コールセンターとは、顧客からの問い合わせを受けたり、アフターフォロー・営業の為に発信を行ったりと電話を使った業務を行う場所のことを言います。
通販番組で見た商品を注文するため、荷物の再配達を頼むためといった感じで、一度はコールセンターに問い合わせを行ったことがあるという方は多いのではないかと思います。
電話で手厚い顧客サポートを行うコールセンター業務。実は、コールセンターの求人広告には、かなりの割合で「初心者でも安心」、「未経験からでも大丈夫」といった文言が書かれているのです。
そのように書かれていると「コールセンターは自分でもできるかもしれない」と思う方もいるでしょうが、「コールセンターってなんだかうさん臭いな」と疑って二の足をふんでしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回はコールセンター業務の求人広告にはなぜ「初心者でも安心」、「未経験でも大丈夫」などと書かれていることが多いのかの理由を徹底解説していきます。実際の仕事内容やコールセンターのトーク例4選も記載していますので、ご興味のあるかたは、是非ともご覧ください。
コールセンターとは?
冒頭でもふれましたが、コールセンターとは、顧客からの問い合わせを受けたり、アフターフォロー・営業の為に発信を行ったりと電話を使ったトーク業務を行う場所のことを言います。
数十~数百人とコールセンターの収容人数は多く、コールセンタースタッフはそれぞれトーク用のヘッドセット、パソコン、トーク専用電話機を操作して顧客対応を行っています。
コールセンターで働くコールセンタースタッフは大きく分けて「テレフォンオペレーター(電話を受ける)」、「テレフォンアポインター(電話を架ける)」の2種類。コールセンターへの顧客からの問い合わせ対応をテレフォンオペレーター、顧客へのアフターフォロー・営業などをテレフォンアポインターが、といった感じで役割分担されています。
購入した製品のマニュアルに書かれている「お客様ご相談窓口」、購入後の使用に問題がないかメーカーからアフターフォローの為にかかってくる電話などもコールセンターに勤務するコールセンタースタッフが対応しています。
未経験歓迎のコールセンターが多い理由
コールセンターという場所がどのような所かなんとなく想像していただけたでしょうか。
続けて、コールセンター業務は、なぜトークをするのに未経験歓迎が多いのかについて説明していきます。
① しっかりとした研修が用意されている
コールセンターに勤務した場合、入社後すぐにトークをもとにした顧客対応をやらされるということはまずありません。
ほとんどの場合、しっかりとしたトーク研修が用意されています。
トーク研修は数週間~長い場合は1~3か月ほどかけて充分に業務内容を把握し、業務に支障がないと判断されてからやっとコールセンターで顧客対応に入るのです。
トーク研修の内容はというと、トーク以外にも取扱商品の情報、業務システム操作方法、会話マナー、ビジネスマナーなどの座学、同期のスタッフや講師を顧客に見立てたトークのロールプレイング、実際の既存スタッフのトーク対応を隣で聞くことができるトークモニタリング、既存スタッフにトークモニタリングされながら自分がコールセンターで顧客対応を行うトークテスト対応などがあります。
コールセンターでは段階を踏んで少しずつステップアップしていくのです。
そんな、手厚いトーク研修が用意されているからこそ、自信をもってコールセンターでは「未経験者歓迎」の文言を募集内容に入れることができるのです。
②未経験者をプロに変えるトークスプリクトの存在
コールセンターが未経験でも大丈夫な理由の一つとして「トークスプリクト」の存在があります。
トークスプリクトとは、顧客対応の工程をあらかじめ予想して作られたトーク台本です。
コールセンターでは、あらゆるトーク場面に対応できる様に膨大な量のトークスプリクトが用意されています。
「そんな膨大なトーク台本を読まなきゃいけないの?」とげんなりされた方、ご安心ください。
トークスプリクトは、パソコン内に保存されており、いつでも簡単に見ることができるようになっています。
最初のトークスプリクトである「オープニングトーク」からたどっていくと最後のトークである「クロージングトーク」までスムーズにトークがすすめられるようにトークがフローチャート形式になっていて、初めての方でも問題なくトークできるようになっているのです。
必要な時に必要なトーク台本をすぐに開いて読むことができる。
これが2つ目の「未経験者歓迎」の秘密です。
コールセンターのトーク例4選
よく使われているトーク例をいくつか見てみましょう。
全て初めと最後の挨拶である「オープニングトーク」、「クロージングトーク」があり、それぞれの会社が用意したトークスプリクトをもとに応対されています。
①通信会社「ご注文窓口」のコールセンタートーク例
「すみません。テレビの〇〇という番組で見た商品が欲しいのですが・・・」
「〇〇ですね。ありがとうございます。商品名、または商品番号をお伺いできますでしょうか」
「えーと、(商品名)です。カラーは赤で1つお願いしたいのですが」
「(商品名)の赤を1点ご注文ですね。料金は〇〇円、発送まで3~4日となっております」
「はい、お願いします」
「かしこまりました。ご注文手続きをさせて頂きます。恐れ入りますが、お客様のお名前、ご住所、ご希望されるお支払い方法をお伺いできますでしょうか」
「(名前、住所、支払い方法)」
「(復唱)。以上間違いございませんでしょうか」
「はい」
「注文を承りました。ここまでで何かご不明な点はございますか」
「いえ。大丈夫です」
「お手続きは以上となります。本日はお電話いただき、ありがとうございました」
「ありがとう」
「担当〇〇が承りました」
②ソフトウェアメーカー「カスタマーサポート」のコールセンタートーク例
「あの、ちょっと分からないところがあるので教えてもらえますか」
「かしこまりました。どのようなご質問でしょうか」
「新しいパソコンに(商品名)をインストールしようとしてるんですけど、セキュリティキーが分からなくて完了できないんですよ」
「(商品名)のセキュリティキーがご不明なため、インストールができないということですね」
「はい」
「ご契約状況を確認いたしますので、よろしければ、お客様のお名前、お電話番号をお伺いできますでしょうか」
「(名前、電話番号)です」
「ありがとうございます。〇〇様のご契約ですとWEB注文にてご購入頂いております。その場合、購入後、当社からお客様にセキュリティキーを含むご契約内容確認メールを送信します。「ご契約内容確認メール」はお客様のもとに届いておりますでしょうか」
「ええっと、あ、ありました。セキュリティキーも書かれてますね」
「さようでございますか。そのセキュリティキーを使ってすすめていただければインストールを完了することができます。お手数ですが、お試し頂いてもよろしいでしょうか」
「わかりました。すぐ試すのでちょっと待っててもらえますか」
「かしこまりました。お待ちしております」
「・・・インストールできました」
「お試しいただきありがとうございます。他になにかお困りな点はございますか」
「他にはないです」
「ご不明な点があればまたいつでもお問い合わせください」
「わかりました。ありがとう」
「お電話ありがとうございました。担当〇〇がご案内いたしました」
③家電メーカー「アフターサポート窓口のコールセンタートーク例
「(メーカー名)アフターサポート窓口の〇〇と申します。お忙しい所、大変恐れ入ります。先日、ご購入いただいた(商品名)についてお電話させて頂きました」
「ああ、(商品名)が買ったばかりなのに動かなくて、そちらに問い合わせた件ですね」
「ご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。原因については現在調査中です。新しくお送りした代替品は問題なく作動しておりますでしょうか」
「はい、こっちは問題ないですね」
「それはよかったです。この度は大変ご迷惑をおかけいたしました。今回のお詫びとしてパーツや付属品と無料交換ができるクーポン券をご登録いただいたメールアドレスに送付しております。よろしければご利用ください」
「え?そうですか。ありがとうございます」
「本日は、(メーカー名)アフターサポート担当〇〇が対応させて頂きました。ご不明な点があれば、またいつでもお問い合わせください」
「分かりました。〇〇さんですね。今日はありがとうございました」
「ありがとうございました。それでは、失礼いたします」
④ソフトウェアメーカー「トラブル相談窓口」のコールセンタートーク例
「(メーカー名)トラブル相談窓口の〇〇と申します。先日、ご相談いただいたトラブルの件についてお電話させて頂きました。今、お時間はよろしいでしょうか」
「ああ、はいはい。(ソフト名)でエラーがでる件ですよね。早く治してもらいたいんですけど」
「かしこまりました。よろしければ、〇〇様のパソコンとリモート接続し、こちらで操作を行うリモート対応も可能です。いかがいたしましょうか」
「それじゃあ、リモートでお願いします」
「(リモート接続完了)ありがとうございます。リモート接続完了いたしました。こちらでマウス操作を行ってもよろしいでしょうか」
「お願いします」
「お待たせいたしました。設定に一部問題があり修正いたしました。現在はこのようにエラーは出なくなっております」
「本当だ。出なくなってますね」
「他にご質問があれば対応させていただきます。ご不明な点はございますか?」
「いえ、困っていたのはエラーがでることだけなので大丈夫ですよ」
「かしこまりました。本日は(メーカー名)トラブル相談窓口担当〇〇が対応いたしました。ご不明な点があれば、またいつでもお問い合わせください」
「はい、何かあったらまたお願いします」
「ありがとうございました。それでは、失礼いたします」
まとめ
コールセンター業務で未経験者歓迎と求人を行うことができるのは、しっかりしたトーク研修やトークスプリクトが用意されているからです。
未経験者をプロに変えるトークの教育制度や業務ツールがあるからこそ自信をもって「未経験者歓迎」の文字を募集要項に乗せることができているということですね。
今回の記事で、コールセンター業務に興味を持っていただけたのであれば、是非、応募してみてください。
未経験者からプロに代わるプロセスを直に体験することができると思います。