なぜ今テレフォンアポイントが求められるのか!?必要とされる理由を徹底解説!!

厚生労働省が公開した「新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について」の資料によると、令和3年10月15日集計分付での解雇等見込み労働者数は 118,591 人だということです。

この数値は、前年度の79,522 人を大きく上回っており、年末に向けさらに増加傾向となる可能性も考えられます。

一方、このような状況にも関わらず需要が増えている職種があることをご存じでしょうか。

コールセンター業務、その中でも特に発信業務であるテレフォンアポイントの需要が急速に増加しているのです。

なぜ今、テレフォンアポイントは求められているのでしょうか。そこで、今回は、テレフォンアポイントの需要が急増している理由や企業が求める優秀なテレフォンアポインターとはどのようなものなのかを詳しく解説したいと思います。

テレフォンアポイントとは?

テレフォンアポイントとは、主にコールセンター内で電話発信、顧客対応を行う業種のことを言います。

新規、または既知の顧客へ電話を発信し、営業やアフターフォローなどを行うのです。外回りや訪問ではなく、室内での電話を使ったアポイント営業活動と考ると分かりやすいのではないでしょうか。

そのようなテレフォンアポイントが通信販売、教育機関、金融、保険、不動産などといったさまざまな業種で活用されているのです。

なぜ、今テレフォンアポイントが求められるのか。

テレフォンアポイントという仕事は以前から存在していました。しかし、なぜ最近になってテレフォンアポイントの需要が増しているのでしょうか。主な理由を3つ紹介します。

新型コロナウイルスの影響

テレフォンアポイントが求められる1つ目の理由は、新型コロナウイルスの影響です。

新型コロナウイルスが蔓延し、今まで同様の勤務形態を維持することが困難になりました。ソーシャルディスタンスを保ち、感染防止に務めた業務を行うことを求められ、テレワークを導入する企業が急速に増加していったのはご存じのとおりです。

特にダメージを受けてしまったのは飲食店などの接客業です。

つまり「顧客と対面での業務」が特に難しくなってしまったということです。これは営業職にとっても同様であり、対面でのアポイント営業活動が困難な昨今では、テレフォンアポイントを含むインサイドセールス(電話・メール・テレビ電話などを利用した訪問しないタイプの内勤型営業)を活用が求められるようになってきたのです。

このように、テレフォンアポイントが求められる背景には、新型コロナウイルスの影響による働き方改革が影響しています。

テレワークの活用

コールセンターに限らないことですが、企業の求める条件に一致する人材を見つけても通勤できる圏内でなければ採用することができません。

引っ越し費用、交通費を負担するということも可能ですが企業側の負担が大きくなってしまいます。ところが、テレフォンアポイントを含む、コールセンター業務にはこのような心配がありません。

なぜかと言うと、コールセンター業務はテレワークに最も適した業務体系を取ることができるからです。

自宅からでもコールセンターと全く同様な業務を行うことができる電話に特化したCTI(Computer Telephony Integration)システムを利用して、全国どこからでも通勤スタッフと同様にテレフォンアポイント業務を行うことができます。こういったテレワークの活用もテレフォンアポイントの需要を促進する理由の1つと言えます。

CRM、SFAなどマーケティングツールの発達。

テレフォンアポイントを効率化するシステムの発達も大きな理由です。

テレフォンアポイントを設けていない営業活動では、営業マン自信が電話やメールによる内勤営業を行った上で対面営業へ進まなければならず、営業マンの負担が多い状態でした。

最近では、テレフォンアポイントを代行または別部署として設け、効率的に購入や商談を取り付けてからアポイント以外の部分を営業マンに回すという風に連携をとり、負担を減らすことができるようになったのです。

CRM(Customer Relationship Management )は購入、応対、属性、現在の商談状況など顧客情報を一元管理し、見込み客の発掘や既存顧客のより深い理解を実現します。

このCRMには、テレオペレーターが行った内容を管理、データベース化し、テレオペレーターは見込み顧客、発信タイミング、アフターフォローなど、発信先の候補を判断した効率的な発信を可能にします。

さらに、この内容を営業部とシームレスに連携するのがSFA(Sales Force Automation)です。

SFAの利用で営業部でもテレフォンアポイントの情報を透明化してリアルタイムに確認、効率的な営業活動を可能にするのです。このようにシステムの活用で発信効率が良くなった分、テレフォンアポイントの需要も大きくなっているのです。

地方自治体のコールセンター誘致助成制度

コールセンターは数百人単位という大人数の従業員を収容します。そのため、設置するためには多額の投資が必要となるのです。

テレワークを利用するとしてもメインとなるコールセンターの設置は必要ですので、コールセンター業務を始める、テレフォンアポイント拠点を増設するというのは企業にとって大きな負担となっていました。

そこで登場したのが、地方自治体のコールセンター誘致助成制度です。

例えば北海道では、助成制度対応地域へコールセンターを設置する場合、投資額 2,500 万円以上、雇用増 5 人以上であれば、投資額の 4%(新規であれば投資額の 8%、限度額1 億円まで)の補助が可能となっています。

また、雇用人数が増員する場合、 1 人あたり50 万円 まで(6 人目以降から支給、合計限度額5,000万円)が補助されます。

この立地誘致助成制度が、まず1998年に沖縄、1999年に北海道が着手し、ほか地域でも次々と導入が進められました。

そのため、コールセンター事業は開業、運営しやすい事業となり、人員の大量確保を行いやすい業種となりました。結果として、コールセンター業務の1つであるテレフォンアポイントも、募集が多く、就職率が高いという安定した需要と供給を保つことができるようになったのです。

企業に求められる優秀なテレフォンアポインターとは?

テレフォンアポイントの需要が多い理由が分かっていただけたでしょうか。

ここからは、需要の多いテレフォンアポインターの中でも特に優秀と判断される人材の特徴についてご紹介します。

企業は、優秀なテレフォンアポインターに昇給、インセンティブ付与など好待遇を与える傾向があります。

発信件数が多い。アポイントメント獲得率が高い。

企業がテレフォンアポイントで求めているのは「どれだけ多く商談アポイントを取れるか(売上、商談につなげる為の約束)」です。

数多く顧客に発信できれば、それだけ商談取り付け率も上がっていきます。

そのため、アポイントのノルマを設置し、達成することでインセンティブを与えるといった制度を設け、従業員のモチベーションアップを計るという企業も多いです。

多くの発信件数をこなすことができる。それは、優秀なテレフォンアポインターと認識されるための重要なポイントです。

会話力、コミュニケーション能力の高さ

テレフォンアポイントは電話による営業活動ですので、顧客側に顔や表情が伝わることはありません。

話し方、声質、抑揚、会話スピードなど電話から伝えられるあらゆる要素を駆使して、顧客の信頼を得る必要があります。そのため、重要となるのは会話力です。

オープニングトーク(あらかじめ決められた初めの挨拶)で好印象を与え、相手の側に立った会話テンポ、受け止め、傾聴力などのコミュニケーション能力で信頼度を高めていきます。

さらに、最短の時間でアポイントを取り付けるためにイニシアティブ(主導権)を握る必要まであるというかなり高度なテクニックが必要です。

入社面接の時点でここまでの実力を備えておくべきとは言いませんが、このような素質がある、努力して近づくポテンシャルがある、そのような人材を企業は優秀と判断し、常に求めているのです。

メンタルの強さ

コールセンター業務の中でも、特にテレフォンアポイントはストレスを受けやすいと言われています。

飛び込みで営業をかけている営業マンを想像してみてください。

相手にされず、邪険な態度を受けるなんてことはよくあることだと思います。電話アポイント営業のテレフォンアポイントでも同様です。

ほとんどの顧客は優しく対応などしてくれませんし、アポイント営業だと分かった途端にクレームに発展するなんてこともよくあります。

多くの発信件数を裁き、会話力、コミュニケーション能力を駆使してアポイントにつなげるというのはメンタルを強く持たずにできることではありません。

顧客に振り回されず、強いメンタルを維持して対応できる。そのような能力が優秀なテレフォンアポインターには必須項目と言えます。

まとめ

今回は、テレフォンアポイントの需要が急増している理由や企業が求める優秀なテレフォンアポインターとはどのようなものなのかについて解説しました。

テレワークや充実したシステムツール、コールセンター誘致助成制度などさまざまな要因がテレフォンアポイントの需要を促進しているということが分かっていただけたのではないかと思います。

新型コロナウイルスの影響により失業率が増加する中、より安全な業務形態であるテレワークを利用できる業務に転職を考える人が増えています。

テレフォンアポイントを含むコールセンターはテレワークに適しており、今後もテレフォンアポインターへの就業を求める人材は増えていくと考えられます。

「テレフォンアポイントで働きたい」、「優秀なテレフォンアポインターと認められたい」とお考えの方は、是非、この記事を参考にしてテレフォンアポインターとして活躍して頂きたいと思います。