コールセンターで働くのは難しい!?コールセンターという働き方について

今回は、コールセンターで働くことは難しいのかを、働き方や、離職率等の面から紹介したいと思います。なお一言でコールセンターといっても様々ですので、わかりやすいようにかみ砕いて説明します。

コールセンターで働くのが難しい4つの理由

コールセンターで働くことが難しい理由としては、人間関係、労働環境、業務内容など様々です。

その中でも特に働くことが難しい理由について4つにまとめましたのでご紹介します。

雇用形態によって給与体系が異なる

コールセンターは、様々な雇用形態で働いている人たちがいる部署です。雇用形態の詳細については後述しますが、大まかには、正社員と非正規社員(派遣社員や業務委託社員)としてコールセンターで働くことができます。

ただ、この正社員と、非正規社員という雇用形態では、「管理する立場」と「管理される立場」となる関係で業務内容が異なるため、必然的に給与に差が生じます。

なお、正社員だと、年々昇格し、成果によっては月収やボーナスが増える給与体系ではありますが、非正規社員だと、どれだけ成果を上げても給与やボーナスが増えるわけでもないため、社会人として働きつづけることが難しいと考えられる一つの要因です。

また、そもそもコールセンター業務というのは開発・営業とは違い何かを生産する・直接利益を生み出す部署ではなく、どちらかと言えば、スタッフ職・事務職の部類に入るので、業界全体として給与が高いわけではないので、少数ですが、正社員でも、もっと給与の高い職場に転職する人もいます。

クレームが多い

コールセンターではやはりクレームは数の大小はあれどどうしても避けることはできない部署です。自分の対応の不手際でお客様からクレームという名のお叱りを受けることもあるかもしれませんが、商品自体に対する不満や、他の対応者の対応の不満など、理不尽なクレームも受けることがあります。

クレームと言っても叱責される場合やねちねちと不満をぶつけてくるお客様など様々いますが、いずれにせよ、このような理不尽なクレームに対して、へこんでしまったり、引きずる傾向がある人はコールセンターではあまり続かないでしょう。

クレームの割合としては、BtoCの製品よりもBtoBの法人様向けの製品の方が少ない印象があります。またBtoBの中でも、インバウンド型(かかってきた電話に対応する)か、アウトバウンド型(あらかじめ決まっているお客様へ電話をかける)かでもクレームの受ける割合が変わってきます。

サポート製品によって合う合わないがある

コールセンターで働くにあたり対応する商品によっても合う合わないがあるのが難しいといわれる理由の一つです。一般消費者向けの商品などは、そこまで製品が複雑ではないため、対応は難しくはないでしょう。

一方、OA機器やITソフトなどの法人様向けの複雑な商材は、ある程度のITリテラシーを必要とするため、合う合わない(向き不向き)があるのが現実です。加えて、保険商品などの金融商品も目に見えない複雑な商材なども、自分にとって合う合わないが別れると思います。

結論としては、コールセンターでは、自分に馴染み(興味)のない製品を対応するというのはかなり難しいでしょう。

マニュアルやトークスクリプトが多い

コールセンターによっては、あらかじめ決まりきったトークスクリプトが用意され、そのトークスクリプト通りに対応しないといけないという部署や、かなりの分量のあるマニュアルを覚えさせられる部署なども多くあるため、決められた範囲内での業務しかできない=自由度(裁量)が少ないことがら、働き続けるのが難しいという人もいます。

また、非正規社員だと、電話対応などの窓口業務が中心なので、マニュアルにとらわれない自由な働き方をしたい人にはお勧めできない仕事です。

コールセンターの離職率は?

コールセンターは比較的非正規社員の割合が多く、正社員よりも非正規社員の離職率が圧倒的に高い部署です。

部署にもよりますが、コールセンター勤務経験のある筆者が勤務していた部署を例にとりますと、当初15人非正規社員がいましたが、2年半の間にそのうち12人が入れ替わりましたので、2年半以上勤務している人は3人で、離職率が75%とかなり高いです。(ちなみに正社員は5人いましたが、離職者はゼロでした。)

なお、離職理由としては、契約満了になって離職することが多いですが、それ以外にも、結婚や出産、育児などの自己都合や、若い人だと業務についていけないというケースもあります。

結局のところ派遣社員は契約期間が決められていたり、自分の都合でも退職しやすい雇用形態ですので、コールセンターはおのずと離職率が高くなります。

コールセンターで働くのが難しいと思う人の3つの特徴

コールセンターにどうしても合わずにやめてしまう人は多くいます。コールセンターで働く筆者の視点で、コールセンターで働くのが難しい人について紹介します。

柔軟に対応を変えるのが苦手な人

コールセンターはイレギュラーでかなり珍しい問い合わせがくることが多く、マニュアルだけでは対応できないケースがしばしばあります。このようなイレギュラーな問い合わせにも慌てず柔軟に対応する力が求められます。

イレギュラーケースにあたって頭が真っ白になってしまう人などはコールセンターには向いていない傾向があります。

ここでいう柔軟に対応できる人というのは、わからないことでも、保留にして正社員に相談することができたり、どうしてもその場で解決できないことは折り返しするなど、その場その場で適切な判断を行うことのできる人を指します。

精神的にタフではない人

コールセンターで長年勤務している人の共通点としてタフな人が多くなっています。クレームを受けても、すらりと受け流すことのできる人、長時間にわたる電話応対でも粘り強く対応できる人、一日に数時間しゃべり続けることができる人、などタフな人が多い印象です。

同時にさまざまなことをするのが得意でない人

コールセンターでは、ただ単にお客様と会話するだけではなく、お客様の申告内容から、適切なマニュアルやナレッジを探し出して、その情報に基づいてお客様へ案内することや、おお客様の情報を照会するために、データベースの情報を即座に確認したりと、かなりのマルチスキルが求められる仕事です。そのため、同時に複数の作業を行うことが得意ではない人は、コールセンターでの仕事は難しいかもしれません。

コールセンターでの雇用形態と難しさ

先述しましたが、コールセンターは雇用形態によって離職率が異なります。ただ、そもそもコールセンターで働く人の雇用形態とは何なのかを以下にて説明したいと思います。

正社員雇用

正社員は、主に非正規社員の電話対応での相談や、非正規社員への電話窓口の教育育成、窓口全体の管理などを行います。そのため、実際にお客様との電話対応をする機会は少なく、あるとしても、イレギュラーな問い合わせの対応や、非正規社員でも対応できないケースを引き継いで対応するだけです。

これらの仕事をSV(スーパーバイザー)と呼ぶことが多いです。ただし、正社員として入社して1~3年目の新人社員の場合は実際の電話対応を行い、現場での仕事を覚えてから、SVとして非正規社員の管理をするケースが多くなっています。なお、部署によっては派遣社員の方もSVとして正社員と同じ業務を行う人もいるため、働き方の部分は様々です。

非正規雇用

コールセンターの非正規採用には以下のようなものがあります。

派遣社員
業務委託
契約社員
アルバイト

  • 派遣社員

    人材派遣会社から紹介され、入ってくる人です。
    派遣社員は主に電話対応などの業務を行い、電話対応で分からないことがあれば、正社員に相談しながら対応します。
    コールセンターでの派遣社員は電話対応が主な業務なので、仕事を変えずに一つの仕事をひたすらこなす人には向いている雇用形態だと感じます。
    また、派遣社員は正社員よりも業務量、残業時間、責任も少ないので、主婦や独身女性が多く活躍されています。
  • 業務委託

    業務委託は派遣社員とは異なり、労働力ではなく仕事の成果を提供する立場にあります。
    正社員や非正社員の派遣社員とは異なり、会社と雇用関係を結ばず、対等な立場で業務を遂行しているのが特徴です。
    そのため、会社側から業務の進め方に対して、指揮命令を受けるわけではなく、業務委託社員のリーダーの人からの指示で業務を行います。
  • 契約社員

    契約社員は、会社と直接契約期間を決めて業務を行う社員をさします。
    だいたいが2年更新の契約が多いです。
  • アルバイト

    コールセンターのなかでもテレアポ業務についてはアルバイトとして募集しており、主に学生さんが電話窓口を行っていることをよく耳にします。
    また、コールセンターでも単純な対応に関しては単発のアルバイトとして募集がかけられています。

ただ、正社員以外の派遣社員、契約社員、アルバイトも待遇は正直そこまで変わらないのではないかと思います。(派遣会社、エージェントからは手数料が中抜きされているので、正社員ほど給与がもらえないのは事実です。)

まとめ

コールセンターでは働くのことが難しいと思われる理由は、以下の2点があげられます。

①自分に向き、不向きな製品やサービスを取り扱うことがある。
②正社員か非正社員かで、もらうことのできる給与が異なる。

①は本当に「運」の要素が強いと考えられます。
全然知識のないITソフトのサポート窓口に配属されるも、知識が追いつかず、すぐに退職する人もいれば、金融商品などまったくなじみのない商品にコールセンターとして携わっても、意外と5年以上続いたりすることがあります。このことから、正直入社して働いてみないとわからないものです。

②については、コールセンターで働き続けるのが難しい理由が大きいです。
特に家庭を支える人などにとっては、非正規でコールセンターで働くことはお勧めできません。

コールセンターで働くなら正社員で働くことをお勧めします。