官公庁のコールセンター業務は、電話応対業務であることは一般企業と同じですが、官公庁ならではの違いもあるので知識として持っておくといいでしょう。
これからコールセンター業務に就きたい人は、ぜひ参考にしてください。
官公庁のコールセンターとは?
官公庁のコールセンターは、どんな特徴があるでしょうか。一般企業との違いにもなるので、ぜひ覚えておきましょう。
官公庁のコールセンターは、以下3つの特徴があります。
- 官公庁ではなく業務委託先での採用がメイン
- インバウンドが中心
- 業務の忙しさが時間によって変わる
それぞれ紹介します。
官公庁ではなく業務委託先での採用がメイン
官公庁のコールセンターと言っても、業務委託先での採用がメインです。
官公庁の仕事をするのですが、必ずしも官公庁で働くわけではありません。
たとえば年金の場合、日本年金機構が直接採用しているわけではなく、業務委託先のコールセンター会社での採用になります。
採用先が官公庁でないので怪しく思う人もいるかもしれませんが、業務委託先なので安心してください。
インバウンドが中心
官公庁のコールセンターは、インバウンド業務が中心です。
インバウンドとは、顧客から掛かってくる電話対応のことで、自分から名簿などへ電話を掛けることをしません。
問い合わせや質問対応が多いため、「飛び込み電話が苦手だ」という人に向いています。
しかし、問い合わせに答えられる知識を付けなければなりません。
とくに官公庁ならではの施策や法律など、一般企業に比べて覚えることもたくさんあります。
自ら覚えることをしなくては、仕事はできないと考えて取り組むといいでしょう。
業務の忙しさが時間によって変わる
官公庁のコールセンターは、忙しさが時間帯や時期によって変わります。
たとえば仕事をしている人は、昼休憩の時間帯に電話を掛けるため、午前中からお昼にかけて業務が忙しくなる傾向です。
官公庁ならではの忙しさは、行政からの発表があった時でしょう。
新しい施策が発表されると、どんなことかを聞いてくる人もいるため行政から何らかの発表があった後は、電話対応も多くなります。
官公庁のコールセンターの主な業務内容
官公庁のコールセンターにおける主な業務内容は、以下3つがあります。
- 国民年金の問い合わせ
- コロナ関連の予約処理
- 給付金の問い合わせ
行政のコールセンターとなるため、その時々で募集件数は変わりますが、国民年金の問い合わせは時代に関係なく募集されています。
どの業務も未経験の募集をしているので、これからコールセンター業務を始める人でも応募可能です。
ここでは、官公庁のコールセンターにおける業務内容を詳しくみてみましょう。
国民年金の問い合わせ
国民年金の問い合わせは、もっともメジャーな官公庁のコールセンター業務といってもいいでしょう。
全国各地で募集されているので、地方都市で働くことも可能です。
具体的な質問は、「年金の相談をしたいがどこに行けばいいか」「年金をいくらもらえるのだろうか」といったものになります。
対応相手もさまざまな年代の人が考えられますが、中には高齢者の方もいて、説明に困ってしまうケースもあるかもしれません。
しかし、国民年金の知識がなくてもマニュアルが完備されているため、ゼロから学べて電話応対もできるでしょう。
コロナ関連の予約処理
コロナワクチンの予約も官公庁のコールセンター業務の中で多く見られる案件です。
ワクチン接種に伴う予約や問い合わせ対応が主な業務になりますが、「どこでワクチン接種できるのか」「どのワクチンになるのか」などといった質問が想定されます。
自治体によって接種会場も変わり、年代によってはまだ接種できないなど対応内容が異なり、行政の窓口として対応しなければならず、ワクチン接種で困っている人から厳しい声が出てくるかもしれません。
しかし、対応内容はマニュアル化されているので、安心して取り組めるでしょう。
給付金の問い合わせ
給付金の問い合わせもコロナ禍の中、官公庁のコールセンター業務として募集件数が多い案件です。
相手は主に飲食店からの問い合わせで、給付金の制度内容や、申請方法、審査状況などの問い合わせと、場合によって申請者への連絡も行います。
給付金と聞くと難しく思う人もいるでしょう。
しかし、対応マニュアルや研修がしっかり準備されているので、未経験からスタートする人も多いです。
官公庁コールセンターは難しい?
官公庁のコールセンター業務と聞くと、「難しいのではないか」と不安になる人もいるでしょう。
一般企業と比べて、どうしても堅いイメージがあるので躊躇してしまう気持ちもわかります。
しかし、一般企業のコールセンターと比べるとマニュアルや研修制度がしっかりしているため、経験や資格がなくても対応可能です。
マニュアルがあるからといって気楽に考えるのもよくありません。
しっかり研修やマニュアルで習った対応をしなくてはならないため、その分難しさもあると考えた方がいいでしょう。
官公庁のコールセンターなので、間違いがあったら問題です。
勝手にイレギュラーな対応をすると、後々問題となることもあるため、マニュアルや研修内容をしっかり自分の中に落とし込ませる必要があります。
官公庁のコールセンターのメリット
官公庁のコールセンターには、2つのメリットがあります。
- シフトの融通が利きやすい
- マニュアルが完備されている
それぞれ見てみましょう。
シフトの融通が利きやすい
官公庁のコールセンターは、シフトの融通が利きやすいです。
夜は資格の勉強に充てているなど、自分のスケジュールに合わせて働けるので、自己研鑽の時間を作りたい人におすすめです。
時間や曜日など自分が働きたい時間に合わせて働けるため、自身の希望を伝えるといいでしょう。
ただし、自由に設定できる休日日数はコールセンターごとに異なります。
具体的なシフトもどこまで調整できるかは変わってくるため、事前に確認しておくといいです。
オペレーターの人数が多ければ、同僚に直接お願いすれば急なシフト変更もできるかもしれません。
マニュアルが完備されている
官公庁のコールセンターは、マニュアルがしっかり完備されています。
国や自治体の仕事になるため、間違いがあると大きな問題になりますし、制度や法律に関する問合せも想定されるため、電話対応時に困らないようにするためです。
初心者でも安心してできる仕事内容になっているので、「やったことがないからわからない」「官公庁の内容は難しそう」と思わず、チャレンジするといいでしょう。
官公庁のコールセンターのデメリット
一方で官公庁のコールセンターで働くにはデメリットもあります。
一般企業のコールセンターではないもので、官公庁独特のものといってもいいでしょう。
デメリットは以下3つになります。
- 服装に規定がある
- 業務内容が煩雑になりやすい
- 採用難易度が高い
それぞれ見てみましょう。
服装に規定がある
官公庁のコールセンターの場合、官公庁社で働くこともあるため服装規定を設けているケースもあります。
一般企業ならば服装自由で仕事をできますが、官公庁ではそうはいきません。
もし官公庁のコールセンターで働きたい場合は、勤務先も事前に確認しておくといいでしょう。
官公庁から業務委託された先では服装規定が緩い案件も見受けられます。
そのため、官公庁のコールセンター業務すべてで服装規定があるわけではないので、自由な服装で働きたい場合は、業務委託先での仕事を選ぶといいでしょう。
業務内容が煩雑になりやすい
官公庁のコールセンター業務は、行政に関する対応が多く、覚えなければならない内容が多いです。
どんなにマニュアルがあるといっても、かんたんにできるものでもありません。
安易に回答できない場合は、調べてから電話を掛けなおすこともあり、「電話対応するだけ」とはならず、業務が思っていた以上に煩雑になりやすいです。
わからない内容を聞く場合も、内容によって尋ねる人が変わることもあり、社内事情もおぼえなくてはなりません。
また、電話対応だけでなく、エクセルへの打ち込み作業を求められることもあり、一般企業のコールセンター業務よりもやるべきことが多いでしょう。
採用難易度が高い
官公庁のコールセンターは、一般企業のものよりも採用が難しいです。
行政の窓口として対応するため、どうしても採用基準が高くなってしまいます。
面接時の受け答えなど、言葉遣いも厳しくみられると考えた方がいいでしょう。
また、容姿を気にする人もいるかもしれません。
コールセンターとはいえ官公庁で働くと思って応募してください。
一般企業のコールセンターに比べて官公庁の方が難易度が高いですが、一般常識をわきまえていれば大きな減点対象にはならないでしょう。
官公庁のコールセンターで働くやりがい
官公庁のコールセンターで働くことは、行政の一端を担うことと同様です。
一般企業に比べて厳しさがあるのは事実で、責任も重くなります。
それに覚えることも多く、業務も煩雑になりがちですが、言葉遣いやビジネスナーも同時に取得できるでしょう。
だからこそ、官公庁のコールセンターで働くことは、行政の仕事を垣間見えて、困っている人を助ける大きなやりがいもあります。
どうしても官公庁と聞くと特別なものと意識してしまいがちですが、コールセンター業務であることに変わりはありません。
今後のキャリアアップにも役立つので、ぜひ官公庁のコールセンター業務をチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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