食品や飲料、電化製品などを購入すると、商品に関する問い合わせを行うための電話番号が記載されています。
「お客様センター」や「商品に関するお問い合わせ窓口」など名称は様々ですが、そのような顧客からの問い合わせを電話で対応する業務のことをコールセンター業務と言います。
コールセンター業務と聞いてどのような印象をお持ちでしょうか。
おそらく「きつそう」、「クレームが多くて大変そう」などネガティブなイメージが強いのではないかと思います。そこで、今回は、「コールセンターの受信業務は本当にきついのか?」を徹底解説いたします。
コールセンターの受信業務がなぜきついと言われるのか、対処方法はあるのか、特にコールセンターの受信業務をきつく感じやすい人の特徴などが詳しく分かる内容ですので、是非ご覧ください。
なぜ受信業務がきついと言われるのか?
なぜコールセンターの受信業務がきついといわれるのでしょうか。これは、コールセンターの受信業務が感情労働だからです。
明るく親切に顧客対応を行うイメージである反面、感情を酷使する「感情労働」などと呼ばれる理由には以下のようなものが挙げられます。
単純作業の繰り返し
インバウンド業務のみではなくコールセンター業務全般に言えることですが、電話対応業務は初めの挨拶である「オープニングトーク」、対応、「クロージングトーク」、終話、履歴入力という一連を一日中繰り返します。
とにかく、毎日毎日同じことの繰り返しを行うということにモチベーションが上がらなくなってしまうという人も少なくありません。
単純作業でやる気がなくなり、ストレスを感じてしまうことが多く、コールセンターの受信業務を行った事のある方であれば、一度はかならず感じた事のあるきつさだと思います。
クレーム対応がきつい
コールセンターの受信業務の一番のストレスと言えばクレームではないでしょうか。知っている人からであればともかく、顔も見たことのない人から理不尽に怒られるというのはなかなかきついものです。
稀にクレームを繰り返す常習者のような顧客も存在し、着信画面でその名前が表示されようものなら最悪な気分になります。
手の付けられないクレームや「担当者を変えろ!」、「上司に変われ!」などのキーワードが出るようであれば、別のオペレーターや上司との交代も可能ですが、のらりくらりと延々に愚痴口言ってくるなんて顧客もいるのです。
クレームはコールセンターの受信業務をきついと感じる一番の理由と言えるかもしれません。
長時間話し続けるのがきつい
電話応対業務のルールとして、オペレーター側から電話をきるというのは厳禁です。最も行ってはいけない行為といっても過言ではありません。
応対中はもちろんですが、応対終了時でも先に電話を切ってしまうと「さっさと話を終わらせたかったのかな?」と感じさせてしまいますし、失礼な印象を与えます。
ただ、このルールがある影響で、とんでもなく長時間の対応を余儀なくされてしまう場合もあるのです。
「クレーム対応がきつい」でも記載しましたが、とにかくのらりくらりと話を長くするという顧客がどのコールセンターでも一定数はいます。
大体はせいぜい1~2時間程度なのですが、悪質なタイプでは6時間という長時間対応をさせられている新人オペレーターを見たこともあります。
ここまでとなると、交代するなど適切なサポートをしない上司にも問題があるのですが、いつそのような長時間対応が来るかわからない。こういった所もコールセンターの受信業務のきつさの理由の一つです。
電話恐怖症を発症してしまう
コールセンターの受信業務中に受けたさまざまなストレスから「電話を受ける」ということ自体にきつさを感じ、電話恐怖症になってしまうという人も多くいます。
コールセンターの受信業務では、パソコン内の専用ソフトで「受信」を押し、着信すると顧客情報が画面にポップアップされるという仕組になっているのですが、単純作業の繰り返しや理不尽なクレームに強いストレスを感じ「受信」ボタンを押せなくなってしまう、またはポップアップで顧客情報を見たとたん頭が真っ白になって対応ができなくなってしまうといった症状がでてしまうのです。
こうなってしまうと恐怖心がなくなるまで休養するか、異動や転職を考えるしかありません。コールセンターの受信業務には電話に恐怖を感じてしまうというきつさもあるのです。
コールセンターの受信業務のきつさを解決する対処方法
コールセンターの受信業務にきつさが多いことは分かりました。ここからは効果的な対処方法をいくつか紹介していきます。
コールセンターの受信業務だけでなく、発信業務にも使える対処方法ですので、コールセンター勤務のきつさを解消したいという方は、是非ご活用ください。
慣れとスキルアップ
どのようなことでも慣れるまではきつさが多いのではないでしょうか。
例えば、趣味で楽器を弾いているという人は、最初は指がつったり、肩こりになったりときついことも多かったのではないかと思います。コールセンターの受信業務にも同じことが言えます。
初めは、単純作業で飽きる、クレームや話の長い顧客に振り回される、電話がだんだん怖くなってきたなど嫌な事ばかりが見えてしまいます。
しかし、仕事のパターンが大体つかめてくると、全てのきつさが半減してくるのです。さらに、コールセンターそれぞれに設けられているスキルアップ制度(WEB学習、フィードバック、定期研修など)を活用して自分のスキルレベルを上げていけば、よほどひどいクレームでもなければきつさを感じなくなってきます。
何事も慣れと経験があれば解決できるということなのではないでしょうか。
きつさを同僚、上司と共有する
コールセンターの受信業務のきつさは自分だけではなく同僚や上司も同様に感じて来たことです。
きついと感じるようであれば、どんどん同僚や上司に相談していきましょう。従業員数の多いコールセンターは一度に大人数を採用することが多く、同期の数が多くなりやすいという特徴があります。
たくさんの同期ときつさを共有してストレス発散につなげるというのは、かなり効果的な対処方法と言えます。
開き直って顧客対応を楽しむ
コールセンターの受信業務はきつさの多い仕事ですが、ほとんどの顧客は純粋に問い合わせをしています。こちらが親切で適切な対応を心がければ素直に喜んでくれますし、感謝を頂くことすらあります。
時々当たってしまうクレームや長時間対応は運が悪かったと開き直って、大多数の問題のない顧客との対応を楽しんでしまうというのも有効な手段だと思います。
コールセンターの受信業務をきつく感じる人の特徴
コールセンター業務にきつさはつきものですが、特にコールセンターの受信業務のきつさを感じてしまうのはどのような人なのでしょうか。いくつかコールセンターの受信業務をきつく感じる人の特徴を紹介します。
会話、電話が苦手
当然ですがコールセンターの受信業務では常に電話を使って業務を行います。
会話に自信がない、電話自体が苦手という方は残念ながら受信業務に向いていないかもしれません。
顧客との会話がかみ合わなかったり、特殊な応対でなくてもストレスを感じてしまったりと、会話が得意なオペレーターに比べてきつさが強くなってしまうという可能性があります。
しかし、慣れやスキルアップで克服できるということも充分にありえます。苦手克服の方法としてチャレンジしてみるというのもいいかもしれませんね。
コミュニケーション能力が低い
優秀なオペレーターには、相手の側に立って応対できるような高いコミュニケーション能力が備わっています。
声のトーン、テンポ、抑揚、傾聴力といったいろいろな角度から顧客にあった話し方で対応を行うのです。
逆を言うと、コミュニケーション能力が低い、相手の側に立った会話ができないという方は、顧客とのやり取りを円滑に行うことができず、強いきつさを感じてしまうかもしれません。
こちらもスキルアップをすることで、ある程度は改善できると思います。あきらめずにスキルアップに励んでみてください。きっと、きつさが軽くなってくると思います。
メンタルが弱い
誰でも、感じの悪い顧客やクレームの対応というのは嫌なものです。
しかし、通常は長くても2~3日で立ち直ることができる方がほとんどだと思うのですが、一週間、1か月といつまでも引きずってしまうタイプの人がいます。
そうなると、回復する前に次の嫌な対応に当たってしまい、いつまでも回復できないという悪循環になりかねません。
自分は特にメンタルが弱い、ちょっとしたことでも食事が喉を通らなくなってしまうという方は、体調を崩してしまいかねませんので、残念ながら受信業務を含むコールセンター業務は避けたほうがいいと思います。
コールセンター業務には、メール対応、チャット対応などの窓口を設けている所もありますから、電話ではない応対から慣れて見るというのもいいかもしれません。
こんなにあるコールセンターの受信業務のメリット
コールセンターの受信業務のきつさをたくさん挙げてしまったので、デメリットの方を多く感じてしまった方がいるかもしれません。しかし、コールセンターの受信業務には魅力的なメリットもたくさんあるのです。その中でも特に魅力のあるメリットをいくつか紹介します。
服装や働き方が自由
コールセンターの受信業務は服装自由で希望に合わせたシフト申請が可能なところが多いです。生活スタイルに合わせて、適した時間、日数、時間帯を選ぶ事ができるというのは大きなメリットと言えます。
スキルアップできる(マナー、会話力、コミュニケーション能力)
コールセンターは、オペレーターのスキル向上のために様々なスキルアップ制度を設けています。入社後に行われる新人研修(マナー研修、トークスキル研修など)、定期研修、WEB学習、フィードバックなど、さまざまな制度を無料で受けることができます。
この制度で得られるスキルは、受電業務以外のどのような仕事でも必ず役立ちます。
毎日仕事をしているだけで、高度なスキルを得ることができる。これもコールセンターの受信業務の大きなメリットです。
人脈構築に役立つ
コールセンターはとにかく大人数で業務を行っています。数百人を収容しているということもざらです。
当然、たくさんの人と顔見知りになることができますので、「友達をたくさん作りたい」、「起業やサークルの為に人を集めたい」など人脈構築に役立てることも可能です。
同時入社の人数も多く、少人数で入社するよりもずっと気楽に会社に溶け込むことができるという利点もあります。従業員が多いからこそ生まれるメリットがコールセンターにはたくさんあるのです。
まとめ
今回は、コールセンターの受信業務のきつさについて解説しました。いかがでしたでしょうか。
実際に、受信業務にきつさはつきものと言えます。しかし、慣れやスキルアップ、会社内できつさを共有するなど対処方法を駆使してみてください。
きっと大部分のきつさを軽減できるのではないかと思います。
受信業務などコールセンター業務に興味をお持ちの方は、きついという部分で敬遠せず、どんどんチャレンジしてみてください。
コールセンターの受信業務には、きつさを裏回るたくさんのメリットがあることを実感していただけるのではないかと思います。