コールセンターでのお仕事さがしで、「インバウンド」と「アウトバウンド」ということばをよく見かけます。
しかし、この2つはいったい何が違うのでしょうか。
「インバウンド」と「アウトバウンド」には明確な違いがあり、また人によってはどちらが向いているお仕事なのかについても明確に違いがあります。
そこで、この記事ではコールセンターの「インバウンド」と「アウトバウンド」の違いについて詳しく解説していきます。
コールセンターにおけるインバウンドとアウトバウンドは何が違う?
コールセンターの「インバウンド」と「アウトバウンド」の違いについて、まずはそれぞれの言葉の意味の違いから見ていきましょう。
インバウンドとは?
インバウンド(Inbound)は直訳すると、文字どおり「入ってくる」という意味です。飛行機や列車、船舶などが空港や駅、港へ「入ってくる」「到着する」というように、英語で使われることが一般的となっています。
また最近では、海外から日本へ来訪される旅行客のことを、「インバウンド」とひと言で表現されることも多くなってきました。
それでは、コールセンター業務における「インバウンド」とは、一体どういう意味なのでしょうか。
コールセンターでの「インバウンド」とは例えば、お客さまがインターネットなどで商品を注文する際、また注文した商品が届いたときにその商品がもしも壊れていたり、説明書を読んでも使い方が分からなかったりした時などに、電話やメールなどで問い合わせるというケースのことを指します。
そういった、コールセンターに対してお客さまから問い合わせなどが入ってくる「受信業務」のことを「インバウンド」と言います。
アウトバウンドとは?
インバウンドとは反対に、アウトバウンド(Outbound)は「外に出ていく」という意味です。
英語の意味では、同じく飛行機や列車、船舶などで、「外国行きの~」「市外に向かう~」といった意味で使用されています。
コールセンターにおける「アウトバウンド」とは、商品のセールスの電話をかけたり、世論調査やアンケートとるために、コールセンターからお客さまへ(外へ)連絡する「発信業務」のことを指します。
コールセンターにおけるインバウンド業務とは?
それでは、コールセンターにおいてインバウンドの業務とは、具体的にどういったお仕事なのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
テレフォンオペレーション業務
コールセンターでのインバウンド業務には、テレフォンオペレーション業務があります。そこで、コールセンターのテレフォンオペレーション業務、通称「テレオペ」と呼ばれる業務について紹介。
インバウンド業務のなかでもテレフォンオペレーション業務をする人を「テレフォンオペレーター」と言います。
コールセンターでのインバウンド業務のなかでもオペレーターは、お客さまからの問い合わせなどの電話を受けることが一般的です。最近では電話以外でもメールやチャット、SNSで応対する業務も増えてきています。そのため、パソコンでのタイピングのスキルも求められます。
そんなコールセンターのインバウンド業務であるテレオペレーターの主な業務としては、以下のようなことに対応します。
- 商品やサービスに関する問い合わせ
- サービスへの新規申し込み手続き
- 既に契約しているサービスの変更・解約手続き
- クレーム対応
スマートフォンなどの契約内容の変更や解約など、インターネットからの申し込みや変更ができないものについては、電話で手続きをしなければならない場合があります。
そういったご経験が、あなたにもありませんでしょうか。まさに、あの時にオペレーターが対応してくれたお仕事そのものになります。
カスタマーサポート業務
コールセンターのインバウンド業務であるカスタマーサポート業務は、テレフォンオペレーターと重なる部分もあるのですが、基本的に商品やサービスに関する「疑問や相談」に対する応対が中心のお仕事になります。
したがって、お客さまの疑問に対して、丁寧に分かりやすく詳細を説明することが必要です。
テクニカルサポート業務
コールセンターのインバウンド業務の1つのテクニカルサポート業務は文字どおり「テクニカル」な内容をサポートするお仕事です。企業によっては、「ヘルプデスク」という言い方をする会社もあります。
「テクニカルなお仕事なんて敷居が高い」と思われるかも知れません。しかし、事前にちゃんとしたトレーニングがあり、しっかりとしたマニュアルやトークスクリプト(オペレーター用の台本のようなもの)を用意している企業がほとんどなので、コールセンターのインバウンド業務の知識がゼロでも、やる気さえあればまったく問題ありません。
また、ITに関わる知識やスキル身につくので、ITに関する資格(例えばパソコン検定(通称:P検)やCCNAなど)を取得すれば年収をアップすることや、IT業界へ転職したりするなどコールセンター以外のステップアップにもつながります。興味がある方はチャレンジしてみるのも、ひとつのアイデアです。
インバウンドに向いている人
コールセンターのインバウンド業務が向いている人とは、いったいどのような人なのでしょうか。詳しく解説していきます。
説明することが好きな人
コールセンターにおけるインバウンド業務で必要なスキルは「ていねいな説明ができる人」です。個人のお客さまからのお問い合わせは、多種多様でとにかく様々な人から問い合わせがきて、どんなに些細なことでも、焦らず「ていないな」説明が求められます。
また、お客さまとしても自分で説明書やインターネットで調べた上で問い合わせをしてくるお客さまも多いです。それでも分からない事象ということは、説明が非常に難しいケースである場合が考えられます。
したがって、そのような難関なケースでも、順を追ってひとつひとつ上手に説明ができる人がインバウンド業務に向いています。
しかし、説明に自信がない人でも、トレーニングやマニュアル・トークスクリプト(オペレーター用の台本のようなもの)がありますので、最初は上手く説明ができなかったとしても、業務を続けていくことによってインバウンド業務のスキルがアップしていきます。
相手の立場になって物事を考えられる人
インバウンド業務では問い合わせをされたお客さまによっては、一般的な説明内容ではご理解していただけない場合も多いです。そんな時、相手の立場に合わせて根気よく分かりやすく、ていねいに説明することが求められます。
すぐにイライラしたり、すぐに嫌になってしまうようでは、もしかしたらコールセンターのインバウンド業務を長く続けていくのは難しいかもしれません。
逆に自分のペースで仕事をしたい人は、アウトバウンド業務の方が向いていると言えるでしょう。
人の役に立ちたい人
お問い合わせをされるお客さまは、基本的に困っているのでお問い合わせをされます。
オペレーターのていねいな説明で、お客さまの問題解決をすることにより「ありがとう」「助かった」というお言葉をいただくことが多いです。そこにやりがいを感じられる人が、インバウンドの仕事に向いています。
コールセンターにおけるアウトバウンド業務とは?
コールセンターのアウトバウンド業務とは、コールセンターからお客さまへアンケートをとるなどの目的でコンタクトをする業務でありますが他にも業務があります。そこで、ここではアウトバウンド業務が具体的にどのような業務なのか解説していきます。
テレフォンアポイント業務
コールセンターのアウトバウンド業務であるテレフォンアポイント業務は商品の購入やサービスの導入に関してオススメをするお仕事です。
一般的には会社で用意されたリストから、個人のお客さまや場合によっては企業へ電話をかけて商品やサービスの説明をし、アポイントを取得するというのがアウトバウンドのテレフォンアポイント業務になります。
突然、アウトバウンド業務ではコールセンターから電話をかけて営業をするため、話を聞いてもらえることは少ないので、とても根気と打たれ強さが必要です。
大変な業務だけあって、一般的にはインバウンドに比べてアウトバウンドは年収も高いことが多くなっています。
また、アウトバウンドのテレフォンアポイント業務は成績によってはチームリーダーやスーパーバイザー(SV)へ、キャリアアップ・年収アップが図れるのも魅力のひとつです。
逆に、アウトバウンドのテレフォンアポイント業務はサービスのキャンペーンを実施している期間のみの短期のお仕事もあります。
テレマーケティング業務
コールセンターのアウトバウンド業務であるテレマーケティング業務はテレフォンアポイント業務と似ているお仕事なのですが、これまでまったく接点のない新規の相手に対してコンタクトをとります。
この点が同じアウトバウンド業務のテレフォンアポイントとは大きく異なる点です。
すでに購入している商品、もしくは既に契約しているサービスに関することについての連絡なので、お客さまに不信感を与えることなく、スムーズに説明を続けやすいという特徴があります。
したがって、テレフォンアポイント業務にくらべて話しを聞いてくれる確率が高いので、アウトバウンド業務でもこちらの方がお仕事を続けやすいという人も多いです。
アウトバウンドに向いている人
ここでは、アウトバウンド業務に向いている人について紹介します。
精神的にタフな人
コールセンターにおけるアウトバウンド業務は、電話をガチャ切りされたり、嫌がられたりすることも多いのが現実です。それが1日中、そして毎日続くわけですから、アウトバウンド業務では精神的にタフな人に向いています。
コンタクトした相手からいくら怒鳴られても、どんなに嫌がられても全く気にしない、無感情で業務が続けられる、そんな強靭な精神力を持ち合わせた人には、アウトバウンド業務は非常に向いている仕事です。
逆に精神的にタフでは無い人は、アウトバウンド業務ではなくインバウンド業務の方がいいでしょう。
成果によってやりがいを感じやすい人
アウトバウンドの業務では、アポイントを取得できた場合や、サービスの契約が取れるごとに、インセンティブが支払われるお仕事が多いです。そのため、アウトバウンド業務では成績の良い人はやればやるほどどんどん稼げます。
このように、アポイントや契約を獲得するなどの成果によってやりがいを感じ、モチベーションを保てる人にはアウトバウンド業務は向いている仕事です。
まとめ
コールセンターにおける、電話を受信する業務「インバウンド」と、電話を発信する業務「アウトバウンド」の違いについて、それぞれの業務内容を詳しく紹介してきました。
コールセンターで働くことを検討されている場合、インバウンド業務とアウトバウンド業務の業務の内容と特徴を理解し、実際に働いていることをイメージしましょう。
そしてそれにより、自分に合った業務は「インバウンド」なのか「アウトバウンド」なのかを判断するとよいでしょう。また、「インバウンド」と「アウトバウンド」で習得できるスキルについても違いがあるため、自分のキャリアプランに合わせて、どちらのどのお仕事をするのか、決定されてはいかがでしょうか。