお問い合わせなどもすべてVOCとして活用することが必要です。

なんでもないちょっとした質問でも似たような問い合わせが多ければ、それはユーザーにとって使いにくい、わかりにくいということになります。
そこからサイト上のFAQに付け足す、次回の商品開発に活かすなど改善すべきポイントであるということがわかります。

このように集まったVOCを集計、分析することを「VOC活動」と言います。
しかしながら、このVOC活動をしっかりおこなえているコールセンターは実は少ないのが現状です。
毎日コールセンターには大量のVOCが集まります。
そのため、VOCの分析に取れる時間がない、人手が足りないなど、実際にVOCを活かせているコールセンターは多くなく、そこがVOC活動の難しいところとも言われています。

よって、ここ数年コールセンターの正社員を増やしたり、チャットボットやAI搭載のシステムなどを取り入れてオペレーターの負担を減らしその分をVOC活動にあてられるようにしたりなど、コールセンターの改革がおこなわれています。
また、いろいろなVOC分析ツールがリリースされて分析の自動化も進んでいます。
VOC分析ツールは、大企業のコールセンターではほとんどが取り入れています。

コールセンターのVOC活動がおろそかになると…

VOC活動がおろそかになると、商品やサービスに顧客の声を反映できなくなり、会社の製品の改善や売上、業績にも反映されます。
顧客としても自分が上げた意見がいつまでも改善されなければ、企業に対する信頼を失い利用することをやめることもあります。
そういうことが続いてしまうと、企業にとっては大ダメージです。

また、VOCは製品やサービスの改善だけではなく、コールセンターの応対にも反映されます。
コールセンターのVOCが活かされないとコールセンターの応対品質が下がり顧客満足度も下がります。
そうなるとクレームも増えてオペレーターのストレスになったり、離職率が高くなったりと働きにくいコールセンターになってしまいます。

コールセンターで適切にVOC分析をおこなうには

VOCにはさまざまな収集チャネルがありますが、コールセンターでは電話、メール、チャットを扱うことが主な業務になります。
分析ツールを取り入れていても、それを使いこなすために、なぜVOC分析をしているのか、その目的をはっきりと認識することが大切です。

  • VOCの優先順位をはっきりさせる
    システムの不具合は各部署で日常的にチェックをしていますが、ユーザーからの問い合わせによって発覚することも多々あります。
    また、現在はスマホやPCなどデバイスの種類が豊富なため、全てのデバイスで動作確認をしているわけではありません。
    あるデバイスにだけ生じる不具合はユーザーからのお問い合わせで発見できることもあります。
    このようなエラーや不具合に関する問い合わせは早急な対応が必要です。
    そういう緊急性が高いVOCを埋もれさせないシステムが必要です。
  • 適切な部署にVOCをあげること。そのために他部署とのつながりを深めること
    商品に関するVOCは商品開発部に、キャンペーンや広告に関するVOCはマーケティング部に、などどういったVOCをどこにあげるのか、VOCをしっかりとカテゴリー分けをしましょう。
    またスムーズに他部署と連携をとるためにも、他部署との交流を定期的に行うといいでしょう。
  • 各オペレーターがVOCの重要性を認識すること
    オペレーターが対応履歴を入力する場合、各オペレーターの入力方法によって差異が出てしまっては貴重なVOCを逃してしまうこともあります。
    カテゴリー選択ができるようにする、クレームは【クレーム】とはっきりわかるように入力して検索して抽出できるようにするなど、入力方法をしっかりとマニュアル化することが大切です。
    そのためにもVOCがどれだけ大切か、各オペレーターで認識をあわせておくことが必要です。
    そのためにも定期的にVOC研修を行うのもおすすめです。
  • 電話対応もすべて残せるAIを取り入れるなど最新システムを取り入れる
    電話終了後の対応履歴の入力がなくなれば、それだけ後処理の時間をお客様との応対やVOCの分析業務に回せます。また、VOC分析をシステムで自動におこなってくれるものも開発されていたりとVOC分析のための最新ツールは現在豊富に出回っています。
    そういう新しいシステムを取り入れることも、現在のコールセンターの流れになっています。
  • VOCによってコールセンターの顧客満足度を高める
    VOCはコールセンター内でも活用できます。
    顧客満足度、応対品質など数値化して、よい対応などはどんどんシェアしていきコールセンター自体の応対品質を向上しましょう。
    顧客満足度が高くなると、クレームも減りオペレーターのストレスも軽減され働きやすい職場環境が生まれます。
    また、数値化して各オペレーターを評価するなど、オペレーターのやる気をアップさせることも大切です。

まとめ

今後も企業にとってVOC活動はより重要になっていくことは間違いありません。
それはコールセンターの重要度も高くなることを意味しています。
年々コールセンターでは、最新技術が取り入れられるなど発展して企業への貢献度も増していっています。
コールセンターは魅力ある仕事の1つです。

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