テレフォンオペレーターとは、電話を利用して顧客からの問い合わせ対応を行う職業のことです。
商品の問い合わせや注文、困った時の相談などたくさんの窓口が設けられていますので、気づかない内にテレフォンオペレーターのお世話になっていたという方も多いと思います。
身近でいつでも頼ることのできるテレフォンオペレーター。
しかし、具体的にはどんなところで、どのように仕事をしているのか、詳しく実体を知っているという人はあまりいないのではないでしょうか。
そこで、今回はあまり知られていないテレフォンオペレーターの実体、働いていく上でのメリット・デメリットなど気になる内容を徹底的に解説していきます。ご興味のある方は、是非ともご覧ください。
テレフォンオペレーターとは?
冒頭でも記載したように、テレフォンオペレーターとは電話を通して顧客対応を行う職業のことです。
「サポートセンター」、「お客様窓口」、「相談窓口」など様々な名称の窓口で受電対応を行っています。
コールセンターという場所で業務することが多く、数十人から数百人までとかなりの人数を収容して日々顧客対応を行っています。
テレアポとテレマとの違い
今回ご紹介するテレオペと近しいポジションとして、テレアポやテレマと呼ばれるものがあります。
テレアポとはテレフォンアポインターの略です。
契約先となり得る見込み顧客に架電をして、商談など案内のアポイントを取ることまでをゴールとして営業活動を行います。
テレオペと異なり営業的なアプローチで話すことが求められるため、商品訴求や電話先の様子よった柔軟な対応が苦手な方にはオススメしません。
一方でテレマとはテレフォンマーケティングの略です。
見込み顧客に対して電話を通してサービスのマーケティング活動を行う業務です。
テレアポと異なり、テレマでは引き出すべき情報が明確であることから、オペレーターとして高い技術力と柔軟な対応力が求められる場合が多いです。
テレフォンオペレーターの仕事内容
続けて、テレフォンオペレーターの仕事内容を解説していきます。
具体的な業務の流れは以下のようになります。
- 顧客からの電話を受ける
- 問い合わせ内容によって必要な対応を行う
- 電話を切る
- 対応した内容を記録
- 「顧客からの電話を受ける」に戻る
ざっくりというとこんな感じです。
休憩時間以外はこの作業を繰り返します。
対応業務としては、商品案内、料金センター、クレーム対応、テクニカルサポートなど多岐にわたります。
文部科学省の「子供のSOSの相談窓口」や厚生労働省の「新型コロナワクチンコールセンター」、「新型コロナウイルス感染症に関する電話相談窓口」もテレフォンオペレーターの業務の一つと言えます。
テレフォンオペレーターに向いている人
コミュニケーションに苦手意識がない
テレフォンオペレーターは、お客様との電話でのやり取りが主な業務です。
そのため、コミュニケーション能力が高く、相手の話をしっかりと聞き取ることができる人が向いています。
スムーズな会話を通じて、相手のニーズや問題を正確に理解し、適切な対応をすることが求められます。
緊張せずに人と話すことができる、明るくて親しみやすい性格の人は特に適しています。
知識のインプットが苦でない
テレフォンオペレーターは、会社の製品やサービスに関する幅広い知識を持っている必要があります。
また、問い合わせ内容に応じて必要な情報を迅速に提供するため、新しい知識を常にインプットすることが求められます。
学習意欲が高く、業務に必要な知識を積極的に吸収できる人は、この職種に向いています。
マニュアルやトレーニング資料を読んで理解し、実際の業務に応用することができる能力が重要です。
柔軟な対応ができる
テレフォンオペレーターは、様々な状況やお客様に対応する必要があります。
クレーム対応や特殊な要望など、予測できない事態にも冷静に対処できる柔軟性が求められます。
また、お客様ごとに異なる対応が必要になるため、臨機応変に対応方法を変えることができる人が理想的です。
プレッシャーの中でも落ち着いて対応し、問題解決に向けて最善の方法を見つける能力が求められます。
テレフォンオペレーターに不向きな人
ルーティン業務が苦手
テレフォンオペレーターの仕事は、同じような業務を繰り返し行うことが多いです。
問い合わせやクレームに対応し、情報を提供するという業務の流れは基本的に一定です。
そのため、ルーティンワークが苦手で、単調な作業に飽きてしまう人には向いていません。
変化を求めるタイプの人や、常に新しい刺激を必要とする人には辛い仕事になる可能性があります。
クレーム耐性がない
テレフォンオペレーターは、お客様からのクレームに対応することも多くあります。
時には厳しい言葉を受けることもありますが、それに対して冷静に対応し、感情をコントロールする能力が求められます。
クレームに対する耐性がなく、すぐに落ち込んでしまったり、感情的になってしまう人には、この職種は向いていません。
ストレス耐性が低い場合、精神的な負担が大きくなりやすいです。
テレフォンオペレーターのメリット
テレフォンオペレーターとして働くことで得られるメリットはたくさんあります。
一方、デメリットと言える部分もいくつかあります。
ここからはテレフォンオペレーターとして働くメリット、デメリットを紹介します。
メリット①:会話力、コミュニケーション能力アップ
第一に挙げられるのが会話力、コミュニケーション能力アップです。
テレフォンオペレーターは毎日何十件もの電話を受けており、年間では1000件を超える事もざらにあります。
まれに重複する事もありますが、1件1件それぞれ、人物・問い合わせ内容・深刻度合ともに異なり、テレフォンオペレーターはその都度、顧客に合わせて応対内容を変えなければならないのです。
いわば毎球違うピッチャーを迎えてバッティング練習をしているようなものです。
上達しないわけがありません。
興味のある方は、是非テレフォンオペレーター業務を経験してみてください。
慣れてくるころには見違えるような会話上手、コミュニケーション上手に成長した自分になることができます。
メリット②ビジネスマナーを学ぶことができる
テレフォンオペレーターで行われる事前研修はかなり充実しています。
ビジネスマナー、会話マナー、取扱商品・操作システムの情報把握など内容も幅広く、相手を顧客役としたロールプレイング対応まで行うのです。
特にマナーに関しての研修は、あらゆる場面で活用でき、習得して絶対に損はないと言えます。
「会話マナー、ビジネスマナーに自信がないな」、「自信はあるけど再確認しておきたい」といった方にも非常におすすめです。
メリット③友達を作りやすい
テレフォンオペレーターは、コールセンターという場所で業務を行います。
コールセンターには100人~300人とかなりの従業員が収容されている場合が多く、大人数で同じ目的(顧客対応)を持って業務を行うためなのか仲間意識が強まりやすい傾向があります。
実際、休憩時間などには、いつもわいわいと賑やかな話し声が聞こえ、まるで学生の休憩時間の様な光景になります。同年代はもちろん、年の離れた友達ができる可能性も高い、そんなところもテレフォンオペレータの魅力だと思います。
メリット④自分に合わせた働き方ができる
テレフォンオペレーター業務は、365日休まず営業している所が多く、土日祝日関係なく顧客からの問い合わせが繋がるようになっています。
そのため、テレフォンオペレーター側は、あらかじめ希望シフトを提出し、会社側が考慮して全体シフトを決めるというように、ある程度の希望が通るようになっているのです。
家庭の事情に合わせたり、とにかく稼ぎたい場合は単価の高い土日祝日や深夜勤務に多めに入れたりと、勤務形態を自由に選ぶことができます。
さらに、最近多くなっているのがリモート勤務です。
会社によっては、コールセンターでの受電、リモートでの受電どちらで勤務を行ってもよかったり、基本のセンター勤務に加えて、時間のある時にリモートでシフトを追加したりと、バラエティに富んだ方法を選ぶことができます。
他の仕事にはない柔軟な勤務形態もテレフォンオペレーターのメリットの一つです。
テレフォンオペレーターのデメリット
テレフォンオペレーターにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
代表的なものを3つご紹介します。
デメリット①給料が上がりにくい
メリットの方でふれましたが、テレフォンオペレーター業は従業員数を多く雇っている所が多いです。
従業員が多ければ多いほど雇う側に負担がかかり、簡単に昇給させるわけにも行かなくなる場合が多いのです。
だたし、業績(件数、顧客満足度)が著しく高い、英語対応可能などスキルレベルが高いなど能力を認められれば、インセンティブ得られるシステムを設けているセンターは多いので、頑張り次第で解消できるデメリットだと言えます。
デメリット②クレーム対応がきつい
テレフォンオペレーター業務で一番嫌な事と言えばクレーム対応ではないでしょうか。
誰でも可能であればクレーム客の対応など行いたくありません。
自分の対応の不備でクレームを起こしてしまうのなら仕方がないですが、商品の問題、会社の方針、他オペレーターの対応への不満といった自分以外が原因であることに対してのクレームに謝罪しなければならない場合も多々あります。
連続できつめのクレーマーに当たりようものならメンタルはぼろぼろです。
しかし、クレームにもパターンや対処方法は必ずあります。
自分だけで抱え込まず、同僚、上司との相談し、ストレスを軽減しながら攻略方法を編み出していけば、だんだんと怖くはなくなります。
クレームを受けてしまっても運が悪いと嘆くのではなく、用意をしていた対処方法を試すチャンスだと考えて見てはいかがでしょうか。
デメリット③同じことの繰り返しで飽きてしまう
「テレフォンオペレーターの仕事内容」で紹介したようにテレフォンオペレーターの仕事は、「電話を受ける→対応→電話を切る」の繰り返しです。
初めは新鮮な事が多いですが、次第に慣れて同じことを繰り返すことが苦痛になってしまう場合があります。
こういった所もテレフォンオペレーター業務の離職率をあげている要因かもしれません。
しかし、おもしろいもので慣れてしまった後にまた新しい発見があるのもテレフォンオペレーターの面白さです。苦痛になってももう少し頑張ってみてください。
また違ったテレフォンオペレーターの業務の魅力に気づいていただけるのではないかと思います。
テレフォンオペレーターで身に付くスキル
コミュニケーションスキル
テレフォンオペレーターは、お客様との電話対応を通じてコミュニケーションスキルを磨くことができます。
お客様のニーズを正確に理解し、適切な情報を提供する能力は、どのような職種でも役立つ重要なスキルです。
言葉遣いや話し方、聞く力が自然と向上し、対人スキルが総合的に強化されます。
商品知識
業務を通じて、自社の製品やサービスに関する深い知識を身に付けることができます。
多岐にわたる商品知識を持つことで、お客様の質問や問題に迅速かつ的確に対応できるようになります。
この知識は、他の部署や将来のキャリアにも活かすこともできるでしょう。
情報処理能力
テレフォンオペレーターは、多くの情報を迅速に処理し、必要な情報を正確に提供する能力が求められます。
複数のお客様対応や問い合わせ内容を効率的に管理するスキルが身に付き、情報の整理や優先順位付けができるようになるでしょう。
また、システムやツールの使用にも慣れるため、デジタルリテラシーも向上します。
まとめ
より身近にテレフォンオペレーターの存在を感じて頂けたようであれば幸いです。
向いている人・向いていない人、メリット・デメリットについてもご紹介しましたが、向いていない要素があるからテレフォンオペレーターとして働くことはできない、デメリットがあるからこの職業につかないほうがいいという事ではありません。
どちらも、慣れや努力でだれにでもクリア事だと思います。
「テレフォンオペレーターに興味がある」、「就職してみたい」という方は、是非、悪い部分だけで敬遠はなさらず、スキルアップや人脈を構築にも適したこの素晴らしい職業に携わってみてください。